一戸建て購入/分譲住宅・建売住宅選び

マンションと価格僅差になった「都内建売戸建」の魅力(2ページ目)

「戸建かマンションか」--マイホーム取得時に誰もが一度は悩む問題。その線引きの大きな理由になっているのが価格ではないでしょうか。この価格差が昨今縮まる傾向にあり、「戸建は当然ムリだからマンション」と考えていた人にとって、2つの選択肢を並列で比較検討できる時代が訪れています。その理由と取材事例を紹介します。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

都内の新築建売を訪問見学

さて、建売戸建の実物を取材するため訪問したのは、住友不動産のJアーバン上石神井。住友不動産といえば有力なビル・マンションディベロッパーですが、多数のマンション・ビル建築で培った斬新なデザインと高い技術を活用した戸建事業も行っています。

外観

複数戸が分譲されるため、デザイン統一された落ち着いた邸宅街に

白地にブラウンのアクセントが効いた外観12棟が並ぶ街区ブロックは、周辺や隣との家並みが統一された、まるで「白亜の街区」。複数の同じ仕様の家が並ぶことで道路計画や植栽を含め、邸宅街のような家並みが形成されるのも、建売分譲の魅力といえます。欧米では街区の街並みが地価に影響するといいますが、街並みが地価に評価されるようになれば、このような街区に住むことは資産価値の保持向上という点でも重要になります。

1区画の敷地は110平方メートルと、かつて金太郎飴と揶揄された細かく縦割りされた建売のイメージは全くなく、1棟1棟が注文邸宅のような重厚感があります。

一番の魅力は「子ども2-3人をゆったり育てられる広さ」

LD

15帖近いLDは、子どもたちが大きくなっても全員が集える広さ

実際にモデルハウスを見学して感じたのは、4LDK+納戸+ロフトの110平方メートルという広さ。ファミリー構成で多い「夫婦+子ども2人」を考えた場合、マンションに多い3LDKでは子ども1人ずつに個室をあてがうのはなかなか難しいところですが、ここでは2階にある3室の洋室が「夫婦の寝室」「長女の部屋」「長男の部屋」にゆったりあてがうことができます。

1階はLDとキッチン、和室と水回り。14.6畳の二面採光の明るいLDは、やはり一般のマンションでは叶いにくい、戸建ならではの風格を感じます。LDとキッチンは家族が一番滞在する時間の長い空間ですから、ここの広さとゆとりは毎日の心のゆとりを生むことにつながります。

1階のパントリー収納、2階各部屋のクローゼット収納、廊下収納のほか、主寝室には4畳ほどのロフトもあり、収納量も子育てファミリーには十分。供給量の多い3LDKマンションでは、なかなか子ども1人ずつ勉強部屋を与えることが難しい中、これも戸建ならではのゆとりといえるでしょう。

50代4人家族にインタビュー「50代も戸建買い時タイミング」

ガイドが見学した際、50代4人家族が見学に来ていました。高校生の娘さんと中学生と息子さんも一緒にいらっしゃっていますが、さすがに子どもが大きくなり社宅では手狭になり、建売戸建を買おうと考えているとのこと。戸建のメインターゲット層は子ども誕生前後の30代とイメージしがちですが、子どもが小さいうちは何とかマンションでも対応できても、お子さんが中高生になって体格も所有物も大きく多くなる頃、つまり夫婦が40-50代のタイミングも一つの戸建買い時なのだと思いました。

ロフト

子どもが使わなくなったけど捨てられない学用品など、ロフト収納は子どもが中高生になっても重宝。

価格も広さもデザイン内装も高級邸宅に引けを取らないイマドキの建売戸建。建売の場合、建築過程がみられないため、構造や建物自体の質を確認しにくい面がありますが、同社をはじめ、住宅性能表示制度や長期優良住宅の認定制度をクリアすることで、注文戸建に匹敵する「建物の高品質」を施主に保証し安心を高める物件が増えています。

こうした品質をしっかり買い手に明示されればより安心。マンションとの価格差が縮まっている建売戸建も、マイホームの選択肢の一つに入れてみるのもよいかもしれません。
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