「接待はビジネスの場」だと教わった新人時代

お酒が弱い人の接待マナー

お酒が弱い人の接待マナー

人には、「お酒に強い人」と「お酒に弱い人」がいます。

飲み会や接待の場で、「お酒に強い人」は、その場を楽しめますが、「お酒に弱い人」は、お酒とのつきあい方やその場の雰囲気にどう対処すればいいのか悩みがちです。あなたは、どちらのタイプでしょうか。

大学生までの私は、まさに「お酒に弱い人」の典型でした。お酒の美味しさがわからないどころか、周りの人たちがお酒を飲んでいる環境にも慣れず、お酒のにおいすら好きになれませんでした。「なぜ、みんなはお酒が好きなのか理解できない……」と悩んでいたものです。

ところが、幸か不幸か、私が新卒で入社した会社は商社でした。当時の女性社員は、日常的に接待に顔を出す機会がありました。

「接待」は「ビジネスの場」であるーーー。

そう叩き込まれた商社マンやスタッフといた接待側は、お客様に粗相があっては大変ですから、限度を超えて「酔っぱらう」ことは決して許されません。大学生までの「飲み会」に参加するような意識では、接待には参加できなかったのです。

男性社員には手厚い「接待」に関する研修もあるほど、「接待」は、商社マンにとって重要な位置づけとして捉えられていました。

お酒に弱いなら、まずは小腹を満たす

私が接待に顔を出すのが億劫だったのは、ひとつの理由によります。

それは、「お酒を受け入れる許容量がわからない」というもの。自分がお酒をどのぐらいまで飲んでも大丈夫なのか、心配で仕方がなかったのです。

お酒に弱い私はどうしたのかーーー。

職場の先輩のすすめにより、たとえ時間がなくても接待の前には必ず食べ物を口にするようにしていました。オフィスの机の引き出しには、すぐに口にすることができるものを用意し、時間のある時には、接待前に近くのお蕎麦やに行くこともありました。

そして、いよいよ接待が始まります。

お酒を飲み交わす時間がやってくると、重要顧客である取引先の幹部からお酒をすすめられることがあります。

あなたがお酒を飲むことが苦手だったら、お客様から「このお酒は美味しいよ。せっかくだからあなたも飲んでみなさい」と言われたら、どう対応しますか? 
無理して、相手に合わせて嫌々お酒を飲むでしょうか? 

すすめられたお酒を上手に断るセリフ

上手にお酒を断るセリフがある

上手にお酒を断るセリフがある

もし、「嫌々飲み」という人がいたら、こんなふうに言ってみてはいかがでしょうか。
「美味しいお酒に巡りあえて光栄です。ですが、実は私はお酒が苦手でして……。〇〇さんの感想をぜひ伺いたいです。お願いできますか?」

「美味しいお酒をすすめていただきありがとうございます。ですが、実は私は体質的にお酒があわないようです。ぜひ、〇〇さんのご感想をお聞かせいただけませんか?」

「美味しくお酒をいただきたいのですが、残念ながらお酒音痴でして……。私の分までお酒を楽しんでいただければと思います。少量で結構です。ありがとうございます」

「美酒に酔いしれたいと思う気持ちはございますが、あいにく本日は体調がすぐれませんので、遠慮させていただければと思います。お心づかいありがとうございます」

「物は言いよう」ですから、うまく伝えることで、相手の気分を損ねることなく、気持ちよくお酒を楽しんでもらうことができます。

また、万一、お酒を強くすすめられることがある場合を考慮し、上司や同僚に助け舟を出すようにお願いしておくといいでしょう。

事前に、「もしもお酒を強くすすめられた場合、フォローをお願いします」と上司や同僚など周りの人たちに伝えておき、お酒を強くすすめる人がいたら、合いの手を入れてもらうのです。

「実は、〇〇は、今週体調が優れないようでして」
「実は、〇〇は、明日社内で試験を受けることになっておりまして」
「実は、〇〇は、明日の午前中に、重要なプレゼンテーションを控えておりまして」

「実は……」と切り出されると、人は弱いものです。「そうか、そうか」「そうなのね」と、意外にも簡単に受け入れてもらえます。何か自分にだけ特別なことを耳打ちしてもらった気分になるからでしょうか。

コミュニケーション上手な人は、美しいお酒の飲み方を知っている人です。

お酒の魔力は、侮れません。「お酒に飲まれてしまう」と、その後の人間関係にひびが入ってしまうことがあります。お酒は、人を弱くし、また、人を強くもさせます。「お酒に飲まれない」ために、日頃から会話力を磨いておきましょう。
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