全部揃えたい!ゼニアの最高峰ライン
左から。エレメンツオブマン:ザ・ライフ コレクションシリーズ
インテグリティ コンサントレ ドゥ パルファムスプレィ
ウィズダム コンサントレ ドゥ パルファムスプレィ
パッション コンサントレ ドゥ パルファムスプレィ
ストレングス コンサントレ ドゥ パルファムスプレィ
タレント コンサントレ ドゥ パルファムスプレィ
各50ml 3万8880円
何といっても、エルメネジルド・ゼニアの最高峰ラインであるエレメンツ オブ マン:ザ・ライフ コレクションの5点が登場したのがメンズ香水界の最大のトピックでしょう。イングリティ(調和)、ウィズダム(叡智)、パッション(情熱)、ストレングス(力)、タレント(資質)の5つのエレメンツを名前が各々つけられています。
アロマティックグリーンウッディな香調のイングリティ(調和)は、クラリセージとピンクペッパーが効いたもの。その構成の見事さに脱帽。ウィズダム(叡智)は、シトラスコロンで親しみがあるものの、コリアンダーリーフやフレンチラベンダー、ネロリといったアロマティックな要素が上品に香ります。
パッション(情熱)はタバコやラム、コニャックといった大人の要素が詰め込まれたオリエンタルウッディ系。ストレングス(力)はその名の通り、力強い仕上がり。タバコリーフの強さと、ゴールデンハニーの甘さの融合が素晴らしい。
最後にタレント(資質)はシトラスウッディの香調でレモンやグリーンマンダリン、ベルガモット、ユズといった柑橘に、ゼラニウムやベチバーなどのハーブが印象的に組み合わされています。
この5本があれば、あらゆるシーン、季節、相手に対応することが出来るはず。価格はかなり高いですが、まさに大人の男がコレクションするのにふさわしいものです。
イッセイの名作が華麗にアップデート
今年25周年を迎えた女性用の名香・ロードゥ イッセイ。水をテーマにし、当時は非常に斬新で世界をアッと言わせた香りです。男性用の香り「ロードゥ イッセイ プールオム」はそれから2年後に登場。そして今年、新作の「ロー マジュール ドゥイッセイ」が発表されました。
こちらは、若手の最注目株として名高い調香師のオーレリアン・ギシャールとファブリス・ペルグランの2人が担当。どちらも調香師としてサラブレッドの経歴を持っています。そんな調香師達の若さがあふれる新しい「水」の解釈がは力強さと純粋さ、荒々しさと静謐といった相反するものの融合でした。
トップノートのベルガモットやグレープフルーツで爽やかさを、ミドルノートのアンバーグリス(竜涎香)はミネラル感を表現しています。ベースノートではカシュメランのウッディな雰囲気が、肉感的に迫ってくるのです。波に洗われて手触りの良くなった流木のようなイメージのこの香水。その爽やかさと、ともすれば温かみを感じる複雑性は大人の男性に寄り添ってくれるパートナーとして最適なのです。
ブルガリの新作で男らしさをアピール
爽やかな水系の香りとしては、他にもブルガリのアクア プールオム アトランティックが気に入りました。特徴的な球体のボトルの人気シリーズ。その新作は力強く激しい大西洋に思いを馳せたもの。「海が持つ個性や力強さを備えたフレグランスを作りたいと思った」とはマスター調香師のジャック・キャバリエの談。
アンバーグリス アコードとウッド、バームからなる巧みな構成の「シーアンバー アコード」と、それとは対照的なベルガモット、レモンヴァイタルウォーターアコードからなる「オーシャンエナジー アコード」から成り立っています。こちらも相反する要素がお互いを際立たせていますね。一見、スポーティな仕上がりですが、凛とした感じもするのでスーツに合わせてビジネスシーンで使っても面白いでしょう。
香りもボトルも芸術的なヴァレンティノ
もうひとつ、水系の香りでよかったのが、ヴァレンティノのウオモ アクアです。グリーントマトのフレッシュさがたまらない逸品。イタリアのガーデンにインスパイアしていて、マンダリンやシトロンも香ります。
そこに、イリスやホワイトレザーなどセクシーな要素を持つ香料が入ることで、単に爽やかさだけではない大人の重厚感があります。スタッズの効いたボトルの芸術性も高く、これは持っているだけでも満足できますね。もちろん、身に纏って大いに楽しんでもらいたいですが。
老舗フローリスがシャツメーカーの香りを作成
きちんとした印象を香水で仕上げたいなら、老舗フローリスから登場した新作・FL オードパフューム 71/72 for TURNBUL&ASSERが最適です。ご存知のようにロンドンのジャーミンシトリート71/72番地に存在するシャツメーカーのターンブル&アッサー。ジェームズ・ボンドが着用していることでも有名ですよね。そこの顧客のためにと作られたのがこの香り。
ウッディアロマティックで、至極真っ当でクラシカルな香水です。トップノートは柑橘系にイギリスらしいジュニパーが香り、ミドルは王道のラベンダー、オリス、ウード。そしてラストにサンダルウッドやフランキンセンスと老舗の風格と大人の余裕が漂います。ただ古くさくなく、現代的に調香されているため案外、ライト。トレンドのカチッとした英国調スーツに合わせるのにこれほどふさわしい香りはないでしょう。
ヘルシーなエロスが魅力的なヒーリー
真逆にカジュアルで、ちょっとセクシーな香りを探しているならヒーリーのヒーリー オードパルファン(ノート デ ユズ)がオススメです。これは、ヒーリーとメゾンキツネとのコラボ作品。メゾンキツネはジルダ・ロアエックと黒木理也が創業したパリ発のブランド。ガイドも大好きで、愛用している服もたくさんあり、そのブランド初の香水ということで期待していました。
その相手に選んだのが、イギリス人のパフューマーであるジェームス・ヒーリー。ガイドは以前、彼にインタビューしたことがありまして、非常に繊細な芸術家という印象を持っています。
さて、そんな香りのメインはユズ。日本人にとても親しみのある柑橘ですね。海藻のアルギュやシーソルト、ベチバーなどと組み合わせることにより、どことなく人肌に触れるようなセクシーさを表しています。
実際、イメージビジュアルも女性の入浴シーンで、その雰囲気がわかると思います。ユニセックスに使えるので、パートナーとシェアしてエルシーなエロスを楽しみましょう!
大人の男性に最適なモルトンブラウンの香り
最後に深みのある、男らしい香りを求めている方にオススメしたいのが、モルトンブラウンのロシアンレザー オードトワレです。今、グルマンの次のトレンドはレザー調の香りだと思います。ただし、よく見かけるレザーではなく、ロシアンレザーを持ってきたのが、このブランドすごいところ。ロシアンレザーとはそのなめしの技術が非常に複雑で、それ故、高価なことで知られています。
そんな希少なレザーをモチーフにしたこちらは、くすぶった火の香り、シベリアの松やタバコ、バーチなどが香り、まさに大人の男のための仕上がりになりました。ダークで神秘的なまでの重厚感は秋冬のコートなどに合わせて楽しむのが正解。バス&シャワージェル(300ml 3888円)もあるので、香水と一緒に使うのもいいですね。大人な彼氏やお父さんへのプレゼントにもぴったりです。
今年を彩った香りはいかがだったでしょうか? 他にもたくさんありますが、今年らしさを表している香水をガイドの独断でピックアップしてみました。振り返ってみると、ここのところ続いているグルマン人気の中に新しいトレンドの萌芽も垣間見えます。2017年はまさに今後を左右する過渡期なのでしょう。
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