チョコレート/チョコレートのおすすめ店

「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房」がOPEN

2018年3月26日(月)、ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房が東京・日本橋にオープンしました。フランス料理界の巨匠、アラン・デュカスがアートディレクションとフレーバーを決定。世界初となるサロン(イートインスペース)を併設しています。オープンにあたり、アラン・デュカス氏、シェフ・ショコラティエのジュリアン・キンツラー氏にお話を伺いました。

市川 歩美

執筆者:市川 歩美

チョコレートガイド

ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房がオープン!

2018年3月26日(月)、東京・日本橋に、パリ発のチョコレート専門店「ル・ショコラ・アラン・デュカス」がオープンしました。
ル・ショコラ・アラン・デュカスのタブレット

タブレットはピエール・タションによるデザイン。煉瓦を思わせる凹凸のデザインにオリジナリティがあります。(c)Pierre Monetta

場所は日本橋本町1-1-1という好立地。東京メトロ「三越前」駅A1出口徒歩数分という便利な場所にあります。
外から

ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房の外観

フランス以外では初となるショコラ工房「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房」には、チョコレートの販売スペース、そして世界初となる、ル・サロン(イートインできるスペース)を併設しています。
外観

ブティック

ムース・オ・ショコラ

ル・サロンのメニュー「ムース・オ・ショコラ」1600円(税別)

シェフ・ショコラティエは、ジュリアン・キンツラー氏。東京・銀座の「ベージュ アラン・デュカス 東京」で2008年からシェフ・パティシエを務め、2015年からは「ル・ショコラ・アラン・デュカス」パリ工房でニコラ・ベルジュシェフから薫陶を受けた、経験豊かなシェフです。
外観2

ブティックから階段を上がり、ル・サロンへ

エントランスを入ると、広がるチョコレートの販売スペース。木、煉瓦、ガラス、鋼を使ったクラフトマンシップを感じる空間は、パリの店舗を思わせます。

ル・サロン(カフェスペース)は中2階に。ガラス窓を通して、工房でスタッフが作業をする様子を見ながら、チョコレートを味わうことができます。
ポートレート

ニコラ・ベルジェ(左上)、アラン・デュカス(左下)、ジュリアン・キンツラー(右)(c)Pierre Monetta

カカオ豆から作られたクーベルチュール(チョコレート)をパリ工房から輸入し、東京でタブレット、ボンボンショコラ、焼き菓子、デセールを作ります。

タブレットは「オリジン オ・レ」3種各1400円(税別)、「オリジン ノワール75%」7種各1650円(税別)をはじめ26種、ボンボンショコラは、ガナッシュ、プラリネあわせて16種。現在は1個ずつの販売はなく、アソートメントボックスがあります。

また「ミルフィーユ・トゥ・ショコラ」「スフレ・オ・ショコラ」などのル・サロンのデセールが全6種(すべて日本限定)。
ミルフィーユ

ミルフィーユ・トゥ・ショコ 1700円(税別)

「フィナンシェ・オ・グリュエ」「パン・ド・ジェーヌ・シトロン」「クッキー オートミール&ショコラ」などの焼き菓子も揃っています。「焼き菓子 5種 詰め合わせ」2800円(税別)はお手土産に。全て、カカオの個性を感じられるのが特徴です。
マカロン・フランボワーズ

マカロン・フランボワーズ 800円(税別)

日本橋の東京工房オープン後、4月末には、六本木けやき坂に「ル・ショコラ・アラン・デュカス 六本木」がオープン。こちらもサロン併設店です。

これからは東京で、パリでしか購入できなかったあのチョコレートの味を楽しめます。素晴らしいですね!

ジュリアン・キンツラー氏 インタビュー

東京工房オープンにあたり、シェフ・ショコラティエのジュリアン・キンツラーシェフにお話を伺いました。
ジュリアン・キンツラーシェフ

「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房」 シェフ・ショコラティエ ジュリアン・キンツラーシェフ(c)Pierre Monetta

ーお仕事内容を教えてください。

東京工房のチョコレートの全てを監修します。クーベルチュールや原材料の輸入も管理します。ショコラに使う素材は可能な限りパリと同じものを輸入するなど、パリと同じ、或いは極力近い味を作るためです。

また、日本限定となるガトーやデセールのクリエーションも私の仕事です。これはとても楽しく、エキサイティングです。デセールはすべて私たちのクーベルチュールを使用したもので、季節毎に新しいデザートを作る予定があります。カカオニブやショコラを必ず入れて作るのが特徴です。

ーチョコレートの面白さはどこにありますか?

様々な素材と組み合わせられることです。赤いフルーツや、エキゾチックなフルーツ、スパイスと合わせても美味しい。温・冷の対比なども面白く、可能性が大きいのです。

ーニコラ ・ベルジェ シェフとの関わりを教えてください。

ニコラがアラン・デュカスグループのレストランのパティスリー全体の統括をしていた時、私は「ベージュ アラン・デュカス 東京」でシェフ・パティシエをしていました。彼は世界中のレストランを回ってパティスリーを指導していたのです。私は2005年にベージュに入店しましたが、私をベージュに抜擢してくれたのはニコラです。

ニコラとは知り合って14年ですが、とても真剣に仕事に向き合う人です。私は料理業界、お菓子業界が長いため色々な人と出会っていますが、彼のような人は初めてかもしれません。エキスパートで、ノウハウを持っていて真剣。……そうですね、あれほどまでの人は初めてです。リスペクトしています。ニコラはカカオからクーベルチュールをつくる専門家。パリでニコラが作ったショコラを、私が東京でショコラにし、ガトーにする。ニコラとコラボレーションできることがとてもうれしいです。

アラン・デュカス氏 インタビュー

アラン・デュカス シェフにもお話を伺いました。
ジュリアン・キンツラーシェフ(左)undefinedアラン・デュカスシェフ(右)

ジュリアン・キンツラーシェフ(左) アラン・デュカスシェフ(右)(c)Pierre Monetta

ーなぜ2013年、パリにチョコレート専門店をオープンされたのですか?

