ガイドが注目した ISOT2017 5つの文具
7月5日~7日に、 東京ビックサイトで開催された国際文具・紙製品(通称:ISOT)2017。この展示会には、ここで初お披露目される新製品をはじめ、各社のイチオシ商品が数多く展示される。会場の隅から隅までくまなく回り、ガイド土橋が注目したステーショナリーを5つ紹介したいと思う。広げたあとのことも考えたアコーディオン式ファイル
まさにアコーディオンのようにグワッと広がるファイル。この手のファイルは、すでにいくつかのメーカーから出されているものの、このLIHIT LAB.の「ドキュメントボックス」はそれらとはちょっと違うものになっていた。
一般的なアコーディオン式ファイルは拡げて手を放すと、もとに戻って縮んでしまうものが多かったが、これはその点を改良している。ファイルを拡げきった状態でドキュメントボックスの後ろの両側からアームを引き出す、それを折り曲げてボックスの先端に差し込んでいく。こうすると、ボックスは拡げた状態で固定できるのだ。
さらになるほどと思ったのが、各フォルダーについたインデックスが左右ギリギリまで長くなっているところ。これはフォルダーの口がたわんだりしないようにするためだという。サイズも考えられており、内寸31.7cm幅の引き出しにも入れておけるという。かゆいところに手が届く進化系アコーディオンファイルだ。
すき間時間に日記が書ける
「ライフログ」という言葉もすっかり定着し、日々の身近な記録をとる人は増えている。日々の記録と言えば、昔ながらの日記があり、ライフログ人気もあって、日記が再注目されている。この「スキマ日記」は、その日記を現代風にアレンジしたものだ。
スリムサイズの手帳ほどのコンパクトさ、そして薄さ。日記というと分厚いものが多いので新鮮な印象だ。記入スペースは、その日の「出来事」とその詳細を数行書くというシンプルフォーマット。1ページが4等分されているので、書ける分量としては少ないが、その分この薄さでも448個分の出来事が書けてしまう。
1日に出来事を1個書くのもよし、出来事がたくさんあれば、1日に何個書いたっていい。また、日付がないフリータイプのため、毎日書く必要もない。手帳のすき間にさしこんで、思いついた時に書くというライトな日記である。
鉛筆ユーザーにうれしいペンケース
世界中から個性的なペンを輸入しているプリコ社。今回の展示内容は鉛筆が多い印象だった。今ひそかに大人向け鉛筆のブームが来ているように個人的に感じている。そんな中私が注目したのが、25~26本は入る大容量の鉛筆専用ペンケースだ。鉛筆をHB、B、2Bといった硬度別に、または色鉛筆を入れて色別に入れたりするのに最適である。
一本一本のペンポケットがやや短めだなと思ったが、鉛筆は使い込むほどにどんどん削って短くなるので、この方がたしかに使いやすい。
ドイツの筆記具ブランド「シュナイダー」
海外の展示会ではよく見かけるドイツのペンブランド「シュナイダー」。高級筆記具というよりも普段使いで楽しめる一般筆記具が中心だ。注目すべきはそのデザインで、個性的なフォルムのものが多い。その「シュナイダー」がこのほど日本に正式上陸を果たした。つまり、日本の代理店が決まったのだ。これからは日本の色々なお店で手に入るようになるのだろう。
私が注目したのは「One Business」という水性ボールペンの0.6mmタイプ。ラバーグリップにはスリットがあり、そのスリットがペン先にまで及んでいる。見ていて集中力が高まってくるデザインだ。書き味は水性ならではのサラサラ感があり、筆圧や筆記角度で筆跡の強弱も出せ、ちょっと筆っぽい表現も可能となる。書いていて気持ちよくなるペンだった。
中国らしさが格好いいノート
ISOTではたくさんの海外文具メーカーも出展しており、その大半がアジア系の会社で、年々出展が増えている。そうしたブースもひとつ残らずチェックしていったところ、これは!と思えるブースを見つけた。
「行動派+九口山」というブランドで、商品群としては手帳やノートといった紙製品。ところどころに漢字をあしらってあり、中国を感じさせながらも、それでいてモダンなデザイン。ブースには日本人の関係者の方がいらしたのでお聞きしてみると、中国の若者向けにデザインされた商品だという。
いくつものノートや手帳の中で私の目にとまったのは。縦に長い手帳だった。これは筆で書くことを想定しているため、紙は半紙のようなものだった。ページをめくっていく中で、え!これは一体どうして?と首をかしげてしまった部分があった。というのも各ページの上側がつながっていたのだ。これはあえてやっているそうで、ユーザーが使うときに切っていくのだという。
日本のデザインとは違う中国らしさがあって個人的にとても気に入った。
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したのは、普段目にするものとは違った魅力のある文具である。文具店や百貨店に行く際に探してみたり、ネットで検索したりと、ぜひ見つけてほしい。
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