北海道の観光・旅行

北海道の絶品エゾアワビを堪能!ガイド厳選3スポット

味覚の秋、美味しい海産物が市場の店頭に所狭しと並べられますが、そんな数ある海の幸の中で北海道民でもなかなか口にすることができないのが「キング・オブ・シーフード」と称されるエゾアワビです。これから旬となるエゾアワビを、北海道で3つのスペシャルなスタイルで食べ尽くしに行きましょう。

大谷 修一

執筆者:大谷 修一

北海道ガイド

キング・オブ・シーフード!エゾアワビ

秋シャケ、甘エビ、カニ、ウニ、イクラ。カキにホッケにツブ、イカ旨い……。

味覚の秋、グルメアイランド・北海道では美味しい海産物が市場の店頭に所狭しと並べられます。そんな数ある海の幸の中、北海道民でもなかなか口にすることができないのがエゾアワビ。本州産のアワビと比べて少し小ぶりながら、身が締まったコリコリの食感と磯の香りいっぱいの深い味わいは、道産子グルメ達の間からキング・オブ・シーフードと称えられています。
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キング・オブ・シーフード、エゾアワビ

天然あわび漁が解禁となり秋から冬にかけて一番の食べ頃となるエゾアワビ、「どうせ食うなら安くて旨い所で」とばかり、真っ先にココにやってきました。

場外市場で食うエゾアワビの海鮮丼

旨いアワビを求めてやってきたのが札幌場外市場。かつては市民の台所と言われていたこちらですが、ここ数年来本州や海外からの客が続々と訪れはじめ、今や札幌の一大観光スポットとなっています。
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市民の台所、札幌場外市場

場外市場の一角にある共栄水産の山室さん、通称山ちゃんは「海の幸ならなんでもござれ」の名物女将。「旨いアワビの指南役」としてお話をうかがいました。
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市場の名物女将、共栄水産の山ちゃん

「アワビはなんと言っても鮮度が一番。耳で聞くより自分の舌で確かめて!」との言葉とともに店内奥の食堂に案内されました。

ここは朝早くから市場で仕事をする人のために、早朝7時から営業していますが、もちろん一般客でもOK。壁にずらりと張られた海鮮メニューの数々! カウンターやテーブル席はたくさん設置されていますが、それでもお昼には満席になることもしばしばという人気のお店です。
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店内奥の食堂

今回準備いただくのはあわび特上海鮮丼。店頭の生け簀から大ぶりで活きのいいアワビをすくい上げ、カウンター奥の調理場に持っていく山ちゃんの後姿を熱い眼差しで見つめ、期待に胸を膨らませながら席につきました。
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店頭の生け簀で出番を待つ、活きのいいアワビたち

待つ事しばし。「おまちどうさま。さあ、どうぞ」との声とともに出てきた大きなどんぶりを覗き込んで、びっくり! ウニ、イクラ、本マグロ、ツブ、ホタテ、ボタンエビといった豪華絢爛たる海鮮素材の盛り合わせ。そしてその真ん中には今まで生け簀にいた超・新鮮なエゾアワビが「貝殻の王座」に盛りつけられ、強烈にその存在をアピールしています。
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豪華絢爛たる海鮮丼

ちなみに、具材だけを別皿に盛り合わせたらこのような感じ。高級料亭の刺身盛り合わせでも太刀打ちできそうもないゴージャスな内容です。
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海鮮丼の具材を盛り合わせたら、この通り!

