貯蓄/貯蓄できない人のための貯め方

30年後に実を結ぶ!たった3つのお金の知恵

今の日本の経済状況は不安でいっぱい。賃金は思うように上がらないし、年金も自分たち世代は負担ばかりでもらえないんじゃないか。消費を我慢して節約に励むしかない。そう思っている若い世代は多いことでしょう。でも嘆いてばかりいても、始まりません。自分の将来は自分で作る。そのためにどうしたらいいのか、たった3つのことを覚えておいてください。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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お金を貯めるのは、ずっと続くこと。だから続けやすいやり方で

新型コロナウイルスによって、私たちの生活は一変しました。働き方が変わり、収入が減少、お金の使い道も以前と変わったという人は少なくありません。特に収入に関しては、自分の力では、いかんともしがたく、旅行を我慢し、外食を控えている分、自炊や中食で食事のストレスも抱えているかもしれません。
自分の将来は自分で作る

自分の将来は自分で作る



このような状況下では、収支が赤字にならないように家計を組み直さないといけません。貯蓄は二の次となってしまうことでしょう。コロナ禍の収束が見通せない今は、やむを得ないかもしれません。
 
それでも、お金を貯めることは、長い人生を生き抜くため、誰もが必要なことに変わりはありません。今は無理だとしても、コロナが収まれば、貯蓄ができるようになるのでしょうか。1年後には、貯蓄できるようになるのでしょうか?

収入が思うように上がらなければ、結局は1年後も同じような生活をしているかもしれません。収入が少ないことをお金が貯められない理由にしている限り、いつまでたってもお金を貯められるようにはなりません。

若いうちにお金を貯めることを意識できないと、収入が上がっても、上がったら上がった分、使ってしまい、結局はいつまでたっても貯蓄ゼロ、という悪い習慣が身に付いてしまうだけです。

お金を貯めることは、金額の多寡ではなく、貯める習慣を身に付けることでもあります。社会人になって収入を得るようになってから、老後まで30年以上あります。その間、きちんとお金を貯めることができていれば、漠然と老後資金に不安を感じることもなくなるでしょう。

お金を貯めるのは、今だけではありません。何歳になっても必要なことなのです。これからの時代、定年退職がお金を貯めるゴールではありません。定年退職後もお金を増やす必要があるのです。

長い期間、お金を貯め続けるには、続けられる方法を選ぶことです。余裕があるときだけ特別なことをするのではなく、当たり前のように、さらに言えば、日常生活から忘れてしまうような方法です。

それが「積み立て」です。勤務先の貯蓄制度、確定拠出年金、銀行の積み立て預金、積み立て投資。積み立てにもいろいろな方法があります。まずは、収入から天引きできる方法で、ベースとなる積み立てを始めるといいでしょう。貯蓄分が天引きされて振り込まれた収入が、その月に使えるお金であると、当たり前に思えれば、欲しいものを我慢している、旅行にも行けない、そんなマイナスイメージを持つことからも解放されるはずです。
 

お金を貯める方法は基本と応用。時代で変わる情報をキャッチ

お金を貯める基本は「積み立て」。これ以外にミラクルな方法はありません(積み立てに勝る貯蓄の王道はない)。ただし、時代によって「積み立て」の方法は変わってきます。

今のようなマイナス金利政策が続く限り、銀行の預貯金では確かにお金を増やすことはできません。

10年預けたら2倍になった時代もありました。「親の世代はいいよね、景気が良かった時代にお金を増やせたんでしょ?」

そう嘆いても過去に戻ることはできません。今は、今の状況で、何がいいのかを選び取れる知識を身に付けることが重要です。

預貯金だけではなく、これからは「積み立て投資」を積極的に取り入れていくことも考えてみましょう。安心、安全な預貯金で十分だった時代は、お金の知識は必要なかったかもしれません。預けておくだけでよかったのです。今は、少しのリスクを取りながら、預貯金以上の結果を出していくことが求められています。それだけに、お金の知識を時代とともに更新していかなければならないのです。

お金の知識を更新していく、いかないで、30年後には大きな差が出てくるでしょう。
 

失うお金、もらえるお金があることを知っておく

お金を貯めると同時に、「失っているお金」があることにも気づいてほしいものです。いくら頑張って積み立ての金額を増やしても、その一方で、無駄に支払っているお金があっては、あまりにももったいないことです。

たとえば、ATM利用料、振込手数料。いまだにお金を引き出すのに手数料を払っている、という人はいませんよね。うっかり時間外であっても利用料がタダ、振込手数料も条件次第でタダ、こうしたサービスを知っていることは、もはや常識と考えましょう。預金金利がゼロに等しいのに、1回の時間外利用料で110円払うなんてことはバカげています。

こうした金融機関のサービスは、今後大きく変わってくる可能性が高いでしょう。特に手数料に関しては、大手銀行で見直しの方針を打ち出しています。これからは、情報のキャッチアップがとても重要になってくるでしょう。

さらに、通常は預貯金金利にも20%の税金(ほかに復興特別所得税0.315%。以下同)がかかります。投資で得た利益にも20%が課税されます。しかし、財形貯蓄制度やNISA(少額投資非課税制度)、つみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)といった公的な制度を使えば、非課税になるのです。使える制度があるのに使わないで、利子で20%の税金、投資の利益で20%の税金を支払っているのは、本当にもったいないこと。

また、公的な制度には、「申請」することで「戻ってくるお金」があります。高額療養費制度、医療費控除、住宅ローン控除、出産手当金、児童手当、バリアフリー工事、ペットの去勢手術……。数えあげたらキリがありません。それぐらい日常の生活にかかわるすべてのことに、なんらかの補助や免除、控除といった優遇措置が設けられているといっても過言ではありません。

日頃は意識していない人も多いでしょうが、少なくとも一度、自分の住んでいる市区町村の制度を確認してみるといいでしょう。思いのほか、該当する項目があるものです。ただこうしたものは、基本的には「申請」すること。自動的にお金が戻ってくるものではありません。

コロナ禍によって、さまざまな減免措置、給付、キャンペーンが実施されていますが、これらも自らが申請することによって、適用されるわけです。普段、公的機関に申請をしたことがない人も、「申請」することの意味を実感したのではないでしょうか?

該当するのに、知らなかったために、みすみすもらえるお金をもらえなかった。実にもったいないことです。こうしたことも、お金の知識があるかないか、お金の情報をタイムリーに得られるかどうかで、30年という長い期間のうちに差がついてしまうことでしょう。

お金を貯めることは、難しいことではありません。「積み立てで貯める」「失っている無駄なお金をなくす」「申請すれば戻ってくるお金がある」ことを知り、お金に対する意識を変えること。意識できるか、これが重要なのです。今は不完全であっても、長く続けること、時代時代で情報をキャッチすること、公的な制度を知ること。この3つで30年後の自分を安心させてあげましょう。

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