鎌倉・北鎌倉 秋の花咲く名所はココ!

東慶寺のシュウメイギク

東慶寺に咲き乱れるシュウメイギク

鎌倉・北鎌倉の花散歩といえば、「春」という印象があるかもしれませんね。実は、秋に咲く花もいろいろあります。北鎌倉・鎌倉界隈の、主な秋の花の名所をご紹介します。

※( )表示のないところは北鎌倉、( )内エリア表示は北鎌倉以外の場所です。
ハギ…9月ごろ
海蔵寺(亀谷坂切通を抜けた鎌倉側)、宝戒寺(鎌倉)
リンドウ…10~11月ごろ
東慶寺、海蔵寺
ジュウガツザクラ…10月ごろ
東慶寺、瑞泉寺(鎌倉)
シュウメイギク…10月ごろ
浄智寺、瑞泉寺(鎌倉)
紅葉…11月下旬~12月ごろ 東慶寺イチョウ、円覚寺モミジ、名月院モミジ、建長寺モミジ、長寿寺モミジ※特別公開期間に注意、鎌倉宮モミジ(鎌倉)、荏柄天神社(鎌倉)
秋の山野草をいろいろ楽しめるところ
…円覚寺松嶺院

北鎌倉には、秋の花の名所がたくさんあります。風情ある秋の花々をうっとり愛でながら歩く……そんなとっておきのコースをご案内しましょう。


円覚寺・松嶺院 かわいらしい山野草の花々がたくさん!

JR北鎌倉駅から、まずは円覚寺へ。杉木立を抜けると、壮麗な山門に迎えられます。
山門

壮麗な山門。夏目漱石の小説『門』にも登場しました

鎌倉五山第二位の、風格あるお寺。ご本尊にお参りして、花散策へ出かけましょう。

9月ごろなら、仏殿向かって左手に、フヨウが咲いています。同じ株から、赤い花と白い花が一緒に咲いているのは、スイフヨウ。
白い花が次第に赤くなるスイフヨウ

白い花が次第に赤くなるスイフヨウ

最初は白い花が咲き、しぼんでいくに連れて赤くなる様子を、お酒に酔う様子にたとえ「酔芙蓉」の名となりました。遊び心のある楽しいネーミングですね。

もしその左手の松嶺院が開門していたら、ぜひ訪れましょう。秋は9月中旬~12月初めまで公開され、拝観料100円を収めるとお庭を拝観できます。
境内にはさまざまな山野草が植えられ、花々を愛でながらそぞろ歩くのが楽しみ。

こちらはダイモンジソウ。その名のとおり、大の形をしたかわいらしいお花です。
ダイモンジソウの花

「大」の形のダイモンジソウの花

シオンの、背の高い薄紫の花も壮観です。
松嶺院のシオン。手前はドウダンツツジの紅葉

松嶺院のシオン。手前はドウダンツツジの紅葉

松嶺院は、円覚寺150世・叔悦禅懌(しゅくえつぜんえき)の塔所(高僧の墓所)。階段を上り、墓地を通ると、昭和の大女優・田中絹代や、作家・開高健の墓などもあります。

楚々と咲くジュウガツザクラを眺めて階段を下り、松嶺院を後にしましょう。

妙香池や、国宝・舎利殿のある正続院の前を経ていくと、茅葺屋根の仏日庵があります。この円覚寺の開基である北条時宗らをまつった、塔頭(たっちゅう=子院)です。この円覚寺は、鎌倉時代、元寇で亡くなった人々の魂を、敵・味方分け隔てなくまつろうと、北条時宗が創建しました。元寇は、今の中国に当たる元の軍に攻め入られたものの、2度にわたる「神風」が起こり元軍の船が沈没するなどし、日本が勝利を収めた戦いです。茅葺の開基廟の正面には、穏やかなお顔の北条時宗像がまつられています。

さらに奥へ登っていきましょう。黄梅隠には、秋の野の花として知られるホトトギスの花などに出会えます。
ホトトギスの花

ホトトギス。秋の鎌倉ではあちこちで出会えます

花びらの斑点模様が、鳥のホトトギスに似ていることからついた名です。鳥のホトトギスは、早口言葉の「特許許可局」と聞こえる声で鳴き、6月ごろは鎌倉の山にも、よく鳴き声が響きます。ホトトギスは鎌倉の山に自生しているので、この花を覚えるといろいろなところで出会えて楽しいですよ。

