過去問演習はとても重要
2つ目は「苦手単元補強」。直前期のこの時期だからこそ、自分の苦手単元を一気に復習して死角をなくしていく必要があります。
そして3つ目は「時事問題の攻略」です。最近の入試では社会だけでなく理科分野においても時事問題の出題傾向が高まっています。以前の時事問題は、大問の中のひとつとして知識の確認程度の意味しか持たなかったのですが、最近では大問丸々を時事問題から出題するケースも少なくありません。
そこで今回は、今回は今年起こった出来事の中から、特に出題される可能性の高い5トピックを、みなさんにご紹介したいと思います。
予想テーマ1. 衆議院議員総選挙で自民党圧勝
2017年9月28日に、安倍晋三内閣総理大臣は、臨時国会の冒頭で衆議院を解散しました。そして10月22日に第48回衆議院議員総選挙が行われ、自由民主党が284の議席を獲得して大勝。公明党と合わせ、連立与党で313の議席数を確保しました。313という数は、参議院で否決された法律案も衆議院で再可決できる定数の3分の2以上となるため、事実上どんな法律案も可決できることになります。衆議院は今回の総選挙から議員定数と選挙区割りが変更されました。定数は「0増10減」で475名から465名となりました。これは「一票の格差」問題の解消のために取られた措置で、この改定により一票に格差は最大で2倍以内となりました。
今回の総選挙で自民党が大勝したことにより、衆・参両議院で改憲勢力が3分の2を確保しました。これにより「憲法改正」に向けての議論が加速することが予想されます。
中学入試でも「憲法改正」について出題される可能性は高いでしょう。右に「憲法改正の流れ」について示しておきましたので、是非ご参照ください。クリックしていただきますと拡大してご覧いただけます。
予想テーマ2. 緊迫する北朝鮮情勢
北朝鮮の指導者、金正恩朝鮮労働党委員長は、国際社会の反対や圧力を押し切って、弾道ミサイルの発射実験や核実験を繰り返しています。アメリカのトランプ大統領や日本の安倍晋三首相、大韓民国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領らは、こうした北朝鮮の強硬姿勢に対して制裁を強めるよう国際社会に働きかけています。アメリカは北朝鮮を9年ぶりに「テロ支援国家」に指定するなど、北朝鮮をめぐる東アジア情勢は緊張の度合いを強めています。北朝鮮が発射する弾道ミサイルの中には、日本の排他的経済水域(200カイリ経済水域:EEZ)内に落下するものもあり、日本の漁業への影響も無視できません。また8月29日と9月15日に発射された弾道ミサイルは北海道上空を通過して太平洋へ落下。このときには「Jアラート」という全国瞬時警報システムが北海道や東北地方を中心に作動しました。
北朝鮮とは拉致問題など未解決の問題がまだ残っていますが、そのほかの周辺諸国とも領土問題などが未解決のままとなっています。中華人民共和国と台湾は尖閣諸島の領有権を主張しています。大韓民国は島根県の竹島を、1952年以降実効支配しています。
またロシア連邦とは北方領土(択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島)の領有権の問題があります。2016年12月にはロシアのプーチン大統領が来日し、山口県で安倍首相と会談しましたが、残念ながら領土問題に進展はみられませんでした。
次のページには残り3つの予想が!あのトピックも入っているかも!?