時短生活/調理を時短するコツ

簡単手間なしプロの味になる「かつおぶた」って何?

世界に誇る和食文化。丁寧に取られた出汁には、栄養が凝縮されたうまみがいっぱいです。でも、忙しいとなかなか鰹節から取る出汁は敷居が高いもの。ところが、プロも一押しの「かつおぶた」なら、手間なく鰹節の香り高い煮物が仕上がります。名前もちょっとかわいい「かつおぶた」。やってみたら本当に簡単! 時短でプロの味。ぜひ試してみてくださいね。

ももせ いづみ

執筆者:ももせ いづみ

時短生活ガイド

鰹節で落し蓋をする=「かつおぶた」で最高の仕上がりに

「かつおぶた」とは、「鰹蓋」。つまり、鰹節で蓋をすること。

煮物をする際には、素材が煮汁の中で踊るのを抑え、蒸気が逃げるのを防ぐために、鍋の直径よりもひと回り小さい木蓋などで「落し蓋」をするのがコツですが、この代わりに、鰹節を使うのが「鰹蓋」です。

以前から、和食のプロが仕上げに行っていた裏技で、従来は調理用の晒やガーゼで鰹節を包んで、蓋代わりに煮物の上に乗せていました。
かつおぶた

色合いを「かつおぶた」で、素材を美しく、風味豊かに仕上げるプロの味に。煮くずれ防止にもなります。


鰹節で出汁を取る際に、一番大切なのは煮立てないことです。煮立てることで鰹節の持つ香りやうまみが飛んでしまい、えぐみが残ることも。このため、出汁取りの際には、昆布を煮立てた湯に一度差し水をしてお湯の温度を下げ、鰹節を入れてからすぐ火を止めるのがプロの作る一番出汁。

次に、残った昆布と鰹節を再び煮立てて、鰹節を追加(追い鰹と言います)して作ったのが二番出汁です。

煮物にはこの二番出汁を使うことが多いのですが、煮立てるために鰹の風味は一番出汁にはかないません。これを補うために使われたのが「鰹蓋」なのです。


用意するのはキッチンペーパーと鰹節だけ!

鰹節での出汁取りの面倒さのひとつが、煮汁の中で散らばってしまう鰹節の処理。だしパックなどに入れて使う人も多いと思いますが、鰹蓋を使えば、市販の粉末出汁を使っても、鰹節の香り高い煮物に仕上がります。

方法はとても簡単。素材を準備した煮汁である程度煮たら、調理用のキッチンペーパーを2カット分広げて、ここに鰹節を挟み込むように乗せます。これを落し蓋の代わりに鍋の中に納め、弱火で煮込みます。ペーパーが鍋の外に出て引火しないように気をつけて扱ってくださいね。

かつおぶた1

1、調理用のキッチンペーパーに鰹節を乗せ


かつおぶた2

2、折り返してかつおぶしを挟み込むようにします


かつおぶた3

3、落し蓋がわりに鍋の中におさめて使います


キッチンペーパーは必ず調理用の水に強いものを。ガーゼも使えますが、医療用滅菌ガーゼには蛍光増白剤が使われていたり、滅菌のための薬剤が添加されているものもありますので、一度煮沸するか、料理用のものを使うほうが安心。無漂白のものも売られています。

この方法だと、鰹節が煮汁の中に混ざらず、香りとうまみだけが煮物に浸みていきます。キッチンペーパーはアクを吸い取るので、アク取り効果も。最後はそっと鰹蓋を取り除いてください。
かつおぶた4

素材の色と風味を生かしたい煮物に。短時間でふんわりとかつおの風味がしっかり染み込みます


写真は新じゃがを白だしである程度煮た上にブロッコリーを乗せ、かつおぶたをして蒸し煮にしたもの。ブロッコリーは他の野菜と一緒に煮てしまうと色も歯ごたえも悪くなりがちですが、最後に蒸し煮にするときれいに仕上がります。

この際にかつおぶたをすることで、ブロッコリーにもしっかりとかつおの風味が染み込み、味わい深い一品に。ゆでるだけよりも格段においしくなります。

歯ざわりや色合いを美しく仕上げたい、たけのこやふきなどの煮物、蒸し物などに試してみると、その違いに驚くはず。

香り高い鰹節のうまみにはほっと癒されるもの。忙しくても小さな一手間をかけるゆとり。大切にしたいですね!

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