宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

雪組トップスター・早霧せいな&咲妃みゆ 退団(5ページ目)

雪組トップスター・早霧せいなさん、トップ娘役・咲妃みゆさんが、東京宝塚劇場公演『幕末太陽傳』『Dramatic“S”!』の千秋楽(2017年7月23日)に、宝塚歌劇団を退団。ゴールデンコンビと言われた二人の、新人時代から今に至る軌跡をたどります。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

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早霧せいなさんが宝塚大劇場で主演した5作品は、稼働率100%超えという新記録を打ち立てました。これは、人口や立地の面で東京宝塚劇場には負けてしまう宝塚大劇場において、史上初の快挙です。『ルパン三世』や『るろうに剣心』といった話題作の上演で、新規ファンを取り込めたという理由もありますが、やはり、トップスターが早霧せいなさんで、早霧さん率いる雪組だったからに違いありません。

『Dramatic “S”!』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

トップスターという重責を負いつつも、決してこじんまりとまとまらず、ホットにクールに舞台を駆け回り、とことん観客を楽しませてくれた王道のスター、早霧せいなさん。

そしてその伴走者は、ひと役ごとに著しい成長を遂げ、どんな役も身体に浸透させる稀有な女優、咲妃みゆさん。

双璧をなす演技力を持ち、反射神経の抜群にいい二人が信頼し合い、心を通わせて芝居をする…。稽古は苦しいものだったでしょうが、観ている者は感動し、本当に楽しかった……。

退団後、二人はどうするのか…。またどこかで新しい役と向き合ってくれれば……。そう願うばかりです。

また同時に、『るろうに剣心』の相楽左之助などを演じ、雪組を引っ張ってきた鳳翔大さん(2002年入団)、『ドン・ジュアン』の亡霊などを演じた実力派、香綾しずるさん(2004年入団)、『ブラック・ジャック』のピノコ役などで活躍した桃花ひなさん(2006年入団)、『双曲線上のカルテ』では早霧さんの相手役のヒロインも務めた星乃あんりさん(2009年入団)、咲妃さんの同期、蒼井美樹さん(2010年入団)も退団します。

多くのファン、相手役の咲妃みゆさん、そして組子たちに愛され慕われた偉大なトップスター・早霧せいなさん。早霧さんが「絆」を大切に組み立てた雪組の時代が、もうすぐ終わろうとしています。

早霧せいなさん、咲妃みゆさん、そして退団者の皆さん……素晴らしい舞台をありがとう。

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