アドバイス1 返済より手持ち資金を増やすことを優先
相談文から、頑張っていることは十分伝わりますが、それでもいくつか気になる点があります。まず、返済のペースです。収支では月15万円以上の黒字ですが、結局、それをほぼ全額借り入れの返済に充てているとのこと。少しでも早く返済したい気持ちはわかります。支払利息の面でも、繰上返済をした方が確かに有利です。しかし、手持ちの資金がないのもまた大きなリスクだと考えてください。債務の任意整理の経験がある方や、多重債務に陥っている方がもっとも避けなくてはならないのは「新たな借り入れ」です。しかし、ひめさんの場合、予定外の支出が発生したとき、家計は十分黒字なのにもかかわらず、対応できないことになります。これでは、返済してきたこれまでの努力が無駄になりかねません。
月15万円を貯蓄に回せば、年間で180万円。これくらい貯蓄ができればひとまず安心ですが、少なくとも100万円(貯蓄期間にして7カ月ほど)は手元に置いておきたいところです。ボーナスで元夫への借金が完済できるとのことですから、貯蓄ペースもさらに上がるはずです。ともあれ、今は手持ち資金を増やすことを第一に考えてください。
アドバイス2 アルバイトは1年後には辞めること
次に働き方です。現状のまま1年間頑張ったら、アルバイトはきっぱり辞めましょう。ひめさんご本人も「体力的にもバイトはあと1年くらいでやめたい」とありますが、私も同感です。収入はぐっと下がりますので、繰上返済をする余裕はしばらくはありませんが、それでも健康を維持できるならそうすべき。身体を壊しては元も子もないのです。それでも、おそらくあと3年程度で消費者金融の返済も終わるはずです。その後は、貯蓄ペースも上がります。月4万~5万円、ボーナスからも20万~30万円貯蓄に回せるはず。年間70万~80万円の貯蓄ペースも可能でしょう。そして、それが維持できれば15年で1000万円貯めることができます。今は焦らず、長く働くことができる健康管理が重要なのです。
加えて、貯蓄の継続にはメリハリが大切。貯めるばかりの毎日では息が詰まります。生活に「楽しみ」や「息抜き」は不可欠なのです。したがって、節約のためにと、国内旅行や友人とのランチを削ってはいけません。もちろん、使い過ぎはダメですが、今の支出額なら許容範囲でしょう。
また、シェアハウスを出て、一人暮らしを始める場合も、当然今より生活費がアップすることが予想されますが、その分、他の支出を削るなど工夫をすればいいでしょう。手持ち資金がある程度まとまった額になったら、始めてもいいと思います。
最後に保険について。死亡保障は不要ですが、医療保障は確保しておくべきだと思います。まとまった貯蓄がない状況で、入院をともなう病気やケガによる支出は、大きな負担となります。そのため収入減になれば、なおさらのこと。高額療養費制度が利用できますから、保険適用となる医療費は月8万円程度の自己負担で済みますが、治療が長引く可能性もあります。共済や単体の医療保険で、入院は月5000円でいいでしょう。保険料コストは月2000円くらいで済みます。
教えてくれたのは……
深野 康彦さん
取材・文/清水京武
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