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鎌倉の駅近で自然満喫!祇園山ハイキングコース

東京都心から電車でわずか1時間の古都・鎌倉は、"海辺の街"というイメージですが、周囲を山に囲まれているため、ハイキングコースも充実。今回紹介するのは、距離が短い「祇園山ハイキングコース」。スタート、ゴール地点ともに、鎌倉駅から徒歩15分ほどの場所にあるという立地や、スタート地点から山頂付近の「見晴台」まで30分程度というお手軽さもあり、街歩きのついでにハイキングも!という楽しみ方も可能です。

森川 天喜

執筆者:森川 天喜

国内旅行ガイド

スタートから山頂まで30分のお手軽ハイキング

ハイキングやトレッキングを楽しむなら、早起きしてちょっと遠出しなくては!と思いがちですが、近場にも意外なほど素晴らしいハイキングコースがあります。

東京都心から電車でわずか1時間の古都・鎌倉は、"海辺の街"というイメージですが、周囲を山に囲まれているため、ハイキングコースも充実しています。

東京都心から電車でわずか1時間の古都・鎌倉で自然を満喫!

東京都心から電車でわずか1時間の古都・鎌倉で自然を満喫!


鎌倉北部の尾根を縦走する本格的な山歩きが楽しめる「天園ハイキングコース」をはじめ、いくつかのハイキングコースがありますが、今回紹介するのは、距離が短い「祇園山ハイキングコース」。

スタート地点、ゴール地点ともに、鎌倉駅から徒歩15分ほどの場所にあるという立地や、スタート地点から山頂付近の「見晴台」まで30分程度というお手軽さもあり、街歩きのついでにハイキングも!という楽しみ方も可能です。

鎌倉のハイキングコースイラストマップ

混雑を回避!鎌倉初の有料トイレ

今回の取材には、最近、すっかり鎌倉散歩にハマってきたAll About編集部のM恵さんが同行。

前回の大仏ハイキングコースに続き、今回も電車の遅延に焦りながら鎌倉駅に到着しましたが……。何はともあれ、いざ出発!

鎌倉駅東口から出発!

鎌倉駅東口から出発!鎌倉の駅ビルは2017年春にリニューアルしたばかり。「CIAL」の文字が光ります


まずは、鎌倉のメインストリート、若宮大路の中央にある「段葛(だんかずら)」を歩いて、鶴岡八幡宮を目指して歩いていきましょう。

下の写真は、何をしてるところかというと……、体を張って狛犬(こまいぬ)を表現しています。いや、とても、かわいらしい狛犬です(笑)

「段葛」は鶴岡八幡宮の正式な参道です

「段葛」は鶴岡八幡宮の正式な参道です


さて、若宮大路の途中に、ちょっと寄り道してみたいスポットがあります。

『クルミッ子』などでも有名なお菓子屋さん、「鎌倉紅谷」さんの隣に昨年オープンしたビル「M's Ark KAMAKURA」の2階に、その場所はあります。

その場所とは、なんと、鎌倉初の有料トイレ。駅の自動改札のようなゲートに100円を入れると、トイレが使用できます。
ゲートで100円を入れて、トイレに入場!

ゲートで100円を入れて、トイレに入場!


トイレが有料というと、驚く人が多いかもしれませんが、こちらのトイレは清掃員が常駐していて、いつもキレイに保たれています。

とくに女性用トイレはパウダールームが完備され、個室も広めに設計されているなど、豪華な仕様! 個室内にはフットレストがあり、着替えもできるようになっています。

女性用トイレのパウダールーム

女性用トイレのパウダールーム


観光シーズンは、とくに女子トイレは混雑しがちになるので、このような施設ができたのは、喜ぶ人も多いのではないでしょうか。

歴史好きは要チェック!鎌倉幕府滅亡の地

さて、次は鶴岡八幡宮へ向かいましょう。鶴岡八幡宮は鎌倉を代表する神社です。M恵さん、しっかりお参りしましょうね。

鎌倉を代表する神社、鶴岡八幡宮を参拝

鎌倉を代表する神社、鶴岡八幡宮を参拝


鶴岡八幡宮参拝を終えたら、境内を出て、目の前の道を左へ進みます。この道は「横大路」といい、200mほど進むと、正面に宝戒寺(ほうかいじ)というお寺の門が見えてきます。

宝戒寺は、初秋に境内いっぱいに白萩が咲くことで知られ、別名「萩寺」とも呼ばれています。

宝戒寺に向かって右手に進むと、間もなく道標に「北条高時腹切やぐら」「東勝寺」と出ている路地があるので、そちらに入っていきます。

道標にしたがって、歩いて行きましょう

道標にしたがって、歩いて行きましょう


ここから、下の写真に従い、谷戸(やと)の奥へ奥へと進んでいくと、川に小さな橋が架かっています。

宝戒寺の駐車場のところで右に進み

宝戒寺の駐車場のところで右に進み

「燕カフェ」の脇を奥へ進んで、東勝寺橋へ

「燕カフェ」の脇を奥へ進んで、東勝寺橋へ


この東勝寺橋は、大正13(1924)年、当時の先進的デザインを取り入れて建造されたアーチ橋。その姿の美しさから人々に愛されています。

橋からさらに山に向かって歩いて行くと、左手に原っぱが広がっている場所にたどり着きます。

なんと、この場所は、かつて東勝寺というお寺が建っていた場所で、鎌倉幕府が滅亡した場所でもあります。

東勝寺跡の案内板をチェック!

