いよいよシャープペンに、多機能という選択肢が出てきた
今、シャープペンの進化が熱い。三菱鉛筆の「クルトガ」、ぺんてるの「オレンズ」、ゼブラの「デルガード」など、様々な機能を持ったものが次々に発売され人気を集めている。
シャープペンのメインユーザーは学生の方々だが、その人気がビジネスパーソンの間にも広まっているようにも感じる。というのも、ここに来て高価格帯や高機能タイプが出てきている。
そんななか、モードが選べるシャープペンが登場した。それが、オート社の「コンセプション」だ。
コンセプションの「折れないモード」を検証
2つのモードが選べるのがオートのシャープペン「コンセプション」の特徴。つまり、「多機能シャープペン」ということになる。多機能というとボディが太くなりがちだが、これはとってもスリム。手にするとメタルボディらしい重みがある。ボディにはサラサラときめの細かい加工が施されている。ただ、グリップだけはすこしばかりザラザラに仕上げられ、握り心地をよくしてくれている。
では、モードの説明を。ひとつめは「折れないモード」だ。モードの切り替えはグリップで行う。クルクルと回転させてグリップをペン先側に移動させる。こうすると「折れないモード」になる。
ノックをする前にもうひとつ調整すべきところがある。ノックボタンのすぐ下のネジのようなものがある。ここを回転させると、それに連動してボディの横にいくつもある丸い窓の表示が変わっていく。これはワンノックした時の芯の出具合を調整するものだ。「折れないモード」では、ここを「min」つまり最小にする。
この状態にしてノックボタンを押すと、ガイドパイプがニョキッと出てくる。あとはこのまま書けばいい。ぺんてるの「オレンズ」と同じガイドパイプで芯を覆いながら書くというスタイルだ。
芯が減ってもガイドパイプはそれに応じて少しずつ引っ込んでいってくれる。書き心地はあくまでも私個人の印象だが、ガイドパイプが紙にあたる感触が私の手には少しばかり残った。普段私は万年筆をよく使っているため、ペンを寝かせぎみにしているせいかもしれない。0.3mmと0.5mmで書き比べしてみると、個人的には、0.3mmの方がスムーズな書き心地だった。
私はあまり筆圧が強いほうではないので、折れないということよりもワンノックでずっと書き続けられるという点にむしろメリットを感じた。
この「折れないモード」では、書き終わった後にガイドパイプをスッキリ収納できる良さもある。
コンセプションの「製図モード」を検証
2つめのモードは「製図モード」。先ほどペン先側に移動したグリップを今度は後ろ側に戻していく。こうするとガイドパイプは一転して完全に固定される。これは、いわば通常のシャープペンで書くときのモードだ。
もちろんこのモードの時にもワンノックでの芯の出し具合が調整できる。
0.3mmタイプを「製図モード」で書く時は、私の場合は●を2.5個くらいにした所がちょうどよかった。あまり長くしすぎなければ、0.3mmでも折れることはなかった。ここは自分の筆圧によって調整するといいと思う。
2つのモードのうちどちらが好みかと言われれば、私は「製図モード」の方がいつも慣れているせいか、安心感があった。基本は「製図モード」を使って、たくさんの文字を書くときは、「折れないモード」にするといった感じになりそうだ。
用途に合わせて選べ、微妙な調整もできるというのは、たしかに便利かも知れない。グリップやダイヤルをクルクルと回すメカニカル感もたっぷりと味わえて楽しいシャープペンだ。
*関連リンク
オート