不安その1:年金がいくらもらえるかわからない
「ねんきん定期便」で、もらえる年金額を把握できます。「ねんきん定期便」は、日本年金機構が、国民年金・厚生年金の加入者(被保険者)に送っている書類です。毎年、誕生月にハガキか封筒で送られていますが、中身をきちんと確認しないでどこかにしまったり捨てたりしていませんか?
50歳未満の人には、「これまでの加入実績に応じた年金額」、50歳~59歳の人には「老齢年金の種類と見込額(年額)」が記載されています。これをチェックすれば、おおよその年金額がわかります。「え~! これしかもらえないの?」と、不安が増幅するかもしれません。でも、現実的な情報を知ることで対策のとりようがあるので、まずは「はっきり知ること」が大切です。
不安その2:年金だけで暮らせるか
老後は、年金だけで暮らせるとは思わないでください。「ねんきん定期便」で年金額をチェックしたら、そのことを実感できたことと思います。ちなみに、2019年度の年金の受給モデル(月)をあげてみると――。
●夫が会社員で妻が専業主婦の夫婦 22万1504円
●自営・自由業の男女 6万5008円(夫婦なら、13万16円)
●会社員男性の1人あたりの平均受給額 16万5668円
●会社員女性の1人あたりの平均受給額 10万3026円
みなさんの立場に近い受給モデルの年金額でやりくりできますか? おそらく、できないと思います。
不安その3:老後資金はいくら必要なのかわからない
「ねんきん定期便」に記載されている年金額、または、上記の受給モデルで、いくら必要か計算してみましょう。おおざっぱでも、必要な老後資金を把握しておくと、漠然とした不安ではなく、健全な危機感を持てると思います。計算は下記の手順で行ってください。●生活費の不足分
年金で足りない月額×12カ月×30年(65歳~95歳)
例えば、月10万円足りなさそうだったら、10万円×12カ月×30年=3600万円です。これを計算しただけでめげそうですが、まだ、これに加算するお金があります。持ち家の人は家の修繕費用、医療・介護保険の自己負担分、介護施設の入所費用、葬儀・お墓・法要の費用です。
すると、老後資金は4000万~5000万円は必要という結果になります。ただ、これは65歳から年金生活に入った場合です。ずっと働いて稼げば、生活費の不足分を減らせるので、貯められる金額に近づくのでは?
逆にいえば、生涯現役か75歳・80歳まで働く覚悟が必要だということですね。そうできるよう、心身のコンディションを整えておくことは、老後資金の積み立てと同じくらい大切なことといえそうです。
※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆
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