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春の鎌倉で花めぐり ツツジやフジを楽しむ散歩コース

きらめく新緑が美しい季節、フジやツツジの花々に会いに、鎌倉花めぐりへ出かけませんか? 段葛のツツジや鶴岡八幡宮のフジ・ぼたん、妙本寺の新緑に安養院の真紅のツツジ…「こけ寺」では、みずみずしい緑のこけ石段を拝観しましょう。4月末~5月初めにおすすめの花めぐりコースをご紹介します。

村田 江里子

執筆者:村田 江里子

鎌倉・江ノ島ガイド

鎌倉駅から花めぐり~ツツジやフジを楽しむコース

ツツジの花

色鮮やかに咲くツツジの花


お花たちが次々に咲く、陽春の候。サクラの花が終わると、そろそろ新緑が美しい季節! 爽やかな、お散歩の楽しい季節ですね。4月末~5月ごろに楽しめる、ツツジやフジの花めぐりのコースをご紹介しましょう。

途中地点でランチをいただくスケジュールなら、9時半~10時ごろ鎌倉駅からの出発がおすすめです。鶴岡八幡宮を拝観したら駅方向へ戻り、新緑の妙本寺を拝観して、12時ごろ鎌倉駅周辺でランチ。

13時ごろからツツジ咲く安養院や安国論寺、こけ寺・妙法寺を訪れて、15時半ごろ名越バス停がゴール。ここからバスで鎌倉駅へ戻ると、16時ごろお土産探しなど楽しんで帰途につく、そんな1日コースです。

<INDEX>
若宮大路・段葛 ツツジ
鶴岡八幡宮 フジ・ぼたん・ツツジ
路地歩き
妙本寺 新緑・シャガ
小町通りや御成通りでランチ
安養院 ツツジ
安国論寺 フジ
こけ寺・妙法寺 みずみずしい緑のこけ石段


若宮大路・段葛 ~ピンクや白のツツジが彩る道

出発は鎌倉駅。東口を出たらまっすぐ進み、若宮大路に出て、左に進んでいきましょう。

二ノ鳥居をくぐり、鶴岡八幡宮の参道・段葛(だんかづら)へ。足元を、ピンクや白のツツジが彩ります。4月下旬~5月初めなら、サクラの若葉の新緑もきれいなころ。
段葛を彩るツツジ

段葛を彩るツツジ



鶴岡八幡宮 ~フジやツツジ、新緑の山並みを眺めて

いよいよ鶴岡八幡宮へ! 大石段を上り、本殿にお参り…借景の山並みの、明るい新緑もきれいです。
鶴岡八幡宮

明るい新緑に彩られた鶴岡八幡宮


鎌倉幕府初代将軍・源頼朝が創建した、源氏の氏神をまつる神社。大石段の上からは、まっすぐ伸びる若宮大路や、鎌倉のまちなみを見晴らせます。

大石段を下りて、源平池へ。源氏池の赤い橋を渡った島にある旗上弁財天社には白藤がまぶしく咲き、芳醇な香りを漂わせています。
旗上弁財天社の白藤

芳醇な香りを漂わせる、旗上弁財天社の白藤


1180年・源氏の旗上げの際に弁天の霊験があったことから、1182年源平池を造った際に建てられたといわれる旗上弁財天社。弁財天が司る学問や芸術、財福に関するご利益や、源氏の旗上げにちなみ、必勝や商売繁盛のご利益もあるとされているんですよ。

源平池のほとりにも、藤棚があります。ベンチに座って、のんびりくつろぐのもいいですね。

神苑ぼたん庭園の入り口に「見ごろです」とお知らせがあったら、ぜひ訪れてみましょう(入園料500円)。
鶴岡八幡宮神苑ぼたん庭園に咲くぼたん

鶴岡八幡宮神苑ぼたん庭園に咲くぼたん


和傘をかぶった、華やかなぼたんの花々に出会えます。にぎやかな鶴岡八幡宮の中でも、静かに季節の風情を楽しめる、おすすめスポットです。

<DATA>
■鶴岡八幡宮
住所:鎌倉市雪ノ下2-1-31
TEL:0467-22-0315
アクセス:JR鎌倉駅東口から徒歩約10分
地図
ホームぺージ


路地歩き ~ほっこり和む、若宮大路沿いの道

鶴岡八幡宮を出たら、駅の方へ戻ります。小町通りをそぞろ歩きながら、楽しく向かうのもいいですね。

次の目的地・妙本寺に向かうのに便利なルートで、ちょっと穴場感のある静かな道を歩いてみたい方へ、若宮大路に平行する路地をご紹介しましょう。

鶴岡八幡宮の、藤棚のある源平池を出て「流鏑馬馬場」といわれる鶴岡八幡宮境内を東西に横切る道に出たら、右手に進みます。鶴岡八幡宮東門の鳥居をくぐって、すぐにその角を右折しましょう。
若宮大路に平行して続く路地。大佛次郎茶亭前には趣ある板塀が

