将来不安を感じているのは全世代共通だけれど…
2017年3月、全国の20代~50代の800人(男女)を対象に「将来のお金に関する意識調査」が行われました。実施したのはアクサ生命です。この調査結果によると、将来について「不安を感じている」「やや不安に感じている」と回答したのは、全世帯合計で77.1%でした。10人のうち8人は不安を感じているということですね。年代別にみてみると、最も不安を感じているのは40代(81.5%)でした。次いで、30代(77.0%)、50代(76.5%)と続き、20代でも73.0%が感じています。なんとなく、予想していた通りの結果ではあります。
では、どんなことに不安を感じているのでしょうか? 1位・2位・3位は全世代も各世代も、割合は違っているものの共通しています。
1位「超高齢化社会に伴う社会保障サービスの低下」(全体=61.9%、20代=52.5%、30代=57.5%、40代=66.5%、50代=71.0%)
2位「公的年金の引き下げ」(全世代=59.5%、20代=53.5%、30代=56.0%、40代=60.5%、50代=68.0%)
3位「消費税や他の税金負担の増加」(全世帯=50.4%、20代=50.0%、30代=54.5%、40代=48.0%、50代=49.0%)
1位と2位は年代が上がるに従って不安に感じている人の割合が増え、リタイヤが視野に入っている50代は70%前後の人が不安を抱いています。
不安解消のために取り組みができている人は4.1%!
約8割近くの人が将来不安を感じていますが、不安解消のために何かに取り組んでいるのでしょうか?「十分な取り組みをしている」人は、何と4.1%しかいませんでした。「取り組みが十分ではないと感じている人」「何かしらの自助努力は必要と思いながらも現在は何もしていない」を合計すると83.2%。実に多くの人がリタイヤ後の備えが不十分でした。これは、かなり問題ですね。では、将来の不安軽減・解消のために何らかの準備をしている人は、どんなことをしているのでしょうか?
最も多かったのは「生命保険・損害保険への加入」が55.4%、次いで「住宅の確保(32%)」、「リスクのある金融資産への投資(30.7%)」でした。
これから準備を始めるには、生命保険・損害保険は貯蓄性が低下しているので投資効果は低いと言わざるを得ません。住宅の確保は、リタイヤするまでに住宅ローンの返済が終わっていればリタイヤ後の住居費を軽くできる効果はありますが、資産価値の大幅な上昇は期待しにくいでしょう。やはり、「リスクのある金融資産への投資」を考えるべきです。自助努力ということですね。
預貯金の一部を「NISA(少額投資非課税制度)」に振り向けたり、2017年1月から加入対象が拡大した「個人型確定拠出年金(通称:iDeCo)」や2018年1月からスタートした「つみたてNISA」、民間の金融商品で積み立てるなどしましょう。
最も将来不安を感じている40代も、それ以外の世代も、時間を味方にして投資に取り組みましょう。
【関連記事をチェック!】
50代で貯金ゼロの家庭が見直したい家計費目は?