宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

雪組トップスター・早霧せいな&咲妃みゆ 退団(3ページ目)

雪組トップスター・早霧せいなさん、トップ娘役・咲妃みゆさんが、東京宝塚劇場公演『幕末太陽傳』『Dramatic“S”!』の千秋楽(2017年7月23日)に、宝塚歌劇団を退団。ゴールデンコンビと言われた二人の、新人時代から今に至る軌跡をたどります。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

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新人公演初ヒロインは、2012年『ロミオとジュリエット』。娘役なら誰もが憧れるジュリエットは、ただ可愛いだけではなく、意思をはっきり持った魅力的な少女でした。

バウホール初ヒロインは同年、三島由紀夫原作の『春の雪』(主演・明日海りお )。わずか研3(入団から3年目)での抜擢、また咲妃さんにとって初の日本物でしたが、芯の強い伯爵家の美貌の令嬢・綾倉聡子を、気品高く好演しました。

『月雲の皇子―衣通姫伝説より―』(主演・珠城りょう)では、ヒロインの衣通姫を。神に仕える「かんなぎ」でありながら、実の兄を愛してしまったという設定を、情感豊かに、時には声以外で繊細に表現。前出の聡子にしろ、衣通姫にしろ、こんな難しい役をこの学年で消化してしまう咲妃さんの勘の良さに感心しました。

そして、有名なオペラをミュージカル化した『THE MERRY WIDOW』のヒロイン、ハンナ・グラヴァリ。華やかなコスチュームも似合い、元星組トップスター・北翔海莉さんという歌唱力抜群の大上級生の胸を借り、数々のオペラを堂々と披露しました。

2014年、雪組に組替えされます。
『一夢庵風流記 前田慶次』では、前田慶次を狙う忍びの捨丸。説得力のある演技と存在感は、本公演でも光っていました。


雪組トップコンビ 早霧せいな&咲妃みゆ 

『ルパン三世 ―王妃の首飾りを追え!―』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

2014年、早霧せいなさんと咲妃みゆさんは、壮一帆さんと愛加あゆさんの後任として、雪組トップに就任しました。

早霧せいな&咲妃みゆ トップコンビの舞台歴

2014年『伯爵令嬢―ジュ・テーム、君を愛さずにはいられない―』アラン&コリンヌ
2015年『ルパン三世 ―王妃の首飾りを追え!―』ルパン三世&マリー・アントワネット
2015年『星影の人』沖田総司&玉勇
2015年『星逢一夜(ほしあいひとよ)』天野晴興(紀之介)&泉
2015年『哀しみのコルドバ』エリオ&エバ・シルベストル
2016年『るろうに剣心』緋村剣心&神谷薫
2016年『ローマの休日』ジョー・ブラッドレー&アン王女
2016年『私立探偵ケイレブ・ハント』ケイレブ・ハント&イヴォンヌ
2017年『幕末太陽傳』居残り佐平次&女郎おそめ

トップコンビのお披露目公演は、細川智栄子あんど芙~みん氏の漫画を原作とした『伯爵令嬢』 (日生劇場公演)で、二人はもう漫画の世界そのもの! 壁ドンもデコツンも何をやっても様になるアラン。ツインテールに大きなリボンを付けたコリンヌ。二人の笑顔も眩しく、お披露目にぴったりなハッピーエンドのラブロマンスでした。

宝塚大劇場でのお披露目は、この作品の上演に皆が驚いた『ルパン三世』。トップスターが演じるのならきっと二枚目のルパン三世になるだろうと思いきや、アニメファンを裏切らない、ユーモラスで飄々とした、だけど頼りになるやっぱりカッコいいルパンを痛快に演じ、原作者・モンキーパンチ氏も大絶賛されました。咲妃さんは、宝塚オリジナルのマリー・アントワネット役。咲妃さんの持つ、ほんわかした柔らかい雰囲気が、世俗を離れた人物に上手く調和し、魅力的なマリーになりました。

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