親が反抗期の対応を誤ると、子供の自立を阻む
親から距離を置き、急に一人でふさぎこんだりと、反抗期には子供自身も不安や葛藤を抱えます
何度かやってくる反抗期、子供の自立を支援しながら、親子関係をできるだけ崩さず乗り越える対応法を「反抗期」の説明やNG言動と共にお伝えします。
<目次>
子供の成長過程で通る3つの反抗期
■第一次反抗期子供が2~3歳になると、何でも「イヤイヤ!」と反抗し、親が手を貸すことに「自分で!」と言い出します。行動範囲も広がり、危険に遭遇する可能性も増え、親は常にハラハラ、イライラの連続でしょう。
母親と自分は異なる人格であることを認識し始め、自我が芽生え始めるこの頃が「第一次反抗期」です。
■第二次反抗期
思春期になると、何を聞いても「別に」「普通」と素っ気ない返事をしたり、時には「ウザイ」という言葉が返ってくることもあるでしょう。身体は第二次性徴を反映し、子供自身も心と体の成長に戸惑いや不安を感じることもある時期です。
親との距離を取りたがったり、大声で逆らったりしているかと思えば、急にふさぎ込んだりするこの時期が「第二次反抗期」です。
■中間反抗期
それら2つの間に来るのが「中間反抗期」です。これは主に小学校低学年頃から中学年頃に始まると言われています。
家族中心の生活から友達に重きを置くようになってきます。親の目の届かない所での行動も増え、子供は自分が大人になったかのように感じているでしょう。「ゲームばかりしていたらダメ」「勉強しなさい」などの教育的メッセージに対し「親は口うるさい」と反発心を抱きます。
これらは全て子供の正常な発達の過程で、通過年齢や程度に差異はあるものの皆が通る道です。
「反抗期」は健やかな成長発達の過程であることを認識する
反抗期は「自立していくための準備」として、子供の成長発達には必要なものです。自我が芽生え、正しい自己主張をしっかりできる大人になる為にも、大切な過程と言えるでしょう。ですので、子供が反抗期の時は、「これは自立していく為の準備」「順調に子供が育っている証拠」と思って、反抗期を理解し受けとめましょう。
子供が反抗期を向かえている時の親のNG言動
■NG言動1、無理やり従わせる親に反発する子供を何とか従わせようと、いつもより強い口調で怒鳴ったりするのは止めましょう。
自我の芽生えでもあるこれらの時期は、子供は「親の言いなりにはならない!」という気持ちが高まり、親から指図や命令されることに対し、更に反発心を強めるでしょう。
■NG言動2、突き放す
何を言っても聞かない子供に対し「じゃあ、自分で好きなように勝ってにしなさい!」と突き放してしまうことは絶対に止めましょう。
子供は親に見捨てられたと感じ「どうせボクは」「ワタシなんか」と口にするようになり、自己肯定感が下がり、投げやりな人生になってしまう恐れがあります。
■NG言動3、極端な放任主義になる
ある程度の放任は、この時期よいのですが、あまりにも関わりを持たず放置すると、子供は愛情飢餓に陥ることがあります。
本来子供は親に認めてもらいたい、愛されたいという気持ちを持っています。ですので極端な放任主義は、わざと親の気をひく為に、更に反抗させたり、問題行動を起こさせる要因になります。
親子の信頼関係をできるだけ崩さず自立を支援する反抗期の接し方
反抗期の子供に伝える時は、自ら選択できるような「アイメッセージ」で伝えましょう
1:アイメッセージで伝え、自主的に行動させる
反抗期の子供は、親からの命令や指示を特に嫌います。ですので「ママ、○○してくれると嬉しなぁ」「すごく大切な話だから、(ママは)△△ちゃんに聞いて欲しいな」というように、主語を自分に持ってきて、気持ちを伝えるように話すとよいでしょう。そうすれば、親から強制されてするのではなく、子供自身が考え、選択し行動することになるので、少しは聞き入れやすくなるでしょう。
2:普段はかまわず、見守る
反抗期の子供には、口を出したり手を貸したりせず、見守るのがよいでしょう。放任と似ているようにも感じますが、見守りは、子供の様子を常に観察し、親の力や助言を要する時に、必要に応じた適切なサポートをすることです。反抗期は子供をしっかり見守り、子供が何らかのサインを出してきた時は、適切なサポートをしてあげましょう。
3:「反抗しているあなたも好き」を伝える
「反抗しているあなたも好きよ」と、どのようなあなたでも親は子供のことを愛している、味方であるというメッセージを発信し、常に一定の愛情が注がれるようにしておきましょう。反抗期でもその中に、子供が不安を抱いたり、甘えてきたりと、親を求める瞬間があるものです。そのチャンスを見逃さず、アプローチしてみてください。
第一反抗期や中間反抗期の子供には、膝の上に乗せる、抱きしめる、ハグするなどして、「大好きよ」などの言葉をかけてあげたいですね。そしてもし子供の方から甘えてきた時はしっかり受け止めてあげましょう。
また第二次反抗期の子供には、先ずは日常のあいさつ「おはよう」「お帰り」などするようにし、時々横並びになって肩や背中に手を置き、「最近、どう?」等の声をそっとかけてあげるのもよいでしょう。
反抗期の辛さを親子で乗り越えることで絆は深まる
反抗期の子供と向き合うことは、困難や苦痛もありますが、子供自身も自立していく準備を不安や葛藤を抱きながら、模索してる時期です。反抗期は、いつか必ず終わりが来ます。
「あの頃は、お母さんに迷惑かけていたわね」
「それでも母さんは、自分のことを信じてくれてたな……」などの会話ができる日を信じて、反抗期の辛さを一緒に乗り超え、親子の絆をより深められるといいですね。
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