9月ごろなら、ムラサキシキブの薄紫色の実もなっていることでしょう。風雅な色合いで、秋の趣を演出してくれます。
コムラサキの実

コムラサキの実

社寺でよくみられるこの種類は、詳しくいうとコムラサキと呼ばれる、実がぎっしりつく小ぶりな木。鎌倉の山には、ムラサキシキブが自生していますが、こちらはもっと樹高が高く、実もまばらにつきます。

黄梅院を出たら坂を下って戻り、左手に抜けて方丈前へ。もし方丈が公開されていたら、ぜひ上がらせていただきましょう。広々とした大広間のお堂にお参りしたら、後ろの回廊から、池の配されたお庭を眺めてほっと一息つくことができます。

方丈を出て唐門を抜けると、ノボタンの鮮やかな紫色の花が。ハッとするような印象的な色、ブラジル原産の植物です。
ノボタンの花

鮮やかな紫色のノボタンの花

秋の境内を満喫したら、道を下り、円覚寺を後にしましょう。

<DATA>
■円覚寺
住所:鎌倉市山ノ内409
TEL:0467-22-0478
アクセス:JR北鎌倉駅より徒歩1分
拝観料:大人300円/小・中学生100円
ホームページ


東慶寺 咲き乱れる花々やカラフルな実にうっとり

石段を登って、趣ある茅葺の山門をくぐりましょう。石段の横で、10月ごろならリンドウが迎えてくれることでしょう。
リンドウの花

鎌倉市の花でもあるリンドウ

花々を楽しみながら、奥へ進んで。本堂の前には、11月ごろ、青いリンドウが一面に咲きます。リンドウは、鎌倉市の花でもあるんですよ。ピンクの金平糖のようなヒメツルソバの花も。こちらはヒマラヤ原産の植物で、最近はまちのあちこちでもよく見かけます。
東慶寺の本堂

東慶寺本堂。秋にはお庭にリンドウやヒメツルソバが

かつては駆込み寺と呼ばれた東慶寺。かつては夫婦がつらい仲にあっても女性からの離縁はできませんでしたが、鎌倉幕府第8代執権の北条時宗の妻・覚山尼が、この寺に一定期間在寺をすれば離縁が認められるという「縁切寺法」を定め、多くの女性を救いました。今では四季折々の花が美しく咲く、花の寺としても知られています。

宝蔵手前・金仏さまの像の背後で足元を見ると、10月ごろなら、色とりどりの宝石のような実がなっています。これはノブドウの実。
ノブドウの実

色とりどりの宝石のようなノブドウの実

緑→紫→紺と、色が次第に深く変わっていきます。目をみはる美しさですが、食べることはできないのだそう。

宝蔵の前には、10月ごろ、シュウメイギクが咲き乱れます。
宝蔵前に咲くシュウメイギク

宝蔵の前で美しく咲き乱れるシュウメイギクの花

漢字では秋明菊と書きますが、キクの仲間ではなく、アネモネの仲間。一重の花はすべすべした花びらで、砂糖菓子・シュガーフラワーを思わせる造形美があります。秋にはいろいろな社寺で出会えるお花です。

奥へ進むと、井戸の先に、10月ごろ、ジュウガツザクラが咲きます。粉雪が舞うような、楚々とした風情。
ジュウガツザクラ

粉雪が舞うように咲くジュウガツザクラ

東慶寺では、宝蔵では文化財などの展示が行われ、ショップもあります。門前にはギャラリーがあるほか、山門脇の掲示やホームページを拝見すれば、一般の人が体験できる、挿し花・香道やお茶会のご案内もあります。奥ゆかしい和文化の体験も、すてきですね。

<DATA>
■東慶寺
住所:鎌倉市山ノ内1367
TEL:0467-33-5100
アクセス:JR北鎌倉駅より徒歩4分
拝観料:大人200円/小・中学生100円
ホームページ


浄智寺 楚々と咲くシュウメイギクに出会い布袋さんに元気をもらって

車道を進み、右手に入って浄智寺へ。

9月ごろなら、甘露の井のそばに、タマアジサイが咲いていることでしょう。その名のとおり、つぼみが丸い玉の形をしています。この玉がパカッと割れて、中から薄紫のお花が出てきます。鎌倉の山にも自生していて、8月~9月ごろと、一般的なアジサイより、遅めの時期に見ごろを迎えます。鎌倉に似合う、奥ゆかしい色の花です。
甘露ノ井の脇に咲くタマアジサイ

