照明・LED/LED照明

あなたは知っている? LEDの正しい知識(2ページ目)

省エネ性や長寿命であることはよく知られているLED。しかし、いざ、自宅に取り入れるとなると、どんなLEDの製品を買えばいいのかわからないという人が多いようです。今回は、一般の方がどんなことに疑問を持っているのか、インテリア&家電コーディネーターの戸井田園子さんにお聞きしながら、上手なLEDの照明器具の選び方について解説していきましょう。

執筆者:越川 俊男


エアコンのように、畳数表示を参考にして選ぼう

戸井田さん:ルーメン表示を頼りに、照明器具を選べばいいということはよくわかりました。では、「この部屋には、どのくらいのルーメンが必要」という基準はあるのでしょうか。

越川:日本照明工業会では、ホームページで、シーリングライトやペンダントライトについて、適用畳数の基準を掲載しています。「△畳の広さには、○○~○○ルーメンのあかりを選べばいい」というように、具体的な数値が書かれていますので、参考にしてみてください。
とはいえ、6畳の部屋なら、LEDのシーリングライトの場合、2700~3700というように、数字が大きくて幅があります。「覚えられない!」と、言われそうな気も…。

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出典:出典:一般社団法人日本照明工業会ガイドA121:2014 
住宅用カタログにおける適用畳数表示基準



戸井田さん:ルーメンに慣れていない分、わかりくいかもしれませんね。

越川:そこで、おすすめなのは畳数表示を参考にする方法。これはわかりやすいと思いますよ。取り付けようと思っている部屋の広さ(畳数)に合わせて好みの照明器具を選べば、まず、失敗することはありません。

戸井田さん:これなら、簡単! エアコンを選ぶとき、畳数表示を参考にして選ぶのと同じですね。

越川:その通りです。現在、明るさの基準として「100ルクス(lx)」をJIS(日本工業規格)が推奨していて、そのJIS基準をもとに計算された適用畳数のLED照明器具を選べば、リビングで生活するのに十分な明るさを得られることになります。ただ、最近は壁や天井の素材にもさまざまなものがあり、全体的に暗い色で統一されたお宅では、ワンランク明るめの照明器具を選ぶことがポイントとなります。更に言えば、高齢者のいらっしゃるお宅では、ワンランク、ツーランク上の明るさを持つLED照明器具を選ぶのもオススメです。

※【参考記事】ライフサイクルに合わせる!LED照明の選び方

戸井田さん:人がその部屋のどこにいても適切な明るさが得られるように、さまざまな状況を想定したうえで、△畳用と表示されているわけですね。そういうところも、エアコンの畳数表示と同じです。

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LEDの正しい選び方を指南する越川さん


越川:前ページでワットについての誤解について話しましたが、もう一つ、ほとんどの方が誤解されていることがあります。
それは、照明器具の寿命についてです。「10年!? 意外と知らない照明器具の寿命」でも説明しましたが、照明器具にも寿命があるということをご存じない方がまだまだ多いんです。

戸井田さん:ランプを交換すれば、ずっと使い続けられると思っている方が多いですね。それについて、私は、テレビを例に挙げて説明しています。「テレビのバックライトだけ取り替えてテレビを使い続けるということはないでしょ? それと同じですよ。テレビに寿命があるように照明器具にも寿命があるんです」と言った具合です。こう説明すると、何となくですが、理解してもらえることが多いみたいです。

越川:やはり、あかりも家電の一つだと考えてもらうのがよさそうですね。照明器具の点検・交換の目安は10年とされています。

戸井田さん:壊れたらもちろんですが、例え壊れなくても、10年を目安に新しいものに買い替えるようにしてほしいと思います。


失敗したくないならシーリングライトから試してみて

越川:ここまで、LEDを取り入れるなら、ルーメン表示や畳数表示を参考にしながら選んでほしいと説明してきましたが、戸井田さんは、一般の方にどのようにアドバイスされていますか?

