運動と健康

PMS症状対策に効果的な5つの簡単エクササイズ

生理前はイライラしたり、頭痛や肩こりがひどくなったり……。様々な不調を起こす月経前症候群・PMS。不調を理由に安静にしておくことは逆効果のケースもあります。症状を改善しPMSを快適に乗り切るためにヨガやウォーキングをするのも効果的。ここでは今すぐ手軽にできる5つのエクササイズをご紹介します。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

PMS症状対策にヨガやウォーキングなどの運動は効果的?

腰痛の女性

月経前に起こる腰痛もPMSによくみられる症状の一つ

月経に伴う症状のうち、特に月経前~10日に見られる身体的、精神的症状を月経前症候群(PMS)といいます。下腹部の痛みを感じたり、気分が落ち込んだりすることもその一つであり、症状は個人によってさまざまです。PMSの主な症状は以下の通り。

■PMSの主な症状
  • 下腹部症状……下腹部痛(下腹部膨満感)、腰痛等
  • 血管神経症状……頭痛、肩こり、めまい、耳鳴り等
  • 精神症状……イライラ、怒りやすい、落ち着きがない、憂鬱
  • 消化器症状……食欲が増す、胃痛、吐き気、下痢、便秘
  • 水分代謝症状……むくみ、体重増加、尿の量が減る
  • 乳房症状……胸が張る、乳房痛
  • 皮膚症状……ニキビ、しみ、あざが目立つ、肌荒れ
  • その他の症状……疲れやすい、動悸、不眠、おりものの量の変化
(日本体育協会:成長期女性アスリート指導者のためのハンドブックより)

このような症状がみられると、安静にしているほうがいいと思われがちですが、身体を動かさない状態で過ごしていると活動量が減って筋肉が緊張したり、全身の血流が悪くなって疲労感が増したりすることが考えられます。ヨガやウォーキングなどの軽い運動で、PMS症状対策をしている方もいらっしゃるようですが、これらの運動は実際に有効だと考えられます。憂うつなPMSの時期も、無理のない範囲で身体を動かすことを心がけてみましょう。

PMS改善に5つのストレッチ…症状への対処法

身体を動かすと、心も自然と前向きに明るくなりやすいと言われています。気持ちの落ち込みが見られる「うつ」のような症状に対し、運動療法を取り入れて改善させる方法は広く知られているところです。痛みが悪化しない範囲で身体を動かすことには、心身ともにリフレッシュ効果が期待できます。はじめはストレッチや自重トレーニングなど負担の少ないものを選んで行うようにしてみましょう。

■PMS対策に試したい「膝倒しストレッチ」
膝たおしストレッチ

寝転がって膝を左右に倒して体幹をひねるストレッチ

寝転がった状態で両膝を曲げます。そこから両膝を左手で保持しながら左へ倒して身体をひねるようにします。このときに右肩が浮かないように注意しましょう。その状態で10~15秒程度保持し、元に戻します。反対側も同じように行います。起床時や就寝時などベッドの上でも気軽に出来るストレッチです。

■PMS対策に試したい「キャットエクササイズ」
キャットエクササイズ

四つんばいの状態でネコのように背中を丸めたり反らしたりして骨盤周辺部の筋肉を動かそう

手と足を肩幅程度に開いて四つんばいの状態になります。そこから息を吐きながら3秒かけて背中を丸めるようにします。このときおへそをのぞき込むような意識で行いましょう。その後、息を吸いながら3秒かけて腰を反らせる姿勢をとります。これを10回繰り返します。腰の痛みが強く出る場合はやめておきましょう。

■PMS対策に試したい「ヒップウォーク」
お尻歩きウォーク

座った状態でお尻から骨盤を押し出すように歩いてみよう

座った状態で骨盤の動きをよくするためのエクササイズです。長座の姿勢で座り、そこからお尻で骨盤を押し出すイメージで前に進みます。右・左と交互にお尻を動かしながら10歩前に進みます。そこから今度はお尻を後ろに引くイメージで10歩後退します。

■PMS対策に試したい「ヒップリフト」
ヒップリフト

お尻をキュッと締めることでヒップアップにもつながるエクササイズ

仰向けになった状態で両膝を曲げ、両足を肩幅程度に広げます。息を吐きながらお尻をキュッと締めながら持ち上げます。肩・背中・膝のラインが一直線になるまでお尻を挙げたところで3秒程度キープして、その後ゆっくりと元の状態に戻ります。これを10回繰り返します。お尻を締めることで骨盤邸筋群のトレーニングにもなり、尿トラブルなどの症状緩和も期待できます。

■PMS対策に試したい「スクワット」
スクワットの姿勢

スクワットをすると腹圧が高まってPMS特有の腹痛が軽くなるかも

自重で行うスクワットは息を吸いながらしゃがみ、息を吐きながら立ち上がりますが、呼吸を意識することで腹圧をあげ、PMSの下腹部痛を軽減させる効果が期待できます。正しいフォームで10回程度行うようにしましょう。詳しい方法については「基礎代謝もアップする!正しいスクワットの方法」を参考にしてください。

運動をしない状態でいると身体の冷えを感じたり、血流が滞ってしまったりする一因ともなります。また骨盤周辺部の筋肉を使うことで骨盤の動きがよくなり、PMS特有の症状をやわらげる効果も期待できます。運動そのものに心身のリフレッシュ効果が見込めるので、起床時や就寝前などのちょっとした時間に、できるものからぜひ行ってみましょう。 
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