甘露ノ井の脇に咲くタマアジサイ

やさしい曲線を描く、風化したかまくら石の石段を登っていきましょう。門の脇には、ススキが穂を揺らしています。よく見ると、葉は斑入り。神社などでいただく破魔矢(はまや)についた白い羽のような形で、矢羽(やはず)ススキなどと呼ばれています。
鐘楼門の脇に矢羽ススキが

風情ある鐘楼門の脇に矢羽ススキが

ススキのそばには、紅色の花をつけてしだれるハギも。

仏殿でご本尊にお参りをしましょう。左から、過去・現在・未来を現す、阿弥陀さま、お釈迦さま、弥勒さまがまつられています。浄智寺は、鎌倉五山第4位の格式高いお寺です。

境内の奥へ回っていきましょう。茅葺の書院を背景に、10月ごろなら赤いシュウメイギクが咲いていることでしょう。八重咲きのシュウメイギクは、アネモネ科とはいえ、名前のとおりキクに似た姿。細長い茎の先についた花は、たおやかで印象的です。
浄智寺に咲くシュウメイギク

浄智寺のお庭に咲くシュウメイギク

竹林や岩のトンネルを抜けていけば、鎌倉・江ノ島七福神の1つ、布袋さまに出会えます。ユーモラスな表情の福の神。たっぷりしたお腹をなでると、元気がもらえるそうですよ。
布袋さまの像

布袋さま。お腹をなでて、元気をいただきましょう

入口に戻り、門を出れば、山の斜面に自生するタマアジサイの花々が。山の緑に包まれた、しっとりとした風情が、心を癒してくれそうです。

<DATA>
■浄智寺
住所:鎌倉市山ノ内1402
TEL:0467-22-3943
アクセス:JR北鎌倉駅より徒歩8分
拝観料:大人200円/小・中学生100円
YAHOO!地図


長寿寺 お堂に上がり、心静かにモミジ色づくお庭を眺めて

もし下記の期間中で長寿寺が特別公開されていたら、ぜひ訪れてみてください。浄智寺を出てさらに道を進み、亀谷坂切通(かめがやつざかきりどおし)手前の、右手の階段の上に、茅葺きの山門がたっています。

コケの配されたお庭を抜け、本堂へ上がって心静かにお参りを。
コケのお庭を抜けて本堂へ

コケのお庭を抜けて本堂へ

長寿寺は、足利尊氏の子・初代鎌倉公方の足利基氏により創建されたと伝えられます。
モミジの木々が美しいお庭

モミジの木々が影を落とす、美しいお庭

本堂や書院の中を、拝観することができます。赤い毛氈(もうせん)に座って心静かにお庭を眺めるうち、心もゆったりと解放されていくことでしょう。
長寿寺のお堂の中

お堂の赤い毛氈に座って心静かにお庭を眺めるひとときを

お庭を廻っていきましょう。足利尊氏の墓といわれる石塔や竹林を拝見できます。10月ごろなら、 シュウメイギクや、しだれるハギの花に、秋の情趣を感じて。11月末~12月1週ごろなら、赤く色づくモミジを愛でることもできるでしょう。
長寿寺の白いシュウメイギク

長寿寺の白いシュウメイギク

<DATA>
■長寿寺
住所:鎌倉市山ノ内1503
TEL:0467-22-2147
アクセス:JR北鎌倉駅より徒歩10分
拝観料:300円
特別公開期間中のみ拝観可:
春=4月第1週~6月末 秋=10月第1週~12月第1週
いずれも金・土・日曜、祝日のみ 10:00~15:00 雨天中止
YAHOO!地図

……メジャースポットは外せない!という方は、長寿寺前の大通りをさらに進み、建長寺などを経て鶴岡八幡宮にお参りし、小町通りから鎌倉駅に至るコースもいいですね。

芸術の秋、北鎌倉界隈の美術館でアートにふれるのもすてき。
心癒されるアートに出会う!北鎌倉の美術館巡り

まだ歩けそうなら、亀谷坂切通(かめがやつざかきりどおし)を経て、鎌倉の奥座敷・海蔵寺に抜ければ、ひっそりとした静かなお寺で9月ならハギ・10~11月ごろならリンドウのほか、ホトトギスなどを楽しめます。海蔵寺を出たら小町通りを抜けて鎌倉駅に出るのも、穴場感&変化たっぷりの充実コース。
北鎌倉~鎌倉散策 季節の花やお寺をたどる穴場コース

北鎌倉界隈は、秋の情緒を味わいながら花をたずねて歩くのにぴったりの場所。ぜひ訪れて、花々にやさしく癒されるひとときを楽しんでくださいね。


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