若宮大路に平行して続く路地。大佛次郎茶亭前には趣ある板塀が


石垣の続く、静かな路地。ここからずっと若宮大路に平行して、ひっそりと小道が続いています。途中道を渡ることもありますが、同じ方向に直進。

ときにゆるやかにカーブする、民家の間を進むと、昔ながらの板塀・旧大佛次郎茶亭などの旧跡も。ほっこり心和む、路地歩きです。

10分ほど歩き、右手に協会のある十字路に出たら左折。さらに先ほどの進行方向に直進し、突き当りを左手に曲がると、妙本寺に到着します。


妙本寺 ~美しい新緑、純白のシャガ……爽やかに森林浴

鎌倉駅にほど近い、妙本寺。山門をくぐると、参道の爽やかな新緑に迎えられます。しっとりとした緑に包まれ、小鳥の声も響いて…心落ち着く境内。

階段を上がり、モミジの新緑がまぶしく映える、朱塗りの二天門を通って……
まぶしい新緑が映える妙本寺の二天門

まぶしい新緑が映える妙本寺の二天門


堂々とした本堂に迎えられます。妙本寺では、4月上旬にカイドウ、4月下旬に八重桜、4月~5月にシャガの花や新緑…と、刻々と変わりゆく春の花々と出会え、季節の情緒を満喫できます。春には足元に、点々とシャガの花が咲いています。
妙本寺に咲くシャガ

妙本寺には春、白いシャガが明るい光を振りまくように咲きます


ご本堂に上がって、お参りを。妙本寺は、頼家の乳母の一族であった比企氏の館があった場所。鎌倉幕府二代将軍・源頼家の後継者争いから、北条政子が館に火を放ち、比企氏は滅亡していきました。そんな悲劇の地にたたずむ、静かなお寺です。
妙本寺の回廊から望む、したたる緑

妙本寺の回廊から望む、したたる緑


回廊から、美しい緑に包まれた境内を眺めて深呼吸。いつまでもたたずんでいたい境内です。

<DATA>
■妙本寺
住所:鎌倉市大町1-15-1
TEL:0467-22-0777
アクセス:JR鎌倉駅東口から徒歩8分
地図
ホームぺージ


鎌倉駅そばでランチ 小町通りでの食べ歩きも

妙本寺を出たころには、そろそろお昼。ランチのお店に向かいましょう。鎌倉駅の近くには、おいしいお店もたくさんあります。

鎌倉駅西口にある「ガーデンハウスレストラン」。心地よい緑に包まれたアプローチが、迎えてくれます。
ガーデンハウスレストラン外観

緑があしらわれたアプローチもすてきなガーデンハウスレストラン


広々とした店内は、おしゃれで落ち着いた雰囲気。人気のメニューは「バターミルクパンケーキとフライドチキンのコンボ」1500円。
ガーデンハウスレストランのパンケーキコンボ

ガーデンハウスレストランのパンケーキコンボ


ふんわりもちっと、ミルキーな味わいのパンケーキに、メープルシロップをかけていただきます。さっくりとジューシーなフライドチキンは、ライスフラワー(米粉)を使用して揚げられたものだそう。

ランチセット(平日限定)には、オーガニックティーまたはハウスブレンドドリップコーヒがセットになっています。
ガーデンハウスレストランの店内

ガーデンハウスレストランの落ち着いた店内


おしゃれで落ち着いた雰囲気のお店でランチを味わいたい方に、おすすめのお店です。

■ガーデンハウス(GARDEN HOUSE)
住所:鎌倉市御成町15-46
TEL:0467-81-5200
定休日:不定休
アクセス:JR鎌倉駅西口より徒歩約5分
地図
ホームぺージ
ご紹介記事

御成通りで、フランス人シェフがつくるフランス料理がいただける「レストラン レネ」も、ゆったりとお食事が楽しめるおすすめのお店。また、小町通りで食べ歩きも楽しいですね。

<DATA>
■レストラン レネ
住所:鎌倉市御成町10-4
TEL:0467-40-3008
定休日:火曜日、第4月曜日
アクセス: 鎌倉駅西口より徒歩約2分
地図
ホームページ
ご紹介記事

■小町通り食べ歩き
ご紹介記事

散策の予定日が決まったら、おいしいお店をリサーチしてランチ予約をしておくのがおすすめですよ。


安養院 ~燃え立つような真紅のツツジ

ランチを食べ終わったら、先ほどの妙本寺の山門前に戻りましょう。山門前を向かって右手へ行くと、静かな小道が続いています。

「ぼたもち寺」といわれる常栄寺、鎌倉最古の厄除け神社といわれる八雲神社の前を通って。大通りに付き合ったら、左折して進みましょう。左手の別願寺の境内に、フジの花が咲いているかもしれません。

いよいよ、安養院へ。例年4月最終週~5月初めごろには、真紅のオオムラサキツツジの花が一面に! 目を見張るような鮮やかさです。
オオムラサキツツジが紅色に彩る安養院

オオムラサキツツジが紅色に彩る安養院


北条政子は亡き夫・頼朝の冥福を祈って長谷に長楽寺を建てましたが、政子亡き後、兵火に焼かれてしまったため、この地に移され、再建されました。

御本尊の阿弥陀如来像の奥には、「昇龍観音」「良縁観音」と呼ばれる千手観音がまつられています。北条政子はこの千手観音を信仰したおかげで頼朝と結ばれたり、頼朝が天下をとったりしたといわれています。飛躍や良縁を願って、お参りしたいですね! 

