お茶を丸ごと食べるメリットは「栄養価が高い」から!
日本人の生活になじみ深いお茶。通常はお茶を入れたあとの茶殻は捨ててしまいますが、実は多くの栄養が含まれています。お茶って食べられるの?と思われるかもしれませんが、茶そば、抹茶スイーツなどはまさに「食べるお茶」の代表ですね。茶葉の粉末加工などをせずに、おうちでお茶を入れた後の茶殻をそのまま食す、手間いらずの簡単アレンジをご紹介します。意外と食べやすいことを知ると驚くかもしれません。お茶を丸ごと味わってみましょう。<目次>
お茶なら何でも食べられるわけじゃない!おすすめは……
身体に良さそうだということは何となく想像ができても、美味しくないなら食べたくない!と思うのが当然。お茶を飲んだ後に茶殻も食べるとなると、おすすめできるものとそうでないものがあります。茶殻を料理に利用するには、柔らかい新芽(一番茶)を使ってつくられた玉露や上級茶が適しています。特に玉露を入手する機会があったときには、茶殻の色も美しく、味も美味しいので捨ててしまうにはもったいない。ぜひ食べてみてください。
反対に、二番茶や三番茶でつくる番茶やほうじ茶などの茶殻は、繊維や茎が多く硬いので食べるのには適していません。
チャの樹は気温が下がる冬には新しい葉をつけることはなく、越冬し気温が上がりはじめた春先(4月中旬~下旬頃から※地域差があります)から芽吹きはじめます。最初に芽吹いた新芽を摘み取ったものが、「その年最初に摘んだ」という意味で一番茶と呼ばれ、葉は柔らかく香り高く上級茶として扱われます。
お茶の樹は永年性常緑樹で年に何回も葉をつけます。一番茶を摘み取った後、約1か月後くらいに摘み取ったものが、二番目に摘むので二番茶と呼びます。三番目に摘む茶葉が三番茶。地域差はありますが、三番茶の収穫は真夏となり、強い日差しを浴びた葉は大きく繊維質も多いものになります。
茶殻に含まれる栄養価はバリエーション豊富
お茶にはお湯や水に溶けだして飲むことで得られる栄養成分と、水に溶けださず茶殻のほうに残る栄養成分があります。茶殻のほうに残る不水溶性成分は約70%もあり、栄養成分としてたんぱく質、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンE、食物繊維、たんぱく質、クロロフィル、ミネラル類などが含まれています。ビタミンA(βカロテン)はお肌のツヤや潤いを保ち、粘膜を正常に保つ働きをしてくれるといわれているビタミン。抗酸化作用もあります。ビタミンEも、抗酸化作用により、体内の脂質の酸化を防いで体を守る働きがあります。
お茶を飲むことで、抗酸化力が高くコラーゲンの生成に不可欠でもあるビタミンCは摂れますので、お茶を飲んだ後に茶殻も食べればビタミンのエースと呼ばれるACEの3つが揃って摂れることになるのです。
茶殻を使った簡単レシピを3つご紹介!
料理が苦手、料理はほとんどやりません、という方にもできる茶殻を食べる簡単レシピをご紹介します。野菜をゆでる手間なく、栄養価の高い緑色の葉を食すことができてしまいます。簡単ちょい足しレシピで、ビタミン類やミネラルを補給しましょう。茶殻は水分を多く含むため、時間が経ったものの使用はおすすめできません。数時間程度であれば、水気をよく切ってキッチンペーパーに包み、ラップをして冷蔵庫、または冷凍庫へ。ただし、できるだけ早く使ってください。
レシピ1:シンプル茶殻のおひたし
一番シンプルな食べ方。緑色も美しいままで、お茶の葉のほろ苦さもアクセントになります。 材料(一人分)- 煎茶か玉露の茶殻 大さじ半分くらい(量は好みで)
- ポン酢、または、醤油、または酢味噌 小さじ半分
急須に残った茶殻をスプーンで取り出し、キッチンペーパーなどで水気をよく切って器にのせます。ポン酢、醤油、酢味噌などをお好みでかけていただきます。
レシピ2:茶殻としらすの和え物
しらすと鰹節を加えることで、想像以上にクセがなくなります。鰹節のだし感もプラスされ、後味にはしっかりお茶を感じます。 材料(一人分)- 煎茶か玉露の茶殻 大さじ半分くらい(量は好みで)
- 鰹節 適量
- しらす 大さじ半分くらい(量は好みで)
- 白ゴマ (あれば)適量
- 醤油 小さじ半分
急須に残った茶殻をスプーンで取り出し、キッチンペーパーなどで水気をよく切ってから、小さめのボウルに移して、鰹節、しらす、醤油と混ぜ合わせます。白ごまを混ぜても美味しい。
レシピ3:茶殻チャーハン
緑色の野菜が冷蔵庫になかったときにも使える、茶殻入りのチャーハン。しっかりと水気を切った茶殻を最後に入れ、サッと炒め混ぜます。 材料(一人分)- ご飯 茶碗1杯
- チャーシュー 2枚(豚肉などでも)
- メンマ 適量(あれば)
- 中華だし 小さじ半分(お好みで調節)
- 醤油 適量
- ごま油 適量
- 煎茶か玉露の茶殻 ティースプーン2杯
- 白ゴマ 適量
- チャーシューとメンマは食べやすい大きさに包丁で切っておく。
- フライパンにごま油をひき、ご飯、チャーシュー、メンマを炒める。
- 味付けに、中華だし、醤油を加えて炒める。
- 炒め終わる最後に茶殻を加えて、サッと混ぜながら炒める。
- お皿に盛り付けて最後に白ごまをふりかける。
お茶には、野菜や果物と同じように、たんぱく質や各種ビタミン、ミネラルなどの栄養成分が含まれています。飲むだけではなく、茶殻を食べることでも簡単に摂取できますので、調理にも野菜感覚で使ってみてくださいね。
参考:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
http://www.o-cha.net/teacha/kagaku/taberu.html
参考文献:「お茶の科学」大森正司著
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