収入が低い中、節約はさらにできるでしょうか?

もっと節約することは可能ですか?

もっと節約することは可能ですか?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、日々節約に頭を悩ます会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

■相談者
ひよこ姫さん(仮名)
女性/契約社員/42歳
愛知県/賃貸住宅

■家族構成
一人暮らし

■相談内容
もともと収入が少なく、契約社員である事に不安があるため、節約を試みているが、節約することによって、精神的に辛いです。ボーナスも会社の状況からみてみても増える期待もできません。もっと趣味(国内旅行、観劇、手芸)や食費、洋服代などにもお金を使いたいと思っていますが、将来の事を考えるとためらいます。転職も視野に入れてはいるが、仕事等の心身の疲れなどで、活動はしてはいないです。このままでは良くはないですので私のもっと節約出来そうな箇所等、アドバイスをして頂けたら有難いです。わかりにくい文章で申し訳ございませんがよろしくお願いします。

■家計収支データ
「ひよこ姫」さんの家計収支データ

「ひよこ姫」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使いみちについて(昨年例)
旅行および観劇13万円、家電6万円、他。残り20万円は貯蓄

(2)加入保険の保険料の内訳
本人/医療共済=保険料3800円

(3)食費2万円について(本人コメント)
「勤務先ではお弁当持参。たまにカップ麺を食べております。外食は、仕事で疲れた時に外食する程度(月2~3回ほど)飲み会等はお酒が弱いためほとんど行きません。旅行等で外食する時は月に2万円を超えてしまうことがあります(月々の食費は3万円超えることはありません)。月1回ほど母親から野菜等の食材をもらったりしていますが、高齢のため食材をもらえるのは長くはないと思っております。普段の買い物は、夕方の安くなる時間帯、大手スーパーの5%割引やポイントが多くたまるときに大量に購入(保存できる物は買いだめする)。ポイントを使って買い物する時もあります。スーパーの広告をセール品等安いものを買ったりしています。野菜や肉、魚介類は冷凍できるものは冷凍保存するなど工夫しています。基本的には出来るだけ国産のものにしていますが、高い食材は買いません」

(4)被服費、美容代等の捻出
雑費に計上。被服、カバン等はバーゲン(タイム)セールの時に購入。基本的には洋服は着れなくなるまで着用。高価な服は買わず、気に入ったデザインのもので着こなし重視。美容院は3カ月に1回程度。割引クーポン券を利用。化粧品はポイントがたまる通販サイトで購入。化粧品を買うたびにポイントを利用。送料がかからないように効率的に買っている。

(5)節約が辛くなるときについて
仕事のストレスや疲れもあり、自炊をしないで総菜(弁当)や外食する時にあとで後悔してしまうこと。また病気やけが等で予定外の出費があるとかなりショックを受けてしまう。

(6)両親について
両親が4年前に離婚。その後、1年弱は父と暮らしたが相性が悪く、父が自宅を売却し、家を出ていきました。父は現在消息不明。母は離婚後、兄弟の家族と一緒に暮らしている。相談者が会うのは月1回程度。母の面倒は、今のところ母が死ぬまで兄弟夫婦がすることで話し合い済み。父が死去した場合、期待はしてないが財産があれば相談者が優先に譲り受けることも話し合い済み。

(7)仕事について
本音は早くリタイアしたいが、現実的に無理なので、出来る限り働き続けようと思ってはいる。ただし、最近勤めている会社の経営状況が良くないため(倒産や事業縮小の噂ありとのこと)、転職活動も準備中。年齢的に難しさを実感しているが、名古屋まで勤務地を広げることなども考えている。

(8)退職金について
勤務先に退職制度はないが退職金共済に加入していて、あと3年でそこから退職金が出るとのこと。厚生年金には16年ほど加入。

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 予定外の支出も受け入れていく
アドバイス2 もっとも大事な資本は「自分自身」
アドバイス3 勤務先の経営状態悪化は最大のリスク

アドバイス1 予定外の支出も受け入れていく

ご相談拝見いたしました。現状の収入でよくここまで貯蓄を増やしたと思います。なかなかここまでは出来ません。本当によく頑張っています。

したがって「もっと節約出来そうな箇所」との質問ですが、ほぼありません。食費やその他の生活費も、工夫をしてコストを抑えているのが文章からもよくわかります。節約の余地があるとすれば、通信費でくらいでしょうか。スマホもしくは携帯の契約プランの変更や格安スマホへの切り替えなどでコストを下げることは可能なはず。しかし、それも緊急に取り組むべきレベルではないと思います。

それよりも気になるのは「予定外の支出があるとショックを受ける」ということ。もちろん金額や支出の内容にもよりますが、具体例としてあげている医療費などは、体を休めて、また元気な状態に戻すための、いわば必要経費。ショックを受ける必要はまったくありません。そもそも節約プランや資金計画は、100%自分が思い描くとおりにはいかないもの。そういう事態も受け入れながら、次の月からまたしっかり家計管理をしていけばいいのです。

アドバイス2 もっとも大事な資本は「自分自身」

今の生活に節約が欠かせないことは確かです。支出することが怖いという気持ちがあるとしても、それは理解できます。しかし、そういう意識が過度になることは避けなくてはいけません。節約が脅迫観念のようになっては、それこそ慢性的なストレスを抱え込みます。

相談者のひよこ姫さんにとって、もっとも大事な資本は貯蓄ではありません。自分自身です。たとえ貯蓄が大きく減っても、自分という人的資本さえしっかりしていれば、貯蓄はまた増えていきます。貯蓄でもっとも重要なのは継続ですが、もし自分が精神的にきびしくなったり、病気で倒れてしまっては、その継続ができず、やがて貯蓄は底をつくでしょう。

その意味で、生活を楽しむために多少支出が増えてもいいと思います。楽しむことが明日への活力になるからです。「もっと趣味や食事、洋服代に使いたいができない」とのこと。ひよこ姫さんならば、大丈夫です。予算さえ決めれば、今より支出が多少増えても気にする必要はありません。それはいわば自分への投資です。老後まであと何年あるでしょうか? 60歳としてもあと20年近くあります。まだまだ長丁場です。継続して貯蓄をするためにも、自分にも投資をしてください。

アドバイス3 勤務先の経営状態悪化は最大のリスク

もうひとつ、転職活動を準備中とのことですが、ぜひ進めてほしいと思います。現在、勤務先の状況が良くなく、ボーナスも支給されなくなる可能性もあるわけですから、考えてみれば家計にとってこれ以上の大きなリスクはありません。

おっしゃるとおり、年齢的に簡単ではないかもしれません。しかし、年齢がハンディならば、行動は早いに越したことはないはずです。焦る必要はありませんが、ラストチャンスという気持ちで取り組んでいいのでは。活動エリアを広げるのもいいと考えだと思います。

以前は、転職には「35歳の壁」があるなどと言われていましたが、今はその年齢も確実に上がっています。できれば正社員を目標に、あきらめず、可能な範囲で具体的に動き始めてください。

相談者「ひよこ姫」さんから寄せられた感想

嬉しいかつ優しいアドバイスありがとうございました。この中で一番印象に残った言葉は、「一番大事な資本は自分自身」です。確かに収入の低さや雇用の不安定から「貯蓄」ばかり目がいってしまっている自分に気が付きました。また、あまりにも貯蓄に神経質になると体調を崩してしまうリスクにも気づきました。今回のアドバイスをもとに、もう少し自分を大切にしていきたいと思いました。貯蓄も無理しすぎないように気をつけます。転職活動も厳しいですが、自分自身を信じて頑張っていきます。

教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん 

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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ



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