個人型DCの運営管理機関は140以上
どの運営管理機関を選び、コストを減らすかがポイントになります
ただ前述したように、個人型DCの運営管理機関は140以上もあります。その内訳は銀行、証券会社、保険会社、信用金庫、労働金庫などさまざまです。恐らく「近所の、いつも給与振込の指定口座に使っている銀行の窓口で相談すればいいや」、などと考えている方もいらっしゃるでしょうが、運営管理機関によって各種手数料などのコストや、運用商品には違いがあります。後になって後悔しないためにも、運営管理機関はしっかり選びましょう。
大事なのは月々のコスト
運営管理機関選びのポイントは、手数料などのコストです。大きく3つのコストがあります。加入時に支払う初期費用、月々の掛金から払う手数料、そして投資先として投資信託を選んだ場合は、個別ファンドごとに決められた信託報酬が掛かります。初期費用は、国民年金基金連合会に支払う2777円が共通しており、最低この額はどの運営管理機関に口座を開いてもかかります。これに加えて、運営管理機関独自の手数料を上乗せするところがあります。多くの運営管理機関は独自の手数料を取らず、国民年金基金連合会に支払う2777円のみに設定していますが、山梨中央銀行のように6017円という高額なところもあります。
月々の手数料は、国民年金基金連合会に月103円、信託銀行に月64円が定額で、これらに加えて運営管理機関手数料が掛かります。これらの合計金額が、安いところだと167円、高いところだと642円になります。つまり167円にしているところは、運営管理機関手数料を取っていないことになります。
これらのコストは安いに越したことはありませんが、なかでも継続的に徴収される月々の手数料は、できるだけ安い運営管理機関を選ぶべきでしょう。具体的な事例を挙げて考えてみましょう。
個人型DCで今後、加入が増えると期待されている第三号被保険者(専業主婦)の場合、月々の拠出限度額は2万3000円です。もし、月々の手数料が642円だったら、拠出限度額いっぱいまで掛けたとしても、コストの料率が2.79%にもなります。これでは、いくら信託報酬の低いインデックスファンドで運用したとしても、1年を通じて大きなコスト負担を強いられます。当然、運用には不利になります。
キャンペーンもチェックしよう
ちなみに、これらのコストについてはキャンペーンなどによって、大幅に引き下げているところもあるので、実際に加入する際には、それらの情報にも注意しておきましょう。たとえば、りそな銀行は2017年1月から、月額316円の運営管理機関手数料を2年間無料にするのと同時に、2年後以降も掛金引き落とし口座をりそなグループに指定すれば、運営管理機関手数料を年額648円割り引くというキャンペーンを実施しています。同じく、岡三証券は2016年10月1日以降、月額162円の運営管理機関手数料を無料にしています。
運営管理機関選びは、まず月々のコストをどこまで安くできるかという点を最優先で重視するようにしましょう。