まずは今回のテーマでありお目当てのアワビです。たっぷりわさびを混ぜた醤油に浸けて一口。コリッ、コリッ、コリッ。小気味よい歯ごたえとともに、新鮮なアワビの旨みと爽やかな海の香りが口中に広がります。

余韻を楽しむ余裕もなく、アワビを一切れ、また一切れ。その合いの手でウニの甘みを楽しみ、赤い宝石のようなイクラを舌で愛しみ、大きなボタンエビのエキスをすすり、肉厚の本マグロを噛みしめ、またアワビをコリッ、コリッ、コリッ。

アワビを指揮者としてウニやイクラやボタンエビが奏でる「新鮮シーフードシンフォニー」に酔いしれるこの一時……。大きなどんぶりに凝集された北海道の海の幸を存分に堪能した次第です。
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海鮮シーフードシンフォニーに酔いしれる

なお、本業が魚屋さんであるこちらでは店頭でエゾアワビの販売もしています。お店で活きのいい所を見繕ってもらい、お気に入りのワインなど片手に自分スタイルでアワビをいただく「お家グルメ」も乙なもの。店で食べ、家でも味わうという欲張りな楽しみができるのも、場外市場ならではと言えるでしょう。
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お気に入りのワインと一緒に味わう


【共栄水産のDATA】
住所    札幌市中央区北11条西21丁目 第一市場店内 
営業時間
お店    AM5:00-PM5:00
食堂    AM7:00-PM2:00
問合せ先
共栄水産 第一市場店    011-621-2515
公式サイト
http://www.kyoueisuisan.co.jp/ 
関連サイト
オールアバウト記事 「札幌&函館&小樽の『極美味!激安!』海鮮丼」

舟の上で獲れたてエゾアワビを丸かじり! 

「店で食べるアワビもいいけど、産地でいただくなら断然日本海がおすすめ。中でも獲れたての『島のアワビ』は絶品ですよ。」

山ちゃんからそんな「アワビ指南」をいただき、次に向かったのは奥尻島。こちらでは自分で捕獲したアワビを舟の上で食べるという「アワビ狩り体験」にチャレンジしてみました。

道南は追分の町、江差町から出港したフェリーはおよそ2時間と少々でグルメの島・奥尻島に到着。島の漁港からさらに小舟に乗り込み、海上に設置されたアワビの生け簀に向かいます。
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海上に設置されたアワビの生け簀

海底から引き上げられた生け簀の上には、大小様々なアワビがゴロゴロ。実の入った美味しそうなアワビを懸命に探し出し、大粒を2個ゲット!
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大粒のアワビをゲット!

海上の生け簀に案内してくれた「浜のかあさん」こと土井さんが、小舟の上で鮮やかに包丁を振るいます。アワビは手際よく殻から外され、身とキモが切り分けられました。
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舟の上で獲物を手際よく処理する土井さん

ここは誰もいない海の上です。人目もマナーも一切気にせず、手づかみでアワビをガブリと丸かじり。醤油もなければワサビもなし、あるのはこれ以上望めない新鮮さ、そして味付けは海水の塩分だけという実にシンプルでワイルドなこの味わい……。アワビのエキスが、潮の風味が舌から全身の細胞の隅々に行き渡り、麻痺状態になります。
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手づかみでアワビをガブリと丸かじり

「どうだぁ、うまいべや~」

してやったりと笑顔で語りかける土井さんに、口いっぱいアワビを頬張った筆者はただただうなずきながら思いっきりの笑顔を返すのが精一杯でした。

【奥尻 あわび狩り体験のDATA】
場所    奥尻町 青苗漁港
体験費用    3000円 (アワビ2個付き)
期間    4月下旬~10月末
ただし7月海の日の連休(土日)、8/13・14を除く、雨天・荒天時中止
問い合わせ・予約    奥尻島観光協会 01397(2)3456
ホームページ    http://unimaru.lolipop.jp/awabi/newpage3.html 
関連サイト  
オールアバウト記事 「アワビ狩りにウニ鍋!奥尻島で絶品海の幸を堪能する」

活ヒラメも毛ガニも脇役 !? グルメの宿・高島旅館でアワビ三昧

「やっぱり天然のエゾアワビはひと味違いますね。最近は収量が少なくなったみたいだけど、積丹の方なら天然モノを食べさせてくれる所はいくつかありますよ。」

指南役・山ちゃんが語ったひと味違う「天然モノ」へのまだ見ぬ、いや「まだ食わぬ」熱い想いを胸に秘めて、札幌から車を走らせることおよそ2時間。積丹半島の付け根・岩内町にあるグルメの宿・高島旅館にやってきました
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岩内町にあるグルメの宿・高島旅館