戸井田さん:私は、LEDを取り入れるときに最初に電球形LEDランプを購入するのは、「洋服を買うときに、いきなりオーダーメイドに手を出すようなものですよ」と話しています。

越川:電球形LEDランプは、今使っている照明器具に合う合わないがあるので、確認して購入する必要があります。しかも、LEDランプに交換するということは、器具の寿命を超えて古い器具を使い続けることにもなりかねません。

戸井田さん:そこで、私は、絶対に失敗したくないという方には、「まず、LEDのシーリングライトから始めるのがいいですよ」と説明しています。リビングや子ども部屋の天井付の蛍光ランプの照明器具を「LEDのシーリングライトに交換しましょう」というように。

越川:そのとき、先ほど説明した畳数表示を参考に照明器具を選べばいいわけですね。さらに、調色や調光機能のあるものを選択すれば、リモコンで、光の色や配光の違いなど、いろいろなあかりを体験することができます。

戸井田さん:最近のLEDシーリングライトには、調色や調光機能が付いたものがたくさんありますものね。しかも、価格もかなりお手ごろになってきました。

越川:デザインも豊富なので、きっと好みのものが見つかると思います。多機能のLEDシーリングライトを設置してみて、いろいろと光の色を変化させたり、明るさを変えてみると、わが家にはこういったあかりが適しているとか、自分の好みはこんなあかりだということが少しずつわかってくるのではないでしょうか。

戸井田さん:そして、次のステップとしては、スタンドなど、コンセントがあれば取り入れられるあかりを加えてみてと…。

越川:一室一灯から多灯分散照明にするわけですね。多灯になれば、シーンによって使い分けができます。食事ときはテーブルの上を中心に照らしてとか、新聞や本を読むときは手元を明るくしてとか、家族団らんのときにはリビングを中心にしてあたたかさを感じるあかりにするといった具合に、その時々に合ったあかりを選択できるでしょう。

戸井田さん:夜、お酒を飲みながらくつろぐ時はぐっとあかりを落として、なんてこともできますね。

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くつろぎの空間を演出するあかり



越川:まさに、あかりを楽しむ暮らしの一例です。
ただ、明るさの感覚というのは人それぞれです。同じルーメンのあかりの下でも、心地よい明るさだと感じる人もいれば、暗いと思う人もいます。また、セードの形や照明器具のデザインによっても、感じ方が変わります。そういったことをもっと知りたいという方は、ぜひ、照明メーカーのショールームに行かれることをおすすめします。あかりの世界は奥深いですよ。思いがけない発見もあると思います。

戸井田さん:ショールームに出かけようというほど、あかりに関心を持つ人が増えれば、日本の住宅の雰囲気も大きく変わりそうです。

越川:そうですね。欧米のように、もっとあかりによる演出を楽しんでほしいと思います。本日はありがとうございました。




第16回 全国小学生ポスターコンテスト2016
募集テーマ「あかりの未来と夢を描こう!」

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1879年10月21日、アメリカのトーマス・エジソンが世界で初めて実用的な電球を作りました。「あかりの日」はエジソンの発明を記念して1981年に制定されました。それに合わせ、全国小学生ポスターコンテストを開催します。

いつも身近にある「あかり」に目を向け、無駄のないあかりの使い方や環境にやさしい夢のあるアイデアを考えてみませんか?たくさんのご応募お待ちしています。

応募資格 小学生に限ります。
応募期間 平成28年6月17日(金)~9月5日(月)[必着]

「あかりの日」ホームページはこちらから
募集要項はこちらから


【ショールーム情報】
NECライティング
オーデリック
コイズミ照明
大光電機
東芝ライテック
パナソニック
※一般社団法人 日本照明工業会・住宅リニューアル小委員会


【関連記事】
10年!? 意外と知らない照明器具の寿命
LEDの明るさを判断する「ルーメン(lm)」って何?


 

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