親にお金がない人は、まずは親の家計状況を把握して!
子どもが社会人になったら、親子は、それぞれ経済的に自立すべきです。生んで育ててもらった恩があるのだから、親が生活に困ったら子どもが面倒をみるという時代は終わっています。収入が増えにくい低成長が続き(今後も続きそう)、子ども世代は自分の生活で手一杯で親を援助する余裕がないからです。親への恩返しは、子どもが経済的に自立することで果たされると思います。それでも親を援助すると、子どもの人生は「結婚できない」「子どもを作れない」「子どもを増やせない」「家を建てられない」「老後資金が貯められない」のないない尽くしになってしまうかもしれません。親世代は、まず、このことを肝に銘じてください。とはいえ、前文で触れたように、まじめに働いてきたのに貯金がない親御さんがいます。これから、もっと増えてくるかもしれません。寿命が延びつつあるので、貧しいのは親世代だけではなく、祖父母世代にまで及ぶかも。
それはさておき、親世代の家計の収支バランスがとれていれば、つまり、収入で支出を賄えているうちはいいですが、支出が収入を上回るようになったら、足りない分は誰かが補填しなければなりません。いきなり、援助してくれと言われても、心とお金の準備ができていないでしょうから困りますよね。1回限りではなく、継続的に援助しなければならなくなるからです。
そこで、親に貯金がなさそうだと感じたら、親世代の家計を把握してください。親子間のお金の話はタブー視する風習がありますが、大事なことなのでそんな風習は無視して。ざっくばらんに聞きましょう。クレジットカードのキャッシングやカードローンを利用していませんか? 利用していたら新しい借り入れはやめさせて返済していく方法を探ってください。そして、親世代の家計費をチェックして住居費、通信費、保険、その他の費目で無駄をカットできるところはカットしてもらいましょう。
親御さんが働いていればいいですが、年金だけで暮らしているようなら、体力に見合った仕事をしてもらって。少しでも収入が増えれば生活が楽になりますし、貯金ができるようになるかもしれませんから。
親世代の家計の見直し、就業で収入を増やし、ギリギリまで子どもが援助しなくてもすむようにしましょう。
親への援助は子世代の生活に支障が出ない程度に!
それでも、子どもの援助が必要になることがあるでしょう。その場合でも、子どもの生活に支障が出ない程度の最低限にしたいもの。兄弟姉妹がいるなら、援助は均等に。誰か1人に負担がかかると、兄弟姉妹の仲たがいの原因になるかもしれませんから。すでに親に援助をしている人はストップできませんね。その援助はそのまま続けるとして、金額は増やさないようしましょう。収入が右肩上がりに上がっていく時代ではありませんから。
親と別居している人は、親と同居して双方の住居費や水道光熱費、食費などのコストを下げる手もあります。ただ、長く別居していて同居することでストレスが大きくなる、配偶者と親の関係がうまくいきそうもないなら、その限りではありません。
※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆
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