1万円は給料の何%? コーヒー1杯は本当に350円?

米ドルに換算すると?他国の所得水準からすると?という話ではありません。今回、考えたいのは、自分の行動パターンや自由に使えるお金の額によって、1万円の価値が変わってくるという話です。
 
1万円は給料の何%?

1万円は給料の何%?



嫌なたとえかもしれませんが、年収1000万円の人にとっての1万円と、年収300万円の人にとっての1万円では価値が違うと思いませんか。

筆者は2013年に東京から沖縄に移住しましたが、お金の価値基準は、東京で暮らしていたときと大きく変わりました。働き方や年収の違いもありますが、それ以上に、1万円を使うことの意味が変わったのです。

まず大きな違いは、お財布の現金がなくなるスピードが変わりました。公共料金などの口座振替を除き、食品、ガソリン、その他生活雑貨と大きく3つに支出項目を分け、それぞれクレジットカードを使い分けて、簡易な家計管理をしています。それに漏れるものが、現金で出ていくものです。東京で暮らしていたときは、財布に入っている現金が次々となくなっていきました。そう、外食やちょっとした買い物でなくなっていくのです。しかし、沖縄に移住してから現金がなくなるスピードが格段に落ち、お財布の中の1万円が長く滞在してくれるようになりました。

大きな要因は、カフェやコンビニに立ち寄らなくなったこと。ここ沖縄でもスターバックスは進出しており、若年層もよく利用しています。1杯363円のスタバのコーヒー(トールサイズ、税込み)は、東京でも沖縄でも同じ363円のコーヒーです。しかし、お金の価値はまったく違います。給与水準から考えると、沖縄で買うスタバのコーヒーは1杯537円と捉えることができます。(※)

そんなに高いコーヒーをどうして沖縄の若い子たちは買えるのだろうと、常々疑問に感じています。これは沖縄に限らず、自分の給与水準と比較して、本当にカフェのコーヒーにそれだけの価値があるのか、と問い直してもいいのではないでしょうか。

同じように、生活に関わる全てのものは、基本的には同一価格で提供されています。同じ商品をいかに安く買えるかで価格は当然違ってきますが、ここでいう意味は、安い価格情報を手に入れた人や割引の条件に合えば、みんな同じ価格が提示されているのです。スーパーで特売の牛乳を誰でも同じ値段で買えるということです。そう考えると、基本的な生活費の支出に関しては、給与水準によって、割安な人もいれば、割高になる人もいるわけです。一見同じ値段に見えるものが、実は違うということなのです。

※厚労省データ(令和2年賃金構造基本統計調査)によると東京都の平均賃金は37万3600円なのに対し、沖縄県は25万2500円。この比率で割り返すと、東京で363円のコーヒーは沖縄では537円のコーヒーとなる。
 

何がお買い得なのかも、人によって異なる

1万円でこれだけオトクに買えた! と思ったことが、実は1万円のムダ遣いだった。という経験はありませんか。お正月の福袋などが、これに近いかもしれません。

スーパーに限らず、ネットショッピングでもセールがあり、何%オフの文字が毎日のように躍っています。特にネットショッピングは、その場でクリックすれば商品購入ができてしまうので、気軽に買ってしまいがち。特に普段、節約節約で家計のやりくりをしていると、何%オフ、という文字に反応してしまいます。しかし、これは節約にはつながりません。常に価格動向を調べていて、本当に安いのかを確認していないことが多いからです。さらに、普段買わない商品、つまり本当は必要不可欠の商品ではないことが往々にしてあります。

でも人によっては、普段買っている商品が、たまたま何%オフで買えたとしたら、それはお金を最大価値で利用できたことになります。同じ1万円を使うにしても、人によってはお買い得ですが、人によっては1万円以上の価値があっても、自分にとってはムダ遣い。つまり価値はゼロとなることもあるのです。

こうして考えていくと、家計管理では費目ごとに何%程度に抑えるのがいい、と目にしますが、人によって消費する項目の価値観は違い、その違いによって、出ていくお金の価値も違ってくるわけですから、通信費が何%、交際費が何%、衣服費が何%といった数字は、気休めにしかなりません。いくら平均的な支出割合に収まっていたとしても、その1000円が自分にとって無価値な支払いであれば、速攻止めるべきだし、その1万円は自分にとっては欠かせない支出で、1万円以上の価値があると思えば削るべきではありません。冒頭のカフェのコーヒー1杯の値段が高いか安いかは、実は人によって違うということでもあるのです。普通、そこまで考えてカフェに立ち寄るのも面倒くさいですが。

とはいえ、食費(外食費は除く)や水道光熱費は、最低限、生活を営む上で欠かせないもので、お金の価値基準を変えることは難しいものです。しかし、それ以外は本当にそれだけの対価を払う必要があるのかを考えて家計管理することができます。今一度、家計の費目をチェックして、一つ一つの支出が妥当なものか確認してみてください。

消費税が10%になった際、商品の買いだめをした人もいたかもしれません。でも今や、キャッシュレス事業者のキャンペーン合戦もあり、増税前よりもオトクに買える手段も増えています。

ただし、できるだけ安く買いたいと思うのは誰しも同じで、ポイント還元やキャンペーンは上手に活用すべきですが、過剰に対応しすぎるのも考えものです。本当に必要な買い物なのか、家計管理上、無駄な行動はしていないか、と冷静に考えることも大切なことです。

特にキャッシュレス化が進むと、何にいくら使ったのか、ひと月の支払いはいくらだったのかが分かりにくくなります。予算を決めるのは現金であってもキャッシュレスであっても必要なことです。
 

貯蓄も同じ。1万円の価値を最大化することを考える

1万円の価値。これは貯蓄でも同じことがいえます。たとえば、貯蓄の原資となる1万円は年収にかかわらず1万円。預金金利は基本的には、誰でも同じ金利が適用されます。そこでこの1万円に違いを出せるかは、人によって異なるわけです。さらにいえば、年収1000万円の人にとっての1万円と年収300万円の人にとっての1万円はスタート時点で重みが違っているわけですから、特に年収が低い人は、この1万円をさらに価値を高める必要があります。

1万円は1万円。そのままお財布に入れたままにしておけば、1円たりとも増えずに、いつの間にか消えてなくなります。普通預金に預けたとしても、今や金利は0.001%。1年預けても利息がつきません。

ネット銀行であれば、金利0.02%のところもあり、一般の銀行とは20倍違います(普通預金の新常識。定期預金は使わず金利200倍!)。預け入れる金額が多ければ、その差は無視できないものです。

どこに預けても同じ、と思っているうちは、お金の価値を高めることができないのです。

なにも価値を生まない1万円のまま放置するのか、もっと金利が高いものはないか探すのかでは、期間が長ければ長いほど、圧倒的な差になってきます。積立貯蓄や積立投資でいかに1万円を活用するかが、これからの時代はとても大切になってきます。

さて、あなたの1万円の価値は、いくらですか?

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