食と健康

「痩せたい40代」が食べてはいけないもの・食事のコツとダイエット法

【管理栄養士が解説】痩せたい40代で「食べていないのに太る」という場合、間食や食べ方に問題がある可能性が高いです。正しいダイエットや食事のコツ、糖質制限・脂質制限の選び方とメリット・デメリットなど、痩せたい40代が美しい身体になるための食べ方の基本をご紹介します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

痩せたい40代が陥る「食べてないのに太る」罠

わき腹の脂肪をつまむ女性

40代になると太りやすく痩せにくくなっているのを実感する人も少なくありません。それでも上手に痩せるためにはどのような食事をすればいいのでしょうか?

40代の人と話をしていると「食べていないのに太るんです!」という発言をよく耳にします。人間の体はエネルギーの「IN」と「OUT」のバランスで成り立っていますので、「IN」がないのに太るということはあり得ません。そのため「食べていないのに太る」というのは思い込み。間違いなく食べています。

それでも「40代になってから食べる量を制限しているのに太るんです!」という声が多いのは、本人は制限しているつもりでも、やはりエネルギーの「IN」と「OUT」で「IN」のほうが多いからでしょう。

ありがちなのは「糖質制限をしているので、夕食で白米は食べません」と言いつつ、夕方に同僚とおやつにクッキーを食べている、とか「果物は健康にいいんですよね?」とテレビを観ながらみかんをほお張り、いくつ食べたかさえも忘れてしまっている……といった状況。本人は「食べる量を制限している」でも、実際には「つもり」でしかないという現象が起こります。

まずは、「3食の食事以外の時間に食べていないか」を客観的に見直してみましょう。かなりの割合でここに「太る原因」が隠れています。

<目次>  

痩せたいなら見た目の割合は3:1:2に! 食べてもいい量は?

上記のような「時間外に食べる」ことを止めれば、たいていの場合、体重は落ちてきます。体重が下がれば、体が軽く感じられ、活動量も増えて若さを取り戻す人が多いようです。

しかし、それでも思うようにダイエットできない人は次のステップに移る必要があります。

まずは、本当に自分の体に見合った量を食べているかどうかを確認しましょう。できれば仕切りがついている皿を使って、見た目の割合が「主食:主菜:副菜=3:1:2」の割合になるように料理を盛り付けます。3:1:2の割合に盛り付ける方法は本来、お弁当箱で行う方法ですが、300円程度から売られている仕切りのついた皿でも十分代用ができます。

盛り付ける際は「山盛り」にはしないことが大切。栄養バランスも大切なので、色彩も含めて「インスタ映え」するような盛り付けを目指してみてください。
 

流行りの糖質制限・脂質制限の落とし穴と活用法

ここまでやったのだから体重管理も健康管理も完璧だ!と思ってしまいそうですが、40代になると血糖値が高い、コレステロール値が高い、血圧が高い、脂肪肝の疑いがあるなど、健康診断で何らかの指摘を受けてしまうことも少なくないでしょう。それならば今流行の糖質制限を……と考えるのは早合点。自分が本当に糖質制限に向いているのか、それとも従来からいわれているような脂質制限に向いているのかを考え、正しく選択しましょう。

■「糖質制限」に向いている人・メリット・デメリット
  • 向いている人……血糖値が高い人、LDL-コレステロール値が高い人
  • 実践方法……間食に「果物」「菓子類」を食べない、甘い飲み物は控える、通常の食事から主食の量を1~2口分減らす
  • メリット……注意すべき食品が「糖質」を含む食品だけなので覚えやすい
  • デメリット……完全糖質オフは体調を崩す。食塩の摂りすぎになりやすい
■「脂質制限」に向いている人・メリット・デメリット
  • 向いている人……量をたくさん食べたい人、中性脂肪の高い人、脂肪肝の疑いがある人
  • 実践方法……揚げ物、炒め物は控える、生クリーム、バター、肉の白身などは避ける、洋食よりも和食を選ぶ、肉と魚なら、魚を選ぶ
  • メリット……日本人の食経験に合っているためストレスが少ない
  • デメリット……日本人の食事は「糖質」と比べて「脂質」の割合が少ないため、減らすと同時に摂取する脂質を「良質な脂質」に置き換える必要がある。そのため、実践のためには糖質制限に比べて知識が必要となる
 

ダイエット中でも制限禁止! 減らすと太りやすくなる食べ物

やじろべえ

食べ過ぎに注意とは言うものの、制限してはいけない栄養素もあります。それはどのようなものでしょうか?

そして最後に、ダイエット中でも制限してはいけない食べ物について、ぜひ知っておいてください。

自動車を例に考えてみましょう。自動車はガソリンをエネルギー源として動きますが、スムーズに精巧な動きをするためには、それぞれのパーツをスムーズに動かすための潤滑油が必要になります。

これを人間の身体に置き換えると、ガソリンに当たるのは、炭水化物、たんぱく質、脂質です。それでは「潤滑油」はというと、ビタミンとミネラルがこれに当たります。実は、ダイエットしたいからといって、むやみに食べる量を減らせばよいという考えは大間違い。ビタミンやミネラルが不足すると、せっかく摂った栄養を体の中で効率よく利用できないため、使わない栄養素を脂肪として溜め込もうとするはたらきが起こり、肥満になりやすくなります。

それでは、ビタミンやミネラルはどんなものに含まれているかというと、野菜類や海藻類、きのこ類といった食べ物です。これらは味付けに気をつければ、さほど制限する必要はなく、むしろダイエット中でも積極的にとりたい食品です。
 

40代ダイエットを成功に導くのは「長続きするもの」のみ!

20代、30代のダイエットは「リバウンドしたらまたやり直せばいい」といった気軽なものが多かったかもしれません。しかし、40代にもなるとリバウンドすれば元に戻すことは難しくなります。さらに、リバウンドした際に体型が崩れ、おなかがぽっこり出てしまうことも珍しくありません。

管理栄養士としておすすめしたいのは、「太らないための」ダイエットです。痩せようと思うからダイエットがつらいので、最初から太らないことを目指すのです。そのためには、常に「緩やかなダイエット」を続けていく必要があります。

理想は「体によいと聞いて、始めてみたら、いつの間にか習慣になっていた」というくらい、生活に取り入れやすい内容であること。地道に見えるものでも、着実に長続きすることが大切です。ぜひ、それぞれに取り入れやすい健康習慣を探してみてください。

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