人生、卒業が近づくと、やはり身体的な能力は低くなっていく。これといった障害の無い方でも、クルマ椅子のお世話になったり、クルマに乗るときは介助を必要としたりするケースが出てくるだろう。かくいう私も、家庭環境を考えれば、そろそろ『福祉車両』と呼ばれる乗降アシスト付きの車両を購入対象にしなければならない。
ホンダ・フリードの福祉車両で選べる3つのタイプ
そんなことから数年前から取材を開始したのだけれど、先日発売されたホンダ・フリードを見て「よく考えてありますね」と感心した。福祉車両には三つのタイプがある。一つはリアゲートを開き、そこからクルマ椅子に座った状態で乗るというもの。このタイプ、クルマ椅子に座ったまま移動できるという大きなメリットを持つ。
二つ目は助手席に座るというタイプ。写真のように助手席が横方向に向きを変え、車体の外側まで出てくる。クルマ椅子に乗った状態で助手席まで行き「よいしょ」と座れば、後は電動で助手席の位置まで動く。クルマ好きのお年寄りだと助手席を好む。私がクルマ椅子のお世話になる時は、ぜひこのタイプをお願いしたいと思う。
三つ目が後席。写真のように動きとしては助手席と同じ。後席が横を向き、外側に出てくる。クルマ椅子で横までアプローチし「よいしょ」と座り変えればOK。体力的に弱ったお年寄りや、ヒザなどに痛みを持つため歩行は出来ないケースでも、クルマ椅子から座り変えるくらいなら自分で出来るため、十分役立つ。
普通、この3つのタイプは車種によって「選べる場合と選べない場合」がある。一般的に乗用車タイプだと天井高の問題で「クルマ椅子のまま乗り込む」ことは出来ない。したがって助手席に乗り込むタイプのみ。また車高のあるミニバンであっても、リアゲートから乗り込むタイプか、助手席に座るタイプ。三つとも選べる車種は限られてしまう。そんな中、フリードは3つのタイプ全て選べるから嬉しい。
必要とあらば、福祉車両の購入は躊躇しなくていい
価格も“ほぼ”同じ。リアゲートから乗り込むタイプで244万円。助手席タイプ240万円の後席タイプ238万円といった具合。参考までに書いておくと、ベースとなったフリード+の『G』というグレードは消費税込みで200万円。後席タイプならこの時点で38万円差ながら、3%の取得税も免税になる。その他、自動車税の免税など含めて考えると、5年乗った時の実質的な負担額の差は25万円程度まで縮小。さらに5年後に乗り換えるべく下取りに出すと福祉車両は中古車市場でも人気あるため確実に25万円以上高い買い取り値を付けてくれる。
以上、もし家族に福祉車両が必要な状況になったり、なりつつあった場合、ためらうこと無く購入を考えたらいいと思う。福祉車両は使ってみると驚くほど便利で、気軽に外出も出来るようになるから嬉しい。もちろん軽自動車の福祉車両だってあるけれど、実用的かつコストパフォーマンスを考えればフリードクラスをすすめたい。
■最近の記事
新型フリード発売!シエンタとどちらが魅力的か?
アクセラ1500ccディーゼルは燃費でプリウスに勝てる?
新型インプレッサは自信を持って「お買い得」と言える