定年・退職のお金/退職金の運用方法

15年で1000万円減!退職金クライシスの現実と対処法(2ページ目)

この15年で退職金の額は1000万円もダウン。退職金制度自体が無い企業も増えています。これまでは、収支がマイナスでも「退職金でリカバリーできるから大丈夫」と考える人も多かったのですが、そうは言っていられない時代に突入しました。その現状と回避方法をご説明します。

酒井 富士子

執筆者:酒井 富士子

60代の得する働き方ガイド

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退職金がゼロだとどうなる?

以前もご紹介しましたが、60歳から65歳は、ライフイベントや第2の人生の門出としての出費が多い時期です。(参考:定年後「子や孫」にかかる出費に要注意!

近代太郎さんの場合も、60代前半は、夫婦で海外旅行、車の買い替え、自宅のリフォーム、長男・長女の結婚式への援助、孫誕生のお祝い金など、ライフイベントの出費でいっぱいです。

でも退職金が0になったら、上記のようなイベントはもちろんすべて中止。それどころか、夫だけでなく、妻も夫が定年退職しても働き続ける必要があります。今まで50代で子どもたちに教育費がかかり、それまでの貯蓄が切り崩されても、退職金があるからなんとかリカバリーできたのが、日本人のライフプランでした。しかし、退職金がなくなると、多くの会社員が老後破たんを迎えてしまうのは間違いないのです。
 

退職金クライシスを回避するには

さて、ではどうしたらいいのでしょうか。まず、定年を迎える前から準備をすること。下流老人の記事でもお伝えしましたが、子育てが終わったからと気を緩めて贅沢をしてしまわずに、収入が多いうちに日々の生活費をダウンサイジング。「なんとかなるだろう」と問題を先送りにせず、コツコツ貯金を増やしておきましょう。

そして、これからの時代は70歳まで働くことも視野に入れること。定年までに高いポジションにいたからと、「事務職がいい」「お給料が高くないと……」と、こだわりを持ちすぎず、割り切ることも大切です。例えばマンションの管理人のアルバイトをして、月に15万円稼いだとすると、1年で180万円。65歳~70歳の5年間で900万円にもなります。定年前のポジションやお給料にとらわれすぎずに、地道に収入を確保していきましょう。


 
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