マンション相場・トレンド/新築マンションレポート

大規模マンション+シャトルバスで値頃感を演出

不動産経済研究所発表の首都圏のマンション市場動向(2017年4月度)によれば、首都圏新築マンションの平均価格は、対前年比2.9%アップの5,918万円。価格上昇の中で、駅前立地などの利便性が高い場所のマンションは、手が届きにくくなっています。そうした中、郊外エリアの大規模マンションの中で独自にシャトルバスの運行計画を立て注目を集めています。事例を基にその効用を考えてみます。

岡本 郁雄

執筆者:岡本 郁雄

マンショントレンド情報ガイド

商業地など利便性が高い場所の地価が上昇。人気沿線の駅前立地は、手が届きにくい状況に

不動産経済研究所発表の首都圏マンション市場動向(2017年4月度)によれば、首都圏新築マンションの平均価格は、前年同月比2.9%アップの5,918万円。相変わらず高い水準を維持しています。価格上昇の波は、都心エリア・都心近郊エリアから郊外エリアにも拡がりつつあり都下や神奈川県・埼玉県などの通勤アクセスの良い駅前立地のマンションは、相応の価格設定になるケースが目立っています。
小金井公園

小金井公園


フラット35利用者調査などによれば、新築マンション購入者の年収倍率は、ここ数年上昇してきており利便性の良い駅前立地の高価格帯のマンションは、郊外でも一般のファミリーではなかなか手が届きにくくなっているのが実情です。

そうした中で、注目を集めているのが郊外立地の大規模マンションで、シャトルバスを運営し入居者の利便性を高めているプロジェクトです。

いくつか例を挙げると

シティテラス横濱戸塚(住友不動産)
シティテラス小金井公園(住友不動産)
ザ・パークハウス 国分寺四季の森(三菱地所レジデンス 東京建物 大栄不動産)

シャトルバスで利便性の高い駅とマンションを結んでいるのが特徴で、横浜1駅の「戸塚」駅(シティテラス横濱戸塚)、「新宿」駅、「東京」駅へダイレクトで結ばれる中央線「武蔵小金井」駅(シティテラス小金井公園)、中央線「国分寺」駅(ザ・パークハウス 国分寺四季の森)にアクセスします。

では、運行内容はどうでしょう。シティテラス横濱戸塚は、朝6時15分から深夜24時台まで運行。バス2台を使って往路・復路併せて102本(駅まで57本、駅から45本)を予定しています。7時台、8時台は12分間隔での運行予定。もともと、JR東海道本線「戸塚」駅からバス12分、「富士橋」バス停から徒歩4分の立地ですが、途中停車が無いため約7分でのアクセスの見込みになっています。

現在(5月24日時点)の販売概要を見ると7月上旬に予定している第4期の予定価格が2,798万円~4,398万円(67.00平米~80.00平米)。戸塚駅の駅近物件と比べるとリーズナブルです。また、利用する際の運賃は、管理費に含まれるため何度乗っても無料です。これなら、子供の多い大家族ファミリーでも負担にならないでしょう。シティテラス横濱戸塚は、総戸数399戸の大規模マンション。シャトルバスを運行することは、利便性が高まる一方で経費も掛かりますが、マンション全体でシェアすることで戸当たりの負担を抑えることが可能です。

最寄駅から徒歩10分圏のロケーションでありながらシャトルバスを運行、雨の日や高齢者など住民の暮らしやすさに配慮

シティテラス小金井公園とザ・パークハウス 国分寺四季の森は、最寄り駅まで徒歩10分圏のマンションです。シティテラス小金井公園は、西武鉄道新宿線「花小金井」駅から徒歩8分の小金井公園にほど近い全922邸の大規模マンション。ザ・パークハウス 国分寺四季の森は、JR中央線・武蔵野線「西国分寺」駅(北口)より 徒歩10分(フォレストエントランスまで)、JR中央線「国分寺」駅(北口)より 徒歩13分の広大な森に隣接する全494邸の大規模マンション。ともに最寄駅から徒歩圏であるにもかかわらずシャトルバスの運行を予定しています。

シティテラス小金井公園は、再開発によって商業施設が増え魅力が高まった「武蔵小金井」駅へシャトルバスを運行予定。「花小金井」駅からの西武新宿線に加え、中央線の利用も可能になるので通勤や通学面でも利便性が増します。「武蔵小金井」駅へは、約7分でアクセス。週末のレジャーの行動範囲も拡がりそうです。こちらも全922邸の戸数規模ならではのサービス。同マンションには、パーティーラウンジやライブラリー、スタディルームやフィットネスルームなど多彩な共用施設も充実しています。5月下旬にスタート予定の第3期の概要は、70平米超が3,698万円~となっています。
ザ・パークハウス 国分寺四季の森

ザ・パークハウス 国分寺四季の森 完成予想模型

ザ・パークハウス 国分寺四季の森は、現在北口駅前で大規模な再開発が進行中の中央線「国分寺」駅とマンションをシャトルバスで約4分で結ぶ予定。国分寺駅前は、マルイ国分寺店やセレオ国分寺などの商業施設が集まるゾーン。再開発で誕生する建物には、商業施設やカフェレストラン、行政サービス窓口なども設けられる予定で、シャトルバスで結ばれることでさらに利便性が高まりそうです。こちらも全494邸の大規模マンションで、コミュニティラウンジやライブラリーなどの多彩な共用施設が用意されています。また敷地内に学童保育を開設しているのも大きな特徴です。6月にスタートする第2期1次の販売は、71.83平米の3LDKが4,200万円台(予定)~になっています。
ザ・パークハウス 国分寺四季の森

ザ・パークハウス 国分寺四季の森 モデルルーム


シャトルバスの運行は、例えば雨の日などの通勤・通学や駅前で買い物をした際の持ち運びなどにも便利です。行動範囲が狭くなりがちな高齢者の方にとっても便利でしょう。人生100年時代ともいわれる中で、こうしたちょっとした工夫は、マンションの住み心地にも大きくかかわるのではないでしょうか。駅前立地が、便利なのは確かですが身近に自然があるなど駅から一定距離あるからこその住環境が得られる場合もあります。戸数規模を活かした大規模マンションの様々な提案を聞いてみるのも良いのではないでしょうか。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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