捻挫とは……「ひねり」「くじく」ことで起きる損傷

捻挫した足

捻挫はひねったり、くじいたりすること。それによって痛みや腫れ、内出血などがみられる。

アスリートだけではなく私たちにもなじみのある「捻挫(ねんざ)」。そもそも捻挫とは正式な医学用語ではなく、文字通り「捻る(ひねる)」「挫く(くじく)」といった動きをしてしまったことで起こる損傷を言います。捻挫によってどの部位が傷んだかは、医師による問診をはじめ触診やレントゲン、その他必要に応じた検査によって確認されます。

足首の場合、多くのケースで見られるのがいわゆる足首の捻挫、つまり足関節を支えている靱帯の損傷でしょう。足関節を構成する骨はさまざまな靱帯によって固定されていますが、本来の動きを超えた過度な「ひねり」や「くじき」によって靱帯の一部が切れてしまったり、ゆるんで機能を果たさなくなってしまったりします。損傷の程度が大きくなればなるほど、患部には痛みをはじめ、腫れ、熱感などの炎症反応が伴い、内出血が見られたり、歩行に支障をきたしたりします。その他には足関節を構成する骨の一部が欠けてしまったり、折れてしまったりする「骨折」や、足関節を支える腱の位置がズレた「腱の脱臼」、また、筋肉そのものを痛めてしまう場合もあります。

捻挫の種類……足裏が内側に向く「内反捻挫」が多い理由

足をひねった子ども

足の裏が内側を向き、足首の外側を傷める内反捻挫が多い

足関節の捻挫には、足裏が内側に向く内反捻挫(ないはんねんざ)と、足裏が外側に向く外反捻挫(がいはんねんざ)の2種類がありますが、多くを占めるのは内反捻挫です。これには身体の構造上の理由があります。

■内半捻挫を起こしやすい3つの理由
1. 骨の構造
すねを構成する2本の骨のうち、外側の骨である腓骨(ひこつ)の方が長く、内側の骨である脛骨(けいこつ)の方が短いため、足裏が外側に向きにくいため

2. 靱帯の構造
足関節の内側にある靱帯は比較的強度が強いのに対し、外側にある靱帯は弱いため、容易に傷めやすいため

3. 動きの問題
足裏が内側を向く動きの範囲が、外側を向く動きの範囲よりも大きく、足裏を内側に向けやすいため

こうしたことからスポーツ動作における着地や歩行、衝撃などによって足関節が正しい位置ではなく足裏が内側を向きやすくなって、捻挫を起こしやすいと考えられています。

捻挫の応急処置(応急手当)の基本は「RICE処置」・長風呂等も控える

氷のう

応急処置では氷や氷水をつかって患部を冷やすこと。氷のうやビニール袋などを利用しよう。

捻挫をしてしまったときはまず応急処置として患部を冷やすようにします(なお、「応急処置」は正確には救急隊員が行えるもので、無資格の一般の方がする場合は「応急手当」という方が正確です。以下では「応急手当」と記載します)。応急手当の基本はRICE処置ともいわれていますので、この4項目を守るようにすると良いでしょう。
  • R…REST 患部が動揺しないように安静状態を保つ
  • I…ICING 患部を冷却する
  • C…COMPRESSION 患部を弾性包帯やバンテージなどで軽く圧迫する
  • E…ELEVATION 患部を心臓よりも高く挙げて内出血量を抑える
氷や氷水などを使って患部を冷却することは、炎症を拡げないようにするだけではなく、痛みをやわらげる効果も期待できます。患部を冷却すると最初のうちは捻挫による痛みや冷却による冷たさを感じますが、しばらくそのままにしておくと、これらの感覚はなくなります。目安の時間はおよそ15~20分程度ですが、感覚がなくなってから5~10分程度冷やすようにすると良いでしょう。

ケガをした直後に冷湿布で対応するケースも見られますが、初期対応としてはまず患部を十分に冷却すること。そのためにも氷や氷水を用いて、これ以上炎症反応を拡げないようにすることを優先させましょう。この段階では患部を温めるとかえって痛みなどが強くなることがありますので、炎症症状が落ち着くといわれる2~3日間は、シャワーを使ったり長風呂は避けたりするなど、入浴についても軽めに済ませるようにし、飲酒なども控えるようにしましょう。

捻挫の冷却後も痛み等の症状が悪化する場合はすぐに病院へ

軽度の捻挫であれば冷却などの応急手当を行い、様子を見ると、時間とともに痛みなどの炎症反応が軽減されていきます。しかし、負傷した箇所が変形していたり、腫れや痛みなどが時間とともにどんどん悪化していたり、足がつけないほど正常な歩行ができなかったりと、深刻と思われるケースの場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

捻挫が完治するまでの期間の目安

バスケットボールをする少年

捻挫の程度はそれぞれのケースによって違うため、医師に診察してもらうようにしよう。

比較的軽度の靱帯損傷であれば1週間~10日前後をめどに痛みや腫れなどがおさまり、通常歩行が可能になると言われていますが、これは捻挫の程度によるので一概には言えません。詳しい期間などについては医療機関を受診し、担当の医師に確認するようにしてください。またケガをした直後は患部を冷却しますが、炎症症状が落ち着いてきた段階からは血行を良くし、傷んだ組織の修復を早めるために患部を温めるようにしていきます。一般的にはケガをしてから2~3日後(48時間~72時間程度)をめどに、冷やすことから温めることへとシフトをしていきますが、こちらについても判断が難しい場合も多いため、あらかじめ担当の医師に確認をしておくと良いでしょう。

捻挫によって起こる症状は非常に幅広いため、一般的な見解のみで判断するとケガを悪化させるおそれもあります。適切な応急手当を行った後は医療機関で診察を受け、どこをどのように傷めているのか、どうすれば改善するのかといったことを必ず相談するようにしてくださいね。
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