ここは、本州の観光客だけでなく北海道の地元住民からも人気で、なかなか予約が取れない宿ですが、それもそのはず。こちらの料理は前浜で水揚げされて旅館に運ばれてくる新鮮なエゾアワビを四代目の若社長・高島さんが自分の目で直々に選別して夕食のメニューに使用するというこだわりよう。
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四代目の若社長・高島さん

早々とチェックインを済ませ、源泉掛け流しの露天風呂で一汗流して準備も万端。夕食の時間となり、若社長のご自慢、天然アワビを筆頭とした豪華海の幸が次々とお部屋に運び込まれてきました。
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天然アワビを筆頭に、豪華海の幸がオンパレード!

刺身にお鍋、そして炭焼きでいただく3個の天然アワビたち。さらにこれだけでは飽き足らず、美味しそうなボタンエビの刺身や毛ガニ、まだピクピク動いている天然ヒラメの生け作りなどテーブルの上は新鮮な海の幸がオンパレード!

さてさていったいどれからお箸をつけようか悩みながらも、まずは一番のお目当て、アワビのお刺身を一切れつまみます。今朝水揚げされた天然モノというだけあり、すり下ろした生わさびと醤油でいただくアワビのコリコリしたその食感、口いっぱい広がる磯の風味、アワビ特有のグルタミン酸の旨み、そのどれ一つをとっても極上の一言で、まさにキング・オブ・シーフードの名に恥じぬ味わいです。
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コリコリお刺身の極上の味わい

アワビの旨みが凝集されたキモをいただき、味覚への感性はさらなる高みへと昇っていきます。
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アワビの旨みが凝集されたキモ

次は火が熱いうちに炭火焼きをいただく事にしましょう。パチパチと火の粉がはぜる網の上で妖しげにうごめくアワビ、そして期待を込めてそれを見つめる筆者の残虐な眼差し……
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網の上で妖しげにうごめくアワビ

そろそろ、いいかな? 火傷をしないように気をつけつつ、アツアツの貝殻からアワビの身を外します。適度なレアで焼けたアワビは柔らかさと甘みが増し、刺身の野生的なテイストから一転、ほんのりまろやかで優しい味わいとなりました。ホクホクのアワビを噛みしめながら、もうもう、たまらずに白ワインも一口。

胃袋の余裕がある間に、海の幸が盛り沢山の海鮮鍋もいただきましょう。
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海の幸が盛り沢山の海鮮鍋

アワビにホタテ、カニ、タラ、白子。日本海の海の幸満載の土鍋がグツグツ煮たち、さあ出来ました。魚介類と野菜の旨みが凝集されたスープはまさに「北海道版ブイヤベース」。その汁に浸して食べるアワビは、いやアワビのみならずホタテもカニも鍋の具材すべてが絶品の一言に尽きます。

食事中の会話もしばし途絶え、アツアツのお鍋と格闘する緊迫の時間…。気がつけばテーブルの上は空になった土鍋にカニや貝殻の残滓を残すのみでした。ふ~、食った食った。

え、他にあったメニューはどうなったですって? もちろん、ちゃんといただきました。

でも……。こんな事を書くと「何と贅沢な!」とお叱りを受けるかもしれませんが、大きなボタンエビの刺身や毛ガニ、それにまだピクピク跳ねていた天然ヒラメの活け作りなど、普段なら狂喜するであろう超・豪華な内容が、このキング・オブ・シーフード、アワビ三昧の前では単なる脇役となってしまう……そんな凄さを体験できるのも、こちら岩内ならでは、高島旅館ならではと言えるでしょう。
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脇役となってしまった天然ヒラメの活け作り


【高島旅館のDATA】

住所    北海道岩内郡 岩内町野束505
電話     0135-61-2222
公式サイト    http://www.iwanai-takashima.com/ 


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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