定年・退職のお金/老後資金の貯め方

50代で貯蓄ゼロの家庭は、埋蔵金を探せ

50代で貯蓄ゼロの家庭が全体の30%程度を占めると言われています。それでも50歳から一所懸命にお金を積み立て、運用するという手もありますが、その前に、自分が持っている(かもしれない)埋蔵金を探してみては、いかがでしょうか。

鈴木 雅光

執筆者:鈴木 雅光

投資信託ガイド

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貯蓄ゼロでは何ともならない50歳

50歳。サラリーマンなら、あと10年もすると定年がやってきます。最近は65歳定年のところもあるようですが、それでも60歳になった時点で給料は大幅に減らされます。どのくらい減るのかというと、半分くらい。だから、老後の資産形成をするとしたら、いよいよラスト10年というわけです。
 
貯金がゼロだったら埋蔵金を探そう

貯金がゼロだったら埋蔵金を探そう



ところが、50歳になった時点で「貯蓄ゼロで真っ青」という方もいらっしゃると思います。ちなみに、金融広報中央委員会の調査によると、50代のうち30%は、貯蓄ゼロという統計が出ています。

今の50歳は、ちょうどバブル末期に就職した人たちです。先輩よりはバブルの恩恵に浴した部分は少ないけれども、それなりにバブルを謳歌し、「なんとかなる」精神が身に付いていたりします。が、50代で貯蓄ゼロでは、恐らく「なんともならない」のが現実です。
 

埋蔵金を探せ

でも、ここで諦めてはいけません。確かに自分の預金通帳はゼロでも、意外なところに埋蔵金が眠っている可能性があります。

たとえば、無意識のうちに財形貯蓄をしていたり、大した金額ではないものの、個人年金保険に加入していたり、というように、実は毎月少額ずつでも天引きで積み立てていたものが、それなりに大きな金額になっているものです。たとえば新入社員の頃から、毎月1万円ずつ財形貯蓄をしていたら、28年間で積み立てた元本部分だけで336万円にもなります。

その他、新入社員の時、付き合いで加入した保険などはありませんか。たとえば定期付終身保険などは、バブルの頃、多くの生命保険会社が積極的に販売したもので、現実は終身部分が極めて薄く、特例の定期保険部分が手厚いため、解約すると払い込んだ保険料に対して、あまり戻ってこないというケースもありますが、50歳貯蓄ゼロ人間にとって大事なのは、いざという時の保障よりも、目の前の現金です。子供がある程度育ち、自分の力で生きていけるのであれば、家族のための保険は不要です。解約しましょう。もし、これで200万円弱の解約返戻金があれば、先の財形貯蓄と合わせて500万円程度の資金が出来ます。

他にも、たとえば収集癖があった人は、自分のコレクションが高い金額で売れる可能性があります。実家へ帰った時、物置にしまってあるものを探してみてください。切手、コイン、ミニカーなど、意外なお宝にぶつかる可能性があります。
 

最後の頼みは親の財産

そして、最後の最後は、親が持っている資産です。これを埋蔵金と考えるのは、モラル的にどうかという意見もあると思いますが、いざとなったら背に腹は代えられません。自分の親が、ある程度の資産を自分に残してくれていることに期待しましょう。ちょっと古いデータで恐縮ですが、2015年時点における年齢階級別の貯蓄分布状況を見ると、貯蓄全体の35.4%は、70歳以上によって保有されていますが、対して50代はたったの17%に過ぎません。つまり、50代の親世代は、50代のあなたよりも、多くのお金を持っている可能性が高いということです。ただし兄弟のいる方は、くれぐれも相続で争続にならないように注意してください。

もし、これで親から500万円相当の相続ないしは贈与が得られ、自分で何とかやりくりして見つけた埋蔵金の500万円と合計すれば1000万円になります。さらに、退職金が1000万円あれば、60歳の時点で合計2000万円のキャッシュが手に入ります。

もちろん、2000万円を切り崩していくだけでは到底、この長寿社会を生き延びていくことは出来ませんが、たとえば2000万円を原資にして運用するとか、高齢になっても出来るだけ働き続けるとか、他の合わせ技を用いれば、なんとか老後を乗り切れそうです。

ただし、以上はあくまでも、本当に最後の最後の手段に近い、ギリギリのシミュレーションです。当然、貯蓄はあった方が良いわけですが、なかにはさまざまな事情で、貯蓄が出来なかった50歳もいらっしゃるでしょう。そういう場合は、とにかく身の回りで即キャッシュ化できる埋蔵金を探してみてください。
 
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