まとまった時間が取れるということは、ビジネス一色!ではなく、いつもと違った本を手に取ってみたくなりますよね。そんな時におすすめなのがこちら。
『本日は、お日柄もよく』(原田マハ)
原田マハさんの小説で、ドラマ化もされた1冊。
普通のOLが、片思いをしていた幼なじみの結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会い、スピーチライターとして修業していく小説ですが、恋愛感情に揺れ動く一面と、プロとして仕事をしていく責任に揺れ動く一面とがミックスされています。また、スピーチライターとして彼女が書き上げた原稿ももちろん掲載されているのですが、その感動的なことといったら!! 私も講師として働き方改革やマネジメントについてお話させていただく機会が多いのですが、こんなふうに話すことができたら!と、物語に感動する以外にも「スキルアップ」として勉強になりました。
ちなみに、原田マハさんの本では『楽園のカンヴァス』もおすすめです。
『思いがけない日本美術史』(黒田泰三)
みなさんは美術館、お好きですか?
私はそこそこ好きなほう、時々美術館にも行くのですが、それでも「日本美術」はハードルが高い!わびさびの世界、といわれても、センスや想像力がないと何もない空間や行間を読み解くのは至難の業。
ですが、この本を読んでから、日本美術に対しての印象が変わりました。12の代表的な作品をピックアップし、著者の視点から解説されているのですが、どれも「あれ? これは見たことがある気がする」というものばかり。
さらに、絵具の使い方からメッセージを推理したり、ただ長いだけと思っていた屏風には時間軸があって…と楽しみ方も教えてくれたり、と楽しみながら読み進められます。
普段忙しいビジネスパーソンに、知的にくすっと笑う時間を持ってもらう1冊です。
『東大理系教授が考える 道徳のメカニズム』(鄭 雄一)
著者の鄭 雄一先生は実際に双子のお子さんのお父さん。そんなお父さんと子どもたちの会話を通して、哲学の歴史から道徳のとらえ方を知ることができる本です。
みなさんは小さいこともたちに「なぜ、人を殺してはいけないの?」「なぜ、いじめはいけないの?」とたずねられたことはありませんか?もしあったとしたら、どのように答えましたか?(私は子どもたちに似たような質問をされたことがありますが、うまく答えられずにその場しのぎの反応をしてしまったことがあります……)そんな質問をきっかけに、哲学を体系的に整理し、とらえ方を指南してくれる本書は、頭の体操にもってこいだと思います。
そして、こんな答えがすぐに出ず壮大なことを考えられる休暇ばんざい!と楽しんでいただけたら幸いです。