うさぎのくしゃみについて考えてみよう
うさぎのくしゃみには要注意!
<目次>
うさぎのくしゃみの原因として考えられることは?
ここでは、心配な場合の見極めと対処をお知らせしたいと思います。・原因が「牧草の粉」のケース
食べている牧草やペレットの粉が、鼻やのどに入り、くしゃみをすることがあります。そのときだけで止まり、落ち着くのであれば心配ないものでしょう。
しかし、心配なのは、常習的にクシュン、クシュンしているような状態。くしゃみとは、入り込んだ異物を輩出しようとして起こる反応なので、くしゃみをするということは、なんらかの異物がうさぎの鼻腔内に入り込んでいるということです。
・原因が「細菌」のケース
うさぎがくしゃみをする場合、まず考えられるのが細菌です。私たちも、インフルエンザやO157 などの、感染症の細菌を体内に取り込んでしまうと、喉が痛くなったり鼻水が出たり、くしゃみ、嘔吐、熱が出たりします。これは、悪いものを体外に排出しようとする体の反応です。うさぎがくしゃみとともに、どろっとした鼻水や目やになどを出していたら、すでに細菌と戦った結果であると考えてよいでしょう。
ですから、うさぎのくしゃみが、先に書きました、牧草やフードの粉が原因ではない場合、うさぎの体内からこの細菌を取り除かねばなりません。程度にもよりますが、たいがい、抗生物質などの薬による対処が必要となります。うさぎの体力が弱っている場合、対処が遅れると死に至ることもありますので、早めに病院へ連れていくことが必要です。
くしゃみがでそう…!気をつけて見てあげましょう
一般にはあまり知られていないかもしれませんが、動物の感染症で、身近にあるけれど気を付けなければいけない菌が「パスツレラ菌」です。
呼吸器系の疾患を起こしたり、膿瘍ができたり、抵抗力が落ち死に至ることもあり、注意が必要です。このパスツレラ菌は、犬75%、猫100%の口腔内に常在菌として存在します。そして脅威なのは、このパスツレラ菌がいても、何も症状は出ず、ペットは元気にしている場合があるということです。ですから、健康だから無菌ではない、ということです。
ペットと一緒に生活していると、舐められたり、抜け毛が舞ったり、排泄物に混じりその粉塵が舞ったりし、それを吸い込んだり、粘膜に付着してヒトや他のペットに感染します。しかし、先に書きましたように、感染していても、なんら症状が出ない場合も多いのです。うさぎが、くしゃみや目やに、鼻水など出して初めて、感染したことに気づくのです。
人間にも感染し、呼吸器系の疾患を起こすことがあります。パスツレラ菌は、犬や猫だけではなく、鳥などの動物や、土の中にもいます。ですから、日常生活ではある意味、防ぎきれないものかもしれません。しかし、このことを知識として知っているだけでも、予防や対策に有益です。
できるだけ他のペットには接触しないことや、外遊びをしたら、アルヴィシャットなどの次亜塩素酸溶液でケアする、などの対策をしましょう。
スナッフルとは細菌などにより、くしゃみの症状がみられる状態
上記に書きました細菌などにより、くしゃみや鼻水の症状がみられる状態を、スナッフルといいます。病院で「スナッフルだね」と診察され、軽く扱われがちですが、原因の細菌を排除しないと完治せず、また、ほかのうさぎに感染する可能性もあります。くしゃみは高齢化と関係ある? アレルギーの可能性は?
うさぎだけでなく、どんな動物も、ヒトも、高齢になると体力や抵抗力が弱まり、細菌に感染してしまうと重篤になりやすいです。高齢化すると若いころとは違って回復も遅くなりますから、細菌やアレルゲンに対抗できる健康な身体作りが、くしゃみを予防します。そして、近年聞かれるようになった「動物側のアレルギー」。もともとは自然界にいた動物たちが、ペットとしてヒトの生活圏で暮らさなければならなくなったため、偏った衛生状態(汚いことだけじゃなく、キレイすぎる、無菌状態も含め)のなかで、常在菌が変化し、自分の身体を守れなくなったり、バランスが崩れたりして、時に抵抗力を失い、アレルギーを発症することが知られてきました。
それは病原菌に対してだけではなく、うさぎの使うおもちゃや、トイレ砂や、ケージのすのこ板の材質(針葉樹など)、食べ物に対しても起こりうることがわかってきました。
長生きしたいよねっ、ねっ
うさぎのくしゃみには予防が大切
健康な身体作り、保菌者に近づかない、症状を見極めて病院へ。これに尽きると思います。みなさんのうさぎさんが、健康に過ごせるよう、この記事が役立てば嬉しいです。【関連記事】