疲労回復法

梅雨の頭痛を改善!気象病の症状に効果的な入浴法

【温泉療法専門医が解説】頭痛、だるさ、関節痛などが起こる「気象病」。梅雨や季節が不安定な時期には、スッキリしない不調を感じる人も多いようです。気象病には、ヨガや呼吸法などの自律神経を整える対策法も有効。手軽に試したい人は、毎日のお風呂を活用しましょう。梅雨時の不調におすすめの入浴法をご紹介します。

早坂 信哉

執筆者:早坂 信哉

医師 / お風呂・温泉の医学ガイド

梅雨の低気圧が原因? 頭痛やだるさが生じる気象病

バスタイム

頭痛やだるさ、関節痛など、自律神経系の不調が起こりやすいシーズン。体調を整えるコツは?

最近のインターネット調査*によると、降雨の前の気圧の低下で体調不良を感じる人は少なくないようです。

「だるい」が42%、「頭痛」が24%、「関節が痛む」が13%となり、体調に変化が現れたという回答は、合計で64%となったと報告されています。

他の医学的研究でも以前から天気が悪化するとさまざまな体調不良が起こることが報告されています。このように気圧や天気、湿度、気温などの変化によって悪い影響を受けるものを「気象病」と呼ぶこともあります。

特に、梅雨の時期をはじめ、気圧が低くなることが多くなると、低気圧が人体の交感神経を過剰に刺激し、自律神経が乱れがちになります。そのことによって、だるさや頭痛、関節痛の悪化といった様々な体調不良が現れます。特に痛みは交感神経が興奮することによってより強く感じると言われています。私の外来を受診される患者さんの中にも、天気が悪くなってくると決まって頭痛がする、という方がいます。

交感神経は、例えば大事なプレゼンや試験の前にスイッチが入る自律神経で、いわば戦闘態勢の時の神経です。つまり低気圧にさらされるということは身体にとっては知らず知らずのうちにストレスになっているということです。そのため、実験的に気圧が低い環境にさらすことによっても、頭痛やしびれなどが悪化することも報告されています**。

梅雨の頭痛に!気象病対策には自律神経を整えることが効果的

それなら、気象病を治療したい人にとっては、自律神経を整えることが早道、ということになります。自律神経を整える方法は、ヨガ、呼吸法、自律訓練法など様々ですが、どれもちょっとした努力が必要です。

もともと自律神経とは、その名の通り、自動的に働く神経のことで、私たちの意志でコントロールできるものではありません。例えば、暑くなったら汗をかく、食事を食べたら胃腸が動いて消化する、緊張すると拍動が速くなる、といったことは自律神経の働きによるものです。このようなことから考えると、自律神経を自分の意志でコントロールするのはそれなりに難しいということが理解できると思います。

梅雨の頭痛に! 自律神経を整える入浴ポイント3

自分で自律神経を整えることはなかなか難しいものですが、低気圧で興奮気味の交感神経を簡単に鎮める方法として、ぬるめのお風呂を利用することをおすすめします。ポイントは次の3点のみです。

・40度以下
・15分
・全身浴


40度以下のぬるめのお湯に浸かることで、交感神経の興奮を抑えることができ、同時にリラックスさせる神経である副交感神経を刺激することができます。また、ゆったりと全身浴をすることで、浮力によるリラックス効果も期待できます。

ぬる湯で交感神経の過剰な興奮が抑えられることで、痛みへの感受性も弱くなる他、お風呂の温熱効果自体によっても痛みへの改善効果があるため、梅雨の頭痛や腰痛などの不快な症状には効果的と言えるでしょう。

天気のせいかちょっと体調が悪いな、と思ったら早めにぬるいお風呂でしっかり温まって自律神経を整えてセルフケアしましょう。

*ウェザーニューズ2012
**Spinal Surgery 29(2)153-6,2015.
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