長寿国・日本。ゆえに、要介護認定者は増え続ける!
日本は世界有数の長寿国なのは、みなさん、承知していますよね。長生きするのはいいのですが、介護が必要になる要介護認定率が高まるのは、致し方ないことでしょう。要介護認定率とは、ある年齢層のうち、何%の人が公的介護保険の認定を受けているかという割合です。厚生労働省(2019年6月審査分の介護給付費等実態統計)と、総務省(2019年6月の人口推計確定値)のデータから推計すると、65歳~69歳では2.9%、70歳~74歳では5.7%、75歳~79歳では12.7%、80歳~84歳では27.8%、85歳以上は60.0%、90歳以上は75.4%と、年齢の上昇とともに要介護認定者は増えていることがわかります。
原則65歳以上で公的介護保険の要介護など(要支援含む)の認定を受けると、1割(所得が一定以上の人は2割または3割)の自己負担で介護サービスが受けられます。公的介護保険が適用されないサービスを受けると、その分は全額が自己負担になります。介護費用の多くの部分は公的介護保険から給付されるわけですが、その自己負担分も含めて、いくらくらいかかるのでしょうか?
介護費用はあなどれない!
介護にかかる費用は、住宅のリフォーム(段差の解消、手すりの設置など)や福祉用具の購入費などの一時的にかかる費用と、その後、毎月かかる費用に分けられます。生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(平成30年)」によると、一時的な費用の平均は約69万円、毎月かかる費用の平均は7.8万円でした(公的介護保険の自己負担分を含む)。同調査による介護期間の平均は、4年7カ月(55カ月)です。この2つの数字を用いて介護費用を計算してみると――。
69万円(一時的な費用)+7.8万円(毎月かかる費用)×55カ月(介護期間)=498万円
1人約500万円、夫婦2人なら1000万円です。この金額はあくまで平均なので、実際にはこんなにかからないかもしれないし、もっとかかるかもしれません。要介護度が高く、介護期間が長くなるほど、かかる費用も大きくなっていきます。
いずれにせよ、公的年金で生活費の一部として賄える金額ではないと考えておいた方がよさそうです。「あなどるなかれ!介護費用」です。老後の生活費に加えて、介護費用は別に確保するようなライフプランを立て、しっかり準備したいものです。
※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆
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