高齢者は、「子・孫消費」の支出割合が高い!

総務省の「家計調査」をもとに、高齢者世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計支出について、2人以上の勤労者世帯の平均と比べると、3つの費目の支出割合が高いことがわかりました。以下は、2018年(平成30年)の調査結果で、金額ではなく、それぞれの消費支出全体に占める支出割合で比べたものです。
 
子・孫消費はほどほどにしておかないと、穏やかな老後を過ごせなくなる?

子・孫消費はほどほどにしておかないと、穏やかな老後を過ごせなくなる?



最も違いが大きいのは「保健医療」で、高齢者世帯は勤労者世帯の1.68倍でした。高齢になるほど通院や薬代などの医療費がかかりますし、健康を維持・増進するためのマッサージやサプリメントなどの費用もかかりますから、これは当然と言えるでしょう。

次は「光熱・水道」で1.21倍です。その理由は定かではありませんが、筆者は、体力の低下で寒さ・暑さに耐えにくくなっているためエアコンや暖房器具を使う機会が多いからだろうと推測しています。

3番目に注目したいのが「その他の消費支出」の1.15倍です。このうち「交際費」は1.91倍で、「保健医療」の支出割合より高くなっています。それは、子や孫の世帯など高齢者世帯外への金品の贈与などが高いことを意味しているとのこと。「子・孫消費」の割合が高いということですね(世帯全体で見ると子や孫がいる世帯ばかりではないので、これは、当然な結果ではありますが)。
 

今後の収入減・支出増に備えて節約を!

高齢者世帯の収入源は、公的年金が70~80%を占めています。それで足りない分は、主に貯蓄の取り崩しで補うことになります。

今後、少子高齢化で公的年金額は下がっていくのは必至でしょう。また、同じく少子高齢化で、公的健康保険と公的介護保険の保険料や自己負担額は上がっていくのも想像に難くありません。すると、必然の結果として収入減・支出増になります。つまり、家計費も物価も変わらないとしたら、貯蓄から取り崩す金額が増えるということ。

一方、平均余命は少しずつ延びていて、夫婦ともに90歳超、特に妻は90代後半から100歳超を想定した方がよさそうです。つまり、老後が長くなり、さらに、取り崩し額が増えるということ。余命が延びれば、要介護の期間が長くなり、介護費用がかかって取り崩しを早めることになります。

ですから、貯蓄取り崩しを少しでも減らすため、また、貯蓄を枯渇させないために家計費の節約をしましょう。「保健医療」と「光熱・水道」は節約しにくいでしょうから、せめて「子・孫消費」の節約を心掛けて。

なお、40~50代の子世帯は、親世帯のおサイフ事情を考えてお金を出してもらうようにしたいものです。親世帯の貯蓄が枯渇したら、子世帯が足りない分を補うしかなくなりますから。

※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。