「朝ごはん抜き」「朝食を食べない習慣」の理由は人それぞれ
朝ごはんを食べたほうがいいことは分かっているけど、朝は忙しくて食べる時間なんてありません……
皆さんは朝ごはんをしっかりと食べていますか? 眠い朝は誰もが「1秒でも長く寝ていたい!」と思うもの。朝食を食べた方が仕事の効率が上がると言われても、「朝から食欲がない」「食べる時間がない……」という人も多いようです。
他にも「朝は気持ちが悪くなるので、食べたくない」という意見も多く、残業続きのサラリーマンについては、残業後に食べた餃子とラーメンが胃に残っている気がして食欲がないということも……。
しかし、それでもやはり朝ごはんは食べるべき。朝ごはんを食べた方が「学業成績が良くなること」や「仕事の効率が上がること」は周知の事実なのです。仕事の効率がよければ、残業時間も減らせるかもしれません。残業時間は短いほうが、嬉しいですよね? 朝ごはんを食べるメリットについては、「朝ごはんを食べないのは絶対NG!理由と朝食習慣化のコツ」でも詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
「朝ごはん代わりにお菓子」と「朝食抜き」はどちらが健康的か
朝ごはんを食べる時間がないという方の中には、「ごはんを食べている時間はないけど、お菓子くらいなら食べられる」という方もいるかもしれません。しかし、お菓子は身体の栄養というよりも心の栄養になっているだけ。身体の栄養を摂りたい朝ごはんの内容としては、ふさわしくありません。ジャンクフードも同様です。身体の栄養に適しているのは、何といってもやはり食事なのです。では、寝坊して食事をする時間がない場合はどうすればいいのでしょう? 何も食べないよりは、お菓子でもいいから何かお腹に入れるべきなのでしょうか? それともお菓子を食べるくらいなら何も食べないほうがいいのでしょうか? 時間がないときの朝ごはんについて、考えてみます。
良いか良くないかは、お菓子の内容によりけりといったところ。「栄養補助食品(一例として挙げると『カロリーメイト』『SOYJOY』など)」のように栄養のバランスが考えられているものも「お菓子」と考えるのであれば、食べた方がいいでしょう。しかし、チョコレートやキャンディー、クッキー、ポテトチップスなどのいわゆる普通のお菓子を食べるだけでは、朝ごはんの役割は果たせません。他にも、菓子パンなどを朝食代わりに食べる人も多いようですが、こちらにもあまり価値はありません。
どうしても時間がないときや出張先でお店がないという緊急時には、ファストフード店の朝限定セットのように、多少なりとも栄養バランスの考えられたものを食べる方が、食べないよりはマシといえます。一方で、栄養補助食品やファストフード店のメニューは、普段朝ごはんを食べていない人の習慣づけにはおすすめ。ただし、管理栄養士としてはそれらを完全に習慣にしてしまうのではなく、徐々に「理想の朝食」を摂れるように工夫していくことだけは忘れないでいただきたいと思います。
朝ごはんを習慣化する3つのポイント
たとえ朝ごはんを抜かす日があったとしても、基本的には栄養のある朝ごはんを毎日食べるのが理想的。まずは、忙しい朝のどこにすきま時間があるのかを探すことから始めてみます。それぞれのタイミングで、食べやすい朝ごはんのメニューは変わってくるはずです。よくある3パターンを例に挙げて、考えてみましょう。
1. 自宅を出る前に、5分だけなら時間が取れる場合
自宅を出る前の5分ならというのであれば、予め作っておいた料理をレンジで温めるのが一番お手軽。出勤前の用意の行程を振り返ってみましょう。
例えば、朝の用意を「布団から出る」「着替える」「身だしなみを整える(メイクをする)」「忘れ物の確認」「出発」の順に行っているとします。では、この途中に「朝ごはんを食べる」を入れ込んでみます。
「布団から出る」「レンジに料理を入れる」「着替える」「朝ごはんを食べる」「身だしなみを整える(メイクをする)」「忘れ物の確認」「出発」といった具合に、レンジ加熱の間、キッチンで待っている時間を無駄にしないよう手順を変えるのです。できるだけロスタイムが発生しないように工夫してみましょう。レンジに入れるのを忘れた場合には、栄養補助食品の出番とすればOK。そこまで気負う必要はありません。
2. 会社の最寄駅に着いてから、30分くらいなら時間が取れる場合
ファストフードのお店やイートインのあるパン屋さん、24時間営業のそば店など、通勤途中に早朝でも食事のできるお店があるか調べてみましょう。
同じような時間に毎日通うことになるので、毎日同じような顔ぶれが来ていることに気づき、朝ごはん仲間ができる可能性もあります。仕事以外の仲間は余計なしがらみがないので、ありがたいものですよ。
3. 会社や学校に着いてからなら食べられる場合
社内で朝ごはんを食べる場合、同僚の目を気にせず食べられるものがいいでしょう。例えば、おにぎり、肉や野菜の串刺し、バナナなどは片手で手軽に食べられますし、会社のデスクもさほど汚さずに食べることができます。この場合、バナナだけは夜のうちにかばんに入れておき、おにぎりと肉や野菜の串刺しを途中のコンビニでささっと調達すれば、朝ごはんの時間はさほど費やさずに済むでしょう。
「朝ごはんを食べる」ことは健康にいいと分かっていても、どうしても睡魔に負けてしまうということもあると思います。可能であれば、椅子に座ってゆっくり朝ごはんを食べていただきたいところではありますが、忙しい現代においてゆっくり朝ごはんを食べられる人は少ないでしょう。そのためには、前日の夜の過ごし方から工夫をすることが有効です。健康に過ごすというのはまさに「24時間の使い方」なのです。時間を有効に使って、朝ごはんを食べて1日を元気に快適に過ごしましょう。
【関連記事】