境内奥には、北条政子の墓といわれる石塔もあります。

<DATA>
■安養院
住所:0467-22-0806
TEL:鎌倉市大町3-1-22
拝観料:100円
拝観時間:8:00~16:30
拝観:12月29日~31日は閉門
アクセス:JR鎌倉駅東口3番バス乗り場から名越方面行きで「大町四ツ角」下車徒歩3分
地図


安国論寺 ~フジ棚の下に座って一休み

安養院を出たら、元の道をまっすぐ進んで。Y字路に出たら、左手の細い道へ入っていきます。
門前のイチョウの緑がまぶしい安国論寺

門前のイチョウの緑がまぶしい安国論寺


突き当りの、大きなイチョウの木がそびえるお寺が安国論寺。日蓮上人が、「立正安国論」を書いたとされる地に建つお寺です。

日蓮上人は、法華経の教えを広めようと鎌倉に入りましたが、幕府や他宗徒から迫害を受けました。雨露をしのぐため見つけた岩窟を道場とし、ここで法華経を信じることの大切さを説く「立正安国論」を書いたといわれます。本堂向かいの御小庵の裏には、御法窟という岩穴が今も残されています。

緑に包まれた境内……少し急な境内の山道を登れば、青い海を見晴らせる、爽快な景色。日蓮上人は、毎日ここから法華経を唱えたともいわれています。
安国論寺の山道から見晴らす海

安国論寺の山道から見晴らす海


一周15分ほど、新緑のハイキングが楽しめますよ。5月に入れば、白いマルバウツギなどの花が、緑の森を明るく彩ります。

フジが辺りに咲いている季節には、境内の藤棚の下で一休みするのも楽しみ。
フジの花

藤棚の下で一休みを


入口の札所で、お抹茶をいただくこともできます(菓子付450円)。

<DATA>
■安国論寺
住所:鎌倉市大町4-4-18
TEL:0467-22-4825
拝観料:100円
拝観時間:9:00~16:30
拝観:祝日以外の月曜閉門
アクセス:JR鎌倉駅東口3番バス乗り場から「名越方面」行きで「名越」下車徒歩3分
地図


妙法寺 ~みずみずしい緑のこけ石段

安国論寺の前を左折して、奥に入ると妙法寺。しっとりした風情の、趣あるお寺です。

門を入ると、5月初めなら、左手に白いチョウのような花をつけるヤブデマリが迎えてくれるかもしれません。
5月、チョウのような白い花を咲かせるヤブデマリ

5月、チョウのような白い花を咲かせるヤブデマリ


お線香をいただいて、ご本堂でお参りしましょう。5月に入れば、足元に、紫色のアヤメの花が奥ゆかしい風情で咲きます。

妙法寺は、日蓮上人が鎌倉に来て布教を行うために建てた、松葉ヶ谷草庵跡(まつばがやつそうあんあと)に開かれたとされるお寺です。

朱塗りの二天門をくぐって境内奥へ進めば、みずみずしい緑の、こけ石段に迎えられます。
みずみずしい緑のこけ石段

みずみずしい緑のこけ石段


春には、白いシャガの花が、舞う粉雪のように咲いています。

「美しき こけ石段に 春惜しむ」
星野立子の句碑が、そばにたたずんでいます。

ゆっくり、心静まる春のひとときを味わって……。

さらに急な山道を登れば、日蓮上人が布教の拠点としたという庵(いおり)の跡「松葉ヶ谷御小庵(ごしょうあん)跡」や日叡上人の父・護良親王のお墓にお参りすることもできます。護良親王のお墓からは、木立の間から、海も見晴らせます。急な石段の山道になりますので、足元には気を付けてくださいね。

<DATA>
■妙法寺
住所:鎌倉市大町4-7-4
TEL:0467-22-5813
拝観料:300円 小学生200円 幼児無料
拝観時間:9:30~16:30
拝観:12月第2週~3月中旬、7月第2週~9月中旬までは土・日・祝のみ拝観可
アクセス:JR鎌倉駅東口3番バス乗り場から「名越方面」行きで「名越」バス停下車徒歩5分
地図


妙法寺を出たら、バス通りに戻り、名越バス停から鎌倉駅に戻ることができます。

今回は散策を楽しむロングコースをご紹介しましたが、鎌倉駅からピンポイントでこけ寺を拝観したいなら、鎌倉駅からバスに乗って名越バス停で下車し、妙法寺を訪れましょう。拝観後、またバスで名越バス停から鎌倉駅へ戻れば、ほかの観光名所をめぐるのもスムーズです。

真っ青な空、きらめく新緑、ツツジやフジの花々に出会って、ぜひ陽春の鎌倉花めぐりを楽しんでみてくださいね。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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