2017年の流行語大賞にも選ばれた「インスタ映え」
「インスタ映え」が日本経済に大きな影響を与えています
そもそも「インスタ映え」とは何なのか、流行の影響や問題点などについてご紹介していきます。
2017年に流行った「インスタ映え」
総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(平成29年7月)によると、Instagramの利用率は20代が45.2%、10代が30.7%、30代が30.3%など、特に若い層に広く利用されています。Instagramは、若い女性を中心に人気が高まっているのです。「インスタ映え」とは、撮影してInstagramに投稿した場合に見栄えがするとか、おしゃれに見えるという意味です。Googleトレンドで確認すると、2017年初頃から使われるようになり、夏頃から定着した言葉です。Instagram映えするものに群がる人や行動を揶揄して、「インスタ蝿」ということもあります。
特に若い女性には、Instagramがメインのコミュニケーションツールという人も増えています。Instagramの投稿に多くの反応をもらうと承認欲求が満たされます。それ故、少しでも多くの反応がもらえるような「インスタ映え」する写真の撮影が大切になってきます。
インスタ映え消費が経済を動かす
インスタ映えがこれほど注目を集めたのは、Instagramが消費行動に大きな影響を与えることが分かってきたからです。消費者庁の「平成28年度消費生活に関する意識調査結果報告書」(平成29年7月)によると、SNSにアップする写真や動画を投稿することを目的にユーザーは様々な消費行動を取っています。「旅行」(34.0%)、「友だちと集まる」(29.7%)、「外食」(29.6%)、「イベントに参加する」(21.7%)など、消費行動は多種多様に及びます。
All Aboutでも「インスタ映え」するスポットの紹介記事が人気だ。(画像は「ナイトプールも楽しめる!都内ホテルの屋外プール2017」より引用)
愛知県犬山市の犬山城はこれまで年配客が多い観光地でした。ところが、ピンクのハート型の絵馬やカラフルな恋こまち団子、レンタル浴衣などが「インスタ映えする」と、若者の観光客が急増しました。執筆現在、「#犬山城」「#犬山城下町」がついた写真はそれぞれ約6万件ずつ投稿されています。このように、「インスタ映え」は若者の集客にもつながります。
インスタ映えする撮影スポットを巡るツアーが旅行会社によって組まれるなど、新たな商機が生まれたりもしています。インスタ映えは、企業や自治体なども無視できない大きなトレンドなのです。
インスタ映え狙ったマナー違反行為も
コインランドリーに入って写真をとる女性の投稿が炎上。レトロでかわいい雰囲気だが「汚い」など問題に(画像はイメージ)
山口県下関市の角島大橋で道の真中に座り込んで撮影するなど、インスタ映えする写真を撮るために危険な行為をする人もいます。多くのインスタ映えする観光スポットや橋などで、同様の行為は多数報告されています。
インスタ映えを狙ったり、Instagramに写真を投稿すること自体が悪いわけではありません。しかし、他人に迷惑をかけてまで撮影するのはおかしなことです。また、ルール・マナー違反をする撮影者が多いと、その場所での撮影自体が禁止されてしまう可能性もあります。他の人の迷惑を考えて、ルールやマナーを逸脱しない範囲で楽しむようにしたいものです。
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