マネジメント

リーダーこそ必要!戦略的な休暇の取り方・過ごし方

新年度で新たにリーダーになった、という方もいるでしょう。張り切っていらっしゃるでしょうが、ここで提案したいのがズバリ「休む」ための戦略です。「ええー、人一倍働くのがリーダーでしょ?」という声も聞こえてきそうですが、リーダーにこそ、戦略的な休暇の取り方と休み方が重要なのです。

大塚 万紀子

執筆者:大塚 万紀子

マネジメントガイド

リーダー,マネジャー

休暇は欠かせないインプットのチャンス

新年度がスタートし、役職や役割が変わった人も多いでしょう。仕事の年間計画をこの時期に立てる、という人もいるはず。でも、仕事だけではなくて、休暇の予定もこの時期に立てると効果的なんです!今回は、リーダーだからこそできる、戦略的な休暇の取り方について考えてみましょう。

なぜ、リーダーにこそ「休暇」が必要なのか

そもそも、なぜリーダーにこそ「休暇」が必要なのでしょうか。

責任感の強いリーダーほど「部下の休暇には関心を持っているけれど、自分の休暇は後回し」になる傾向があります。

「休暇」=「休息」とだけとらえ、「自分は身体的にも精神的にも疲れていないから……」と休むことに消極的な人もいます。

でも、実は戦略的に休暇をとることで、リーダーであるあなた自身のパワーアップとマネジメントの役割に磨きがかかるのです。

キーワードは「吸収力」。

リーダーは、部下から新しいアイデアや幅広い人脈を期待されるポジションです。あなたが休暇をとらず、目の前の仕事だけに没頭していたら、新しいアイデアが生まれたり人脈を広げたりする機会がなくなってしまいます。定期的に、意図をもって休暇を活用することで、会社では得られない情報や経験を吸収し、リーダーとして一回り成長することが期待できます。

リーダーにおすすめの休暇の取り方

まず考えるべきは、「どのような休暇を」「どの時期に取るか」ということです。

たとえば……
・9月まで長期プロジェクトが続くので、10月に心身の休息も含めた休暇を2週間とろう
・6月と12月は部下のサポートが必要な時期だから、リーダーとして受け止めるためのエネルギーチャージが必要だな。5月と11月に3日ずつ休暇を取ろう
・来年の2月に大きなカンファレンスがあるから、その直後に1年間の仕事やキャリアの振り返りをする時間が欲しいな。3月に1週間休もう
・今年は大学院に通って定期的な学びの機会を得たいから、まとまった休暇ではなく、月に2回、水曜日に休暇を入れて予習復習の時間に充てよう……

といったように、休暇の活用イメージを年初に立てておくと組み立てやすくなります。何かをじっくり体験したい・思考したい場合には、最短でも1週間は休めるといいですね。

やりたいことが思いつかなければ「SWOT分析」

とはいえ「そんなにパッとやりたいことは思いつかない……」という人も多いでしょう。そんな方は、SWOT分析を使ってみてください。

これはマーケティングを担当する人にはなじみのある市場分析等のためのツールです。自分や自社を取り巻く外部環境・内部環境を以下の4つで分析するものです。
  • 強み (Strengths)
  • 弱み (Weaknesses)
  • 機会 (Opportunities)
  • 脅威 (Threats)
4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図ります。これを、あなた自身の現状把握や能力・経験という資源を活用することにも応用できます。

まず、SWOTの各エリアにあなたが思う自分の「強み」「弱み」「機会」「脅威」を書き込んでみます。次に、
  • 見えている「機会」を通じて「強み」をさらに活かせないか
  • 「強み」をより強化することで「脅威」を克服できないか
  • 「機会」をさらに活かすために「弱み」を補う方法はないか

などを考えます。最後に、
  • それらの戦略に休暇を活かせないか
を考えてみましょう。

ここでのポイントは、「休暇はあくまでも仕事の時間ではない」ということです。SWOT分析を使って職場で仕事のスキルアップをしていくのは当然として、いつもの仕事ではない角度からリーダーとしての資質をブラッシュアップしていく、という視点を持ってみましょう。

たとえば、
  • プレゼンスキルに強みのある人はより伝える力を磨くために海外旅行先で日本文化について紹介してみる
  • 数字を扱う仕事に抵抗感のある人は地域活動で会計係をやってみる
といった具合です。

休暇を取る前にやるべきこと

休暇,インプット

リーダーは戦略的に休むべき

いつ、どんな休暇を取るかが決まったら、それまでにやっておきたいことがいくつかあります。

  1. 休暇中に進めておいてもらいたい仕事をリストアップする
  2. それらの仕事はあなた(リーダー)以外でもできる仕事かを、確認する
  3. あなた以外では対応できないとしたら、どのような対策を取るかを考える

特に3については、様々な対策が考えられますのでさらに考えてみましょう。
  • 3-1.部内で対応できるよう、休暇開始日までに部下を育成する
  • 3-2.部内で対応できるよう、部下が読めば進められるようなマニュアルを作る
  • 3-3.部内で対応できるよう、上司に依頼する
  • 3-4.部外(顧客も含む)に事情を話し、休暇が終わるまで待ってもらう
といったところでしょうか。

あなたがどの選択肢を選ぶか、は部内の状況にもよるところですが、あなたが休暇を経て新しいアイデア満載で職場に戻ってくる=新しい仕事(価値)を生み出す時間が必要になることを考えると、3-1.3-2.が選択できるとよいですね。

休暇を取った後にやるべきこと

休暇は取ったら終わりではなく、休暇後に何をするかが大切です。お土産を買ってくる、休んだ分がむしゃらに仕事をする……、という人もいますが、せっかくですので新しい工夫をしてみましょう。

1.休暇を振り返って次の休暇予定に活かす
日数が長すぎた/短すぎた、事前準備が適切だったか、などを振り返り、忘れないうちに次の休暇の予定を組み立てておきましょう

2.仕事に新しい価値を付加できないか考える
休暇を通して得られたものを書き出しておくことがお薦めです。「リラックスできた」「よく眠れた」ということでもかまいません。普段の生活や仕事では得られなかったことを言語化しておきます。

3.部下に休暇で得たことを伝える
2で言語化したことも踏まえつつ、部下や周囲の人に休暇の感想や得たことをシェアしましょう。休暇を取ることにまだまだ抵抗感を持つ人が多い日本ですから、休暇がどんなふうに役に立ったか、よいものだったか、を発信することで、あなたが再度休暇を取りやすくする土壌づくりにつながります。

いろいろ提言しましたが……、休暇中はしっかり楽しむことが一番大切!

ここまで考えられたら、あとは休暇を思いきり楽しむだけです!

心身ともにリフレッシュしたり、新しいインプットを手に入れたあなたを想像して、まずは手帳に休暇の予定を書き入れてみてくださいね!
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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