併願優遇制度とは? 東京都の私立高校の併願優遇について
東京都内の受験生が受験プランを組む上で考えておきたいのが、私立高校の併願優遇制度。併願優遇制度とは、一部の私立高校の一般入試において、その名のとおり受験時に点数が優遇される制度です。主に中3の2学期内申点等で、高校側が提示している条件をクリアする必要があります。
<目次>
併願優遇を希望する時期は?
併願優遇を考えている場合は、8月から10月頃に行われる、希望する学校の学校説明会や個別相談会に参加しておく必要があります。各学校の併願優遇の基準や条件を確認するだけでなく、中には個別相談会に参加することが併願優遇の条件となっている学校もあるので必ず参加してください。11月頃に中学での仮内申が発表され、この点数が併願優遇の基準を満たしていれば、中学での三者面談で担任の先生に併願優遇を利用することを伝えなくてはなりません。ですので、併願優遇を希望する場合は、11月には受験を希望する高校を決めておくようにしましょう。
主な出願条件は中3の2学期の内申点
併願優遇制度の出願基準は学校・コースによって異なり、また年度によっても変更があります。各高校の併願優遇の出願基準はホームページや入試要綱に記載されているので、最新の情報を確認してください。併願優遇の基準はおもに中3の2学期の内申点です。ただし、内申基準を満たしていても、他の出願基準を満たしていない場合は出願できなくなるので注意が必要です。
【併願優遇の出願基準例】
- 9教科の素内申が38以上、あるいは5教科の内申が23以上
- 9教科に2がない
- 各学年の欠席および遅刻が10日以内
優遇内容は学校ごとに異なる
優遇内容も学校ごとに異なります。出願基準を満たせば、入試当日の得点に合格点まで加点してくれる学校もあれば、内申ごとに入試得点への加算点が決まっている学校もあります。
加算点が明示されていない学校は合格点まで加点されるところが多いです。
ただし、併願優遇はあくまで「優遇」でしかありません。合格の「確約」ではないので、当日の点数が極端に低かったり、面接での態度がよくなかったりすれば、不合格もありえます。特に、入試得点に加算されるタイプの学校で、10~20点程度の加算では不合格者も少なくはなく、安心はできません。
【併願優遇の具体的な優遇例】
- 3教科12かつ9教科34以上 ⇒ 合格点まで加点
- 5教科21・22で10点加点、23・24で20点加点、25で30点加点
検定や生徒会活動、皆勤などによる内申基準への加点がある学校も
よく、検定を取得したり生徒会活動をしたりしていると入試に有利では?と考えている方がいますが、一部の私立高校においては、英検や生徒会役員経験があるとそれが内申点に加点されるという併願優遇を実施する学校もあります。ちなみに、併願優遇に活用できる検定試験のチャンスは中3の2学期まで。中3の夏までに検定受検の申し込みをする必要があります。
【併願優遇される検定や活動の加点項目例】
- 英検準2級⇒内申点に1点加算
- 生徒会役員⇒内申点に1点加算
- 3年間皆勤⇒内申点に1点加算
併願優遇は高校が実施する個別相談会で確認をする
実際に併願優遇を検討する際には、10月頃から私立高校が行う受験生、中学3年生と保護者を対象にした学校説明会に参加し、その説明会の後に行われる個別相談会で、持参した成績資料をもとに併願優遇の基準に達しているかどうかを聞くことになるでしょう。ただ、このときの内申は1学期のものなので、2学期も同じであれば併願優遇可能、とか2学期の5科内申合計が2ポイント上がれば併願優遇可能、などと個別相談会の担当者に教えてもらいましょう。
説明会の日程に都合が合わなくても、高校に問い合わせれば、個別に相談の場を設定してもらうことができます。
そして、中3の2学期の「仮内申」が11月末、あるいは12月1、2週目の中学校の三者面談の場で伝えられます。面談で、担任の先生に受験する高校の併願優遇基準を満たしたことを伝えると、12月15日以降に中学校の先生が高校側に話を持っていき、あとは一般入試を受けることで自動的に都立併願優遇受験となります。
別の私立高校を受験可能な私立併願優遇校も存在する
併願優遇を実施している高校は、都立高校に不合格だった場合には入学する、という都立併願優遇になっているところが多いですが、別の私立高校を受験可能な私立併願優遇校も存在します。したがって、都立高校を第一志望とし、私立併願優遇がある私立高校を抑えにして、さらにレベルの高い私立高校も受験するという受験プランを組むことも可能です。
都立併願だけでなく私立併願も可能な併願優遇なのかは、各高校のホームページや入試要綱で確認してください。
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