ジャケットの上に着るコートやアウターはどう選ぶ?
どんなに高級なアウターであっても、インナー次第で残念な印象になりかねません。また最近は、ユニクロのヒートテックをはじめ、機能性下着の浸透によって「冬コーディネートの基本公式」は大きく変わり、コート・ダウンなど、アウター次第で合わせるインナーも変わりました。そこで、知っておくと無駄買いやコーディネートの迷いがなくなり、アウターが魅力的に見える「冬のコーディネート術」を教えます。
<目次>
ジャケットの上に着るコートには、役割ごとに2種の分類がある
「お気に入りのアウターを手に入れたけれど、合わせるインナーがわからない……」ということはありませんか?たとえば、ダウンジャケットのコーディネート。ダウンジャケットは短い着丈デザインが多く、ジャケットの裾がはみ出してしまいます。インナーにテラードジャケットを合わせるのには向いていません。そもそものネーミングからわかるように、ダウンジャケットは「ジャケットの役割を果たすアウター」です。私は、コート・ダウンなどのカタチではなく、役割によってアウター全般を2種類に分類しています。
- テラードジャケットの上に着るアウターを「オーバーコート」
- テラードジャケットの役割も果たすアウターを「アウターコート」
と呼びます。 実は、アウターのサイズ感と役割を理解することで、インナーの種類は必然的に決まっているのです。
ジャケットの上にコートを着るコーデは寒さ対策にもなる
これまで、寒さをしのぐ着こなしといえば、「重ね着のコーディネート」が主流でした。それに加え、近年幅広く浸透した機能性下着の保温効果を利用した「熱を逃がさないコーディネート」も主流になっているのです。先ほどの2つのアウターの公式に当てはめると、基本的には、
- テラードジャケットの上に着るアウター:オーバーコートを着る→「重ね着」のコーディネート
- テラードジャケットの役割も果たすアウター:アウターコートを着る→「熱を逃がさない」コーディネート
となります。両者の着こなしの上での違いは一体何か?その違いは、アウターのサイズ感にあります。まず、「重ね着のコーディネート」は、アウターのサイズ感がピタッとし過ぎず、ジャケットより長めの丈であることが重要です。スーツのテラードジャケットやカジュアルジャケットなどの上に着ることを想定しているためです。
一方、「熱を逃がさないコーディネート」では、保温性を高めるため、ピタッとしたサイズ感が求められます。アウターやインナーのサイズ感をピタッとさせることで熱を逃がさないようにするのはもちろん、細身でスタイリッシュな印象を演出できます。
「ニットソー」の躍進でアウターコートコーデがよりスタイリッシュに
さらに、インナーの進化も見逃せません。最近、一枚で着られるチクチクしないセーターを見かける機会が増えていませんか?手触りが良い「ニットソー」と呼ばれるこのアイテムは、「シャツ」と「セーター」の役割を同時に果たしてくれるインナーです。「熱を逃がさないコーディネート」をするとき、インナーにはニットソーやハイネック、タートルネック。もしくは、カジュアルシャツにニットやスウェットを合わせる着こなしが選択肢になります。
チェスターコートなどを中心とした、ピタッとしたカジュアルコートや、密閉性があり丈が短めなものが多いダウンテラードジャケットは、インナーが薄手ですっきりとしていたほうが着やすく、コーディネートもスタイリッシュにまとまります。一方、テラードジャケットの上にオーバーコートを着る「重ね着のコーディネート」では、テラードジャケットを着ることを前提としているため、インナーはカットソー、ニットソー、カジュアルシャツを合わせる着こなしが選択肢になります。
ところが、近年はこれらの2パターンの着こなしに加え、「第3のコーディネート」が提唱されています。
第3のコーデ「インナーダウン」は本当に流行るのか?
「第3のコーディネート」とは、ここ数年提唱されている、インナーダウンのスタイルのこと。コートやテラードジャケットのインナーとして、「ダウン」を取りいれるこのスタイルは、セレクトショップのみならず、ユニクロをはじめとしたファストファッション、また、一般的なツープライススーツ量販店のカジュアルコーナーにも置かれています。
現状ではまだ、インナーダウンを実際に取り入れている男性を見かける機会はそんなに多くはありません。インナーとしてダウンを取り入れるアイデアに、まだユーザーが追い付いていないように私には見えます。しかしながら、数年後「インナーダウン」が冬の主流になっているかもしれません。引き続き、目が離せない新しい着こなしとなっていくのではないでしょうか。
【関連記事】