お金の悩みを解決!マネープランクリニック/50代シングルの人のお金相談

51歳、5年前に自己破産。親と住む実家は築50年です(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、5年前に自己破産をし、実家に戻り老後のお金に悩む51歳のパートの女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 自宅は手放すと考えるのが現実的

ご実家に関しては、現状を細かく見たわけではないので断言はできませんが、築50年であれば、一般的にリフォームをしない限り、長く住むのは難しいはず。少なくとも、ご両親がまだ元気なうちは住み続けることも可能でしょうが、要介護などで施設に入る可能性も否定できません。そうなった場合、ご実家を売却して、その費用に充てるということも考えられます。時期は明確にはわかりませんが、そう遠くないうちにご実家は手放し、賃貸に移り住むとことを想定しておくべきでしょう。

家計収支については、実家ということで抑えられている面もありますが、収入の中でやりくりし、毎月貯蓄をしているのは立派です。
 

アドバイス2 個人年金保険の加入が大きい

もしボーナスからの貯蓄が望めないのであれば、貯蓄ペースは年間24万円。65歳まで勤務すれば14年間で336万円ですから、退職金がないとすれば、現在の貯蓄額と合わせて退職時に400万円超の老後資金が用意できるということになります。

仮に、このタイミングで賃貸住宅に移り住んだとしましょう。ご実家を弟さんと相続し、手にした相続資産はもしものときの資金と考えれば、実際の生活費は先の400万円超の貯蓄と公的年金と個人年金による受給が頼りとなります。

80歳までは年金が年額258万円ですから、家賃を5万円、今の生活費と同程度すれば月15万円程度に収まるのではないでしょうか。そうなると、この間は年70万円くらいを貯蓄に回すことも可能です。

そう考えると、個人年金保険に加入したのは大きかったと思います。ご自身の「持っていると使ってしまう」という性格をよく理解して、解約しにくい保険で老後資金づくりを行っているのは実に効率的です。自己破産された経験も活きたわけです。
 

アドバイス3 65歳以降も働き、老後資金の上積みを

ただし、個人年金保険からの支給が終了する80歳以降、公的年金だけでは生活費が不足することが考えられます。つまり貯蓄を取り崩す生活になるということです。また、先の試算はあくまで、予定外の大きな支出がなく、健康であるということが前提です。当然、先のことであればあるほど不確定要素が増えるはず。たとえば、何らかの事情で55歳で自宅を手放すことになれば、新たに10年分の家賃や水道光熱費等を試算に加えなくてはいけません。

したがって、できればリスク軽減の方策を今のうちに検討しておく必要があります。その方策ですが、具体的には2つ。ひとつは65歳以降も働くということです。今後、収入アップは望めなくとも、長く働くことで生涯賃金を増やすことはできます。できれば70歳を目標に、月額5万円でも得られれば、それでも十分、老後資金の貴重な上積みとなります。

もうひとつは、70歳まで働くことが前提ですが、公的年金の支給の繰り下げ、つまり支給開始年齢を先に延ばすことです。70歳に延ばせば年金の増額率は約42%。もちろん、その分、受給できる年数が減るのですから、一概に得になるとは言えません。しかし、70歳以降の年金額を増やすことで、より高齢になってからの貯蓄の取り崩しを抑えることができます。詳しい金額等は、最寄りの年金事務所で確かめてみてください。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ




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