投資信託/個人型確定拠出年金「iDeCo」とは

iDeCo徹底解説!第4回「運用商品を選ぶ」

節税効果について理解を深めたところで、第4回の今回は、個人型確定拠出年金(以下iDeCo)における運用商品について解説します。

篠田 尚子

執筆者:篠田 尚子

投資信託ガイド

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運用先として指定できるのは2つのカテゴリーの商品

iDeCoでは、「元本確保型」と「元本変動型」の2つのカテゴリーから商品を選択、組み合わせて運用を行います。

元本確保型商品とは、あらかじめ決められた金利で運用され、満期時に元本と利息が確保される安全性の高い商品を指します。具体的には、定期預金や保険商品などです。安全性を最重視する場合は、月々の掛金の運用先として、元本確保型商品を100%の割合で指定することも可能です。

一方、元本変動型商品とは、運用状況に応じて元本の変動がある商品を指します。現状、日本の確定拠出年金制度では現物株式を運用先として指定することができないため、元本変動型商品というと事実上、投資信託を指すことになります。足元の低金利環境では、定期預金や保険などの元本確保型商品だけでは、固定費としてかかる事務手数料(第5回で詳しく解説します。)を上回る収益の確保は難しいため、一部を投資信託に振り分けるなどのくふうも必要です。

アクティブとインデックスを理解する

投資信託の運用手法には大きく分けてアクティブとインデックスの2種類が存在します。アクティブは、ベンチマーク(運用の良し悪しを計る基準)として掲げられたインデックス(指数)を上回る運用成果を目指すのに対し、インデックスはベンチマークに連動した運用成果を目指します。

インデックス運用は、アクティブ運用のように銘柄選定に伴う調査費用がほとんどかからず、機械的に運用できるため、信託報酬を比較的低く抑えられるという大きなメリットがあります。それでもなおアクティブ運用という手法が存在するのは、現実の市場が理論通りにはいかないからです。アクティブ運用は、たびたび起こる大きな市場イベントや、市場の転換点を利用して収益の獲得を目指すところに最大の特徴があります。

一般的に、投資対象地域や資産の集中度合が高い国内株式や同不動産(リート)のようなタイプほどアクティブ運用による銘柄選定効果が働きやすく、投資対象地域や資産の分散度合が高いグローバル株式型や同債券型のようなタイプほどインデックス運用が相対的に良好な成績を収める傾向があります。

バランス型という選択肢も

なお、投資信託を複数本組み合わせるのが煩わしいと感じる方には、バランス型という選択肢もあります。バランス型は、株式、債券、不動産(リート)など、複数の資産を組み入れて運用を行う「オールインワン」タイプのファンドです。一般的に運用商品は、大幅な損失を出してしまうと、そのマイナス分を取り戻すために多大なエネルギーを要します。相場の急変時に元本を大きく割り込まないよう、資産配分を自動的に調整してくれるタイプの方が、中長期投資にはより適していると言えるでしょう。

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