今から42年前、私はミシェル・ゲラールシェフの元で修行する料理人でしたが、1975年から1976年の1年間は、ショコラを作っていました。場所はパリの「ルノートル」です。「ルノートル」には当時シェフ・ショコラティエとして、ミッシェル・ショーダンが働いていました。私は彼と一緒に仕事をして、彼の仕事を見て、チョコレートに強く惹かれたのです。

ただ、その頃私はまだ先のことを決めておらずーこれからパティスリーをやろうか、ショコラをやろうか、それとも料理なのかー迷っていました。そして結果、私は料理を選ぶことにしました。「ルノートル」で、つまりミシェル・ショーダンの元で、ショコラへの情熱が芽生えました。料理人になることを決意したものの、その後40年もの間、ショコラの店を作ることを考え続けていました。

ーチョコレート店オープンにあたり、カカオ豆からチョコレートをつくることにした理由は?

私はそもそも、ショコラの店を開くにあたり、クーベルチュールメーカー(製菓用チョコレートメーカー)からチョコレートを買うつもりは一切、全く、ありませんでした。その理由は、私の考えでは、カカオからショコラを作らなくては「ショコラティエ」ではないからです。

ーアメリカで生まれたムーブメント「ビーントゥバー」と「ル・ショコラ・アラン・デュカス」のチョコレート。私は異なるものと考えていますが、いかがでしょうか?

全く違います。昼と夜くらい違う。あるいは、1と100の違いがある。「全く逆のことをやっている」と言ってもいいです。ビーントゥバーと私達のショコラは違う製品だ、とあなたの記事に書いてください(と私に)。

ーどこが違うのですか?

それは味わえばわかります。しっかり味わってください。食べてください。私は、私が納得のいく最高の素材しか使いません。そして最高の味を作っているのです。まずはカカオから始まります。最高のカカオ豆を最高の生産者のもとから仕入れ、それを私達の工房で焙煎し、ショコラにする。カカオという素材の味を生かしています。

私たちのボンボンショコラは、カカオの個性をいかしたガナッシュ、フレーバーのついたガナッシュ、プラリネ、この3種類しかありません。よく味わってください。最高のものを作っています。ナッツにしてもどの素材も、最高のものを使っています。

ーチョコレートは子どもの頃から召し上がっていたのですか?

子どもの頃からずっと食べていました。主にダークチョコレートです。それが特に好きだったというより、自宅にダークチョコレートが置いてあることが多かったからです。ショコラは、どんな種類も全般好きでした。

ーチョコレートの魅力は何でしょう。

よい意味で「アディクション」がある食べ物です。食べて夢中になれるものです。

ーチョコレートの美味しさに加え、パッケージ、インテリア、全てからエレガントさ、そして「美」があり、統一感があります。

煉瓦、鉄、テクノロジー、工具、技術、エンローバーのマシン、コンチングマシン、いずれも最先端のものを選んでいます。私がこのようにしているのは「これが良い」と思うからしているのです。そうでなければこうはならない。

美味しいと美しいは一体です。私たちは「美しい」と「美味しい」にこだわっているのです。ショコラは全てにおいて美味しいディテールにこだわっている。美しいものは美味しいもののためにある。全てはつながっているということです。

ー日本のチョコレートファンへのメッセージをお願いします。

私たちは私たちのショコラを作ると決心しました。私たちのクーベルチュールをつくり、ボンボンショコラを作りました。他のメーカーのものは、絶対に買いません。それは私が料理人として、別の会社から「ソースの素」を買っていることと同じです。ショコラも同じ考えです。全てを自分たちで作るからこそ、他にないショコラができる。私は料理人として、決して他社から買ったソースを使って混ぜたりしない。ショコラを作る者として、それと全く同じように取り組んでいるのです。
チョコレート

(c)Pierre Monetta

アラン・デュカスシェフの「味わってみればわかる」という言葉。私は深く納得しました。

ショコラは言うまでもなく、食べものです。パッケージを「見て可愛いと思うこと」、写真を「きれいに撮ること」以上に、最高の素材を使って繊細に作られたショコラは、「味わう」もの。

最高の素材を最大限に活かすべく、職人の手で丁寧に繊細に作られたショコラは、じっくりと味わうべき味覚の芸術です。ゆっくりと向き合い、味覚で鑑賞しましょう。

世界の美食家を満足させ続ける料理人、アラン・デュカス氏がプロデュースする、カカオ豆から作った珠玉のショコラの数々。選び、味わうための美しい空間も用意されています。丁寧に「味わって」ください。

※2013年にオープンしたパリの本店「ル ショコラ アラン・デュカス マニファクチュール ア パリ」についての記事も近日公開します。

DATA
ショコラ・アラン・デュカス 東京工房
2018年3月26日オープン
住所:東京都中央区日本橋本町1-1-1
営業時間:11:00~20:00 ※ブティック、ル・サロン(イートイン)
共通
座席数:30席
WEBサイト

■パリの本店「Le Chocolat Alain Ducasse Manufacture à Paris(ル・ショコラ・アラン・デュカス マニファクチュール・ア・パリ」を訪問した記事については、こちらをお読みください!
「ル・ショコラ・アラン・デュカス」パリ本店を訪ねて
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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