運動が腸内環境を整える理由……ストレッチ・筋トレ効果は?
適度な運動は副交感神経を優位にして腸内環境を整える
運動を行うと全身の血流がよくなり、すみずみの細胞まで酸素と栄養分が運ばれます。これにより新陳代謝が促され、疲労回復、体脂肪の燃焼が促進されます。また体を動かすことで絶えず筋肉が収縮させられるため、体力の維持向上や筋力の向上などにも役立ちます。同時に、腸を保護しているお腹まわりや骨盤周辺部の筋肉が常に動き続けることで、腸の蠕動運動が促され、腸内環境の改善が期待できるのです。
体を適度に動かすと自律神経のバランスがよくなり、運動後はスッキリした気分になることが多いと思います。心身のリフレッシュは自律神経の一つである副交感神経を刺激し、胃腸を活発に動かしたり、リラックスした気分をもたらしたりすることになります。就寝時にも副交感神経が優位に働くのですが、体を動かしたことによる体力的疲労は、入眠をスムーズにし、質の良い睡眠をもたらして疲労回復効果が期待できます。このように運動は腸内環境に直接的・間接的な影響をもたらすと言えるでしょう。
腸に刺激が入るストレッチ・筋トレエクササイズ
どのような運動でも腸内環境を改善することに貢献しますが、特にお腹まわりのエクササイズは腸を動かしやすく、便秘の改善といった実感しやすい効果が見られます。激しく体を動かすと息が上がってしまい副交感神経ではなく、交感神経が優位に働いてしまうため、会話が出来る程度の運動強度で身体を動かすようにしましょう。ストレッチや腹筋運動で軽くお腹まわりに刺激を与えることがポイントです。オススメのエクササイズをいくつかご紹介します。■両膝を抱えてゴロゴロ
膝を抱えてゴロゴロ転がるストレッチ。腸を適度に刺激し、背中や腰を伸ばすことが出来る
■膝を左右に倒して腹部のストレッチ
膝を左右に倒すことで腹筋をひねるストレッチ
■お腹のツイスト運動
壁などを利用して身体を反転させてねじるツイストストレッチ
■腹筋運動
おへそをのぞき込みながらゆっくりと身体を起こす腹筋運動
食物繊維で腸内環境を改善するポイント
秋が旬の果物には食物繊維が豊富に含まれる
日本人の食事摂取基準(2015年度版)によると食物繊維の目標量は成人男子で1日20g、女子で18gとされていますが、これだけの食物繊維を日頃からしっかり摂っている人は少ないと言われています。食物繊維は肉類や魚介類などの動物性食品にはほとんど含まれておらず、豆類・野菜類・果実類・きのこ類・藻類などに多く含まれています。特にこれからの季節は秋の味覚であるきのこ類や栗、サツマイモ、リンゴやぶどうなどの果物にも多く含まれているので、こうした食材を上手に利用して腸内環境の改善に努めましょう。
試合や本番前の腹痛・下痢対策にも! 腸内環境を整える大切さ
運動会の前日や、試合前日など大きな大会があるときは緊張やストレスなどで腸の働きが低下してしまうことがあります。腸は「第2の脳」とも言われるほど脳のコンディションと連携していると考えられており、不安やストレスを感じているとそれが腸に影響を及ぼして、突然の腹痛や下痢などの体調不良につながることもあります。お腹を壊してしまうと体は脱水状態が続いてしまい、よいパフォーマンスが期待できませんので、日頃から腸内環境を意識した生活習慣を送ることが大切です。「食欲の秋」「スポーツの秋」らしく秋の味覚を存分に楽しみながら、身体を動かして腸内環境を整え、スッキリした毎日を送りましょう。