マンション価格が高止まりする都心エリアや販売戸数の少ない希少エリアでは、自ずと中古マンションも購入対象として検討する必要が出てきます。後悔のない自分らしい中古マンション購入ために基礎知識を復習しておきましょう。
【中古マンション購入は、これから始めよう】
- Step1:3つのPで希望条件の整理
- Step2:購入予算の試算
- Step3:仲介会社と媒介契約を結ぶ
- Step4:自分でも探して依頼しよう
マンション購入は「3つのP」で考えよう!
「Place」「Plan」「Price」の「3つのP」で希望整理し、優先順位をつけてみよう。
あなたはどのようなマンションで暮らしたいでしょうか。思いつく希望の条件をすべて書き出し優先順位を付けてみましょう。その際、洩れや偏りを防ぐためのお勧めは、希望条件を「3つのP」で整理することです。
「3つのP」とは、Place(立地条件)、Plan(プラン/設備仕様)、Price(価格/費用)で、マンションに限らず不動産はこれら「3つのP」で構成されています。
例えば、あなたが「この沿線のこのエリアに住みたい」とPlaceにこだわりがあった場合、そのエリアに新築マンションの販売がなければ、中古マンションで最適なものはないかしら、と中古マンションを探すことになります。
「間取りや内装など住空間(Plan)にこだわりたい」のであれば、中古マンションを購入してリフォームをすることが、あなたの希望を満たす最短コースかもしれません。
さらに、「駅に近くて広めの新築マンションが良いとマンション探しをするけれど、購入予算と販売価格(price)が折り合わない」ということもあります。新築にこだわると都心から離れたり、最寄駅から遠くなったり、設備仕様や管理体制が低下したり、とあなたの希望条件から離れていってしまいます。
予算と販売価格を近づけるには、中古マンションという選択肢もあるのです。
「自分のこだわり」と「購入予算」を明確にすることが中古マンション購入のポイント
前項でお話したとおり、まずは希望条件を書き出し、そして優先順位をつけてください。中古マンションは、同エリア内であれば新築マンションよりも価格が低い傾向ではありますが、人気のエリアで新築マンションの供給がないエリアなどは、他エリアの新築マンションよりも高額なケースも多々あります。築年数は古いのに人気も価格も落ちないヴィンテージマンションの噂を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。価格が下がらない中古マンションはそれだけの理由があります。
中古マンションの良い点のひとつは、自分の目で見て確認できることです。あなたの希望条件と目の前のマンションをマッチングさせていくと、なぜ価格が高いのか安いのかなど目利きもできるようなります。まずは、希望条件を明確にすること、です。そして、自分の購入予算を具体的に試算し、無理の無い範囲で絞りこんでいきます。
では、自分の購入予算はどのように試算すればよいのでしょうか。最重要ポイントは「家計の把握」です。あなたは、家計簿をつけるなどして、日々のお金の出入りや、毎月の収入と支出を記録しているでしょうか。
自分に最適な購入予算は、家計で決まります。詳しくはこちらをご覧ください。
希望条件が明確になったら、仲介会社へ物件探しを依頼
中古マンションは、新築のようなマンションギャラリーはありません。多くの場合、中古マンションの売り主は個人です。個人と個人の売買契約をつなぐのが仲介会社です。町の不動産屋といった形態からフランチャイズの店舗、大手デベロッパーのグループ会社などもあり様々です。仲介会社へマンション探しを依頼するだけでは費用は発生せず、売買契約が決まった場合に仲介手数料を支払う「成功報酬」型です。また、売主である個人は、仲介会社と媒介契約を結んで依頼をしています。媒介契約には、「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の3種類がありますが、このうち「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」については、宅地建物取引業法により、不動産流通標準システム(レインズ)への登録が義務付けられています。
「不動産流通標準情報システム(REAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM)」とは、建設省及び当センターが共同で開発し、建設大臣から指定を受けた全国4箇所の不動産流通機構が運営している、不動産情報交換のためのコンピュータ・ネットワーク・オンラインシステムです。 会員不動産業者のパソコンと結び、登録された物件情報の検索ができる仕組みです。
中古マンションを売りたい人や買いたい人から、仲介会社に取引の相手方や住宅の検索に依頼があると、仲介会社はこのレインズを活用して相手方や物件情報を検索します。つまり、レインズに登録されている物件情報は、どの仲介会社でも共通となります。
■参考:成約価格を基にした不動産取引情報提供サイト
REINSを基に全国指定流通機構連絡協議会が保有する、実際に売買が行われた物件の価格(成約価格)等の取引情報を検索することができます。希望のエリアの取引事例を見てみましょう。
http://www.contract.reins.or.jp/search
仲介会社はどう選ぶ?
「中古マンションを買いたい」人の相談で多いのは「どの仲介会社を選べばいいの?」という内容です。希望のエリアの希望に叶うマンションをたくさん取り扱っている会社があれば、あなたは選びたい放題です。前項でお話したとおり、自宅を売りたい人が仲介会社へ売却を依頼すると、媒介契約を結ぶこととなります。そして、「専属専任媒介」は契約後5日以内に、「専任媒介契約」は契約後7日以内に、依頼された物件をレインズに登録しなければなりません。レインズに登録されると、他の仲介会社も物件情報を見ることができるため、情報が拡散されて買主が見つかる確率が高まり期間も早まります。
このようなレインズの仕組みを考えると、どの仲介会社に依頼しても結果はそう変わらなさそうです。ところが実際には、レインズに登録する前段階で売買が成立することもありますし、特定のエリアや特定のマンションの情報を多く持っていて、取引事例も多い、そのような仲介会社もあります。希望のエリアやマンションが絞られている場合は、媒介契約の前に、仲介会社へ取引事例をヒアリングしてみることも大切です。
そして何よりも、誠意を持って住宅探しをサポートしてくれる仲介会社であり、担当者であって欲しいです。不動産の売買にあたっては、多くの個人情報を提供することとなるため、信頼できる相手であることは必須条件。あなたがシングルの女性であれば、なおさらではないでしょうか。相性も大切です。
中古マンションは自分でも探そう!
中古マンションも自分らしく選びたい。
中古マンションは足が速く、人気のものはすぐに売れてしまいます。先にお話したようにレインズに登録される前に買い手がついてしまうこともしばしば。希望のエリアを歩いて、希望条件に合うマンションを探してください。候補となるマンションが見つかれば、仲介会社へ「○○マンションを希望するので、売り出しがあれば一番に知らせて欲しい」などとオーダーができます。
中古マンション購入のメリットは、現物を自分の目で見て確認できることです。住環境、管理体制、住民の様子などもわかります。あなたの希望条件とベストマッチングするマンションとぜひ巡り会ってください。
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