東勝寺跡の案内板をチェック!


新田義貞が鎌倉に攻め入ったときに、執権の北条氏一族およそ700名が東勝寺に立てこもり、火を放ち自刃(じじん)して最期を遂げ、これにより鎌倉幕府は滅亡しました。

木の根っこの階段も!自然を満喫

東勝寺跡の少し先に、ハイキングコースの入口があります。そして、左を見ると、ポッカリと大きな「やぐら」が口を開けています。

いよいよ、ここからハイキングコースがスタート!

いよいよ、ここからハイキングコースがスタート!


「やぐら」というのは、鎌倉独特の横穴式のお墓のこと。鎌倉時代に、狭い鎌倉の土地に多くの人が集まったので、平地にお墓を作るスペースがなくなり、山の岩肌に横穴を掘ってお墓にしたのが「やぐら」です。

ちなみに、このやぐらは「北条高時腹切やぐら」と呼ばれています。

ハイキングコースを歩きはじめて、M恵さんが驚いていたのが、住宅地からすぐ近い場所に、こんなにも緑豊かなハイキングコースがあること。

木の根っこの階段を上ります

木の根っこの階段を上ります


お手軽コースとはいえ、ちゃんとアップダウンがあり、木の根っこの階段を上ったり、大きな木からパワーをもらったりと、自然を満喫しました。

大きな木からパワーをもらいます。神々しい雰囲気ですね

大きな木からパワーをもらいます。神々しい雰囲気ですね


また、この道はずっと木陰になっているので、歩いていて涼しいのと、ほぼ一本道なので道に迷うことがないのが、いいところだと思います。

ハイキングコースを歩きはじめて、およそ30分で「見晴台」と「八雲神社」の分岐に到着。

「見晴台」と「八雲神社」の分岐に到着

「見晴台」と「八雲神社」の分岐に到着


ここから目的地の「見晴台」はもう目と鼻の先。ちなみに、「八雲神社」方面が下山ルートになります。

祇園山山頂付近の「見晴台」

「見晴台」が見えてきて、M恵さん猛ダッシュ! それもそのはず、祇園山は標高60mほどの丘ですが、「見晴台」からは、わずか60mの標高とは思えない、素晴らしい絶景が楽しめるのです!

祇園山「見晴台」からの眺望

祇園山「見晴台」からの眺望


眼下に広がる鎌倉の街並みの向こうに広がるのは、材木座と由比ヶ浜の海岸。そして、右手のほうで海に突き出ているのは稲村ヶ崎です。

「こんな素敵な景色が、街のすぐ近くで楽しめるなんて、鎌倉がますます好きになりました!」とM恵さん。

さて、ゆっくり海の景色を楽しんだら、先ほどの分岐に戻り、「八雲神社」方面に下っていくと、ものの5分ほどで八雲神社の境内に到着します。

八雲神社をお参り

八雲神社をお参り


八雲神社は、源頼朝の先祖にあたる源義家の弟・義光が、疫病(えきびょう)が流行し、人々が苦しむのを見て、疫病退散のため、京都の「祇園さん」こと八坂神社を勧請したのがはじまりとされる鎌倉最古の厄除(やくよけ)の社。

祇園山の名前も、「祇園さん」に由来するのですね。

さて、ここからもう少し散歩を続けるならオススメなのが、ゴールデンウィークの頃にツツジが見頃をむかえる安養院というお寺。

安養院はゴールデンウィークの頃、ツツジが見頃になる(2015年5月3日撮影)

安養院はゴールデンウィークの頃、ツツジが見頃になる(2015年5月3日撮影)


門を入ってすぐ左手にまつられている日限地蔵(ひぎりじぞう)は、願いがかなうまでの期限を限って願い事をすると、その日数のうちに願いを叶えてくれるというありがたいお地蔵様。M恵さんは、どんな願い事をしたのでしょうか。

なお、鎌倉のハイキングコースは、標高はそれほど高くはないものの、一部、歩きづらい岩場などもあります。動きやすい服装、滑りにくい靴、飲料水など、山歩きの最低限の準備は必要です。

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