コミュニケーション

アイコンタクトとは? 効果と苦手な人の対処法

IT化の加速に伴い、顔と顔を合わせて話をする機会はめっきり減少しました。しかしその分、1回ずつの対面コミュニケーションの重要性は増しています。対面時に大きな役割を果たすのが、「アイコンタクト」。その効果と苦手な方の克服法を紹介します。

能町 光香

執筆者:能町 光香

コミュニケーションガイド

<目次>
 

対面で「目のやり場に困る」ことはありませんか?

アイコンタクトの効果と苦手な人の対処法

アイコンタクトの効果と苦手な人の対処法

人と話をするとき、どこを見て話すのがいいのだろう、と考えたことはありませんか?

「じっと相手の目を見続けるのは失礼にはならないか?」「視線を外すタイミングはいつがいいのか?」と悩んだことがある人も多いのではないでしょうか。

IT化やAI化が急速に加速するなか、顔と顔を合わせて話をする機会は、めっきり減少しました。いわゆる「対面コミュニケーション」が減ってきているのです。顔を合わせずに会話ができる機会が増え、相手の都合を気にせずに気軽に連絡をとれるという利点がある一方、「メール上では饒舌であっても、実際に人と会うと、うまく話せない」という人も増えているようです。

あなたの周りにも、そういう人はいませんか?

特に、「向い合って話をする時に、目のやり場に困る」という人が多いようですね。さらに、その相手が仲の良い友人ではなく、苦手な人や嫌いな人であると、なおさらどこを見るべきか迷うのではないでしょうか。
 

相手に与える影響のうち「言葉以外」が9割以上

コミュニケーションは「言葉と言葉の交換」であると考えがちです。ところが、実は、人が話をするときに相手に与える影響のうち、「言語情報」は7%に過ぎないと言われています。

残りの93%は、視覚情報や聴覚情報などの「非言語情報」です。つまり、なたが発する言葉そのものよりも言葉以外の要素のほうがはるかに会話に影響を与えている、ということです。これを「メラビアンの法則」と言います。
 

アイコンタクトの効果

さて、非常に大きなウエイトを占める非言語情報ですが、そのなかで、もっとも大切なのは、何だと思いますか?

それは、「アイコンタクト視線)」です。前述の「目のやり場」や「視線のやり場」を意味します。

私自身も秘書として外国人エグゼクティブを補佐するなかで、会話をする時にいかにアイコンタクト(視線)が重要か、ということに気づきました。
日本でも、「目は口ほどにものを言う」と言われるとおり、「アイコンタクト(視線)」は言葉よりも大切だ、ということを示唆する表現が存在します。

もし、後輩があなたにこんな質問を投げかけたら、どのように答えますか?

「どのぐらい目を合わせて話をするのがいいですか?」
「相手に失礼にならないように視線を外すには、どうすればいいですか?」
「長く話をする場合、どこを見て話し続けるのがベストでしょうか?」

これまでの成功体験に基づき、あなたなりの答えがあることでしょう。それぞれ異なる見解があると思いますが、私はこんなふうにお答えしています。

「あまり頭で考えすぎずに、会話の流れに身を任せてみるといいですよ。会話に集中し、真剣に相手に向きあっていると、自然に視線が適切なところに落ち着きますよ」と。
 

どうしても困る場合は「眉間のあたり」を見ればいい

アイコンタクトが苦手な場合

苦手な人は眉間のあいだを見る

それでも、「どうしても目のやり場に困ってしまう」という人には、こんなふうにお伝えしています。

「相手の眉間のあたりを見て話をすると、両者とも居心地よく感じられていいですよ」

もしかしたら、「目を合わせるのは10秒以内」とか、「視線を外すタイミングは8秒たってから」といった具体的な回答を期待されていたかもしれませんね。もちろん、ずっと目を合わせ続けたり、視線を外し続けたりしていると、相手は居心地が悪いのは言うまでもありません。

ですが、「具体的に何秒目にこうして、ああして」というルールは存在しません。ですから、相手にとって、また自分にとって、双方が心地よく感じられるタイミングを自ら見つけ出すしかないのです。

それでは、どうやってそのタイミングを見つけ出せばいいのでしょうか。それには、相手の話に誠実に耳を傾けることです。誠実に聞き続けることで、「視線を逸したほうがいい瞬間」や「目を合わせないでおいたほうがいい時」などが自然にわかってきます。
 

外国人はさらにアイコンタクトを重視する

外国人と話をする時には、なおさらアイコンタクトが必要になります。

私が秘書をしていた外国人エグゼクティブたちは、口々に「なぜ日本人は、そんな目を合わせて話すことを恐れるのか」と嘆いていました。

「恐れている」わけではないにせよ、「偉い人に対しては、目を合わさないよう、伏し目がちに接するのが礼儀だ」という考えをもつ方もいらっしゃるようです。でも、それはちょっと前のマナーであり、現代ではナンセンスではないでしょうか。

これはあくまでも私の見解ですが、「アイコンタクト」とは、「あなたから話を聞きたいです」「あなたの話に興味があります」という「愛」をそっと伝える手段。それが、「アイ(愛)コンタクト」だと思うのです。だとしたら、多くの人に「愛コンタクト」を届けたいと思いませんか?

目と目を合わせて話すことが苦手な方は、前述した「相手の眉間を見る」というのをぜひ試してみてください。ポイントは「ボーッと遠目で見る」ということです。

これは、必殺技とも言えるほど効果があります。特に苦手な人や嫌いな人と話をしなければならない時に、この方法を試してみてください。
話をするうちに、しだいに気が楽になっていく自分に気づくでしょう。

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