ホンダの上級ミニバン・オデッセイにハイブリッドモデルが追加
オデッセイにハイブリッド仕様が追加された。興味深いことに日本人ユーザーの多くは「ハイブリッド」という”技術”に魅力を感じるらしく、普通のエンジン以上に売れている車種もあるほど。はたしてオデッセイの場合、ハイブリッドを選ぶべきか、はたまた普通のエンジンを選ぶべきか?じっくり考察してみたい。
まずハイブリッドと普通エンジンの性能はどうか。双方に試乗してチェックした限り、普通のエンジンの方が優勢である。データを見ても想像可能。ハイブリッドの絶対的な動力性能は、電池を使い切るまで184馬力を発生するものの、長い上り坂では146馬力になってしまう。一方、普通のエンジンは、標準で175馬力。アブソルートなら190馬力だ。
車重は100kgくらい普通のエンジン搭載車の方が軽い。どんな場所で比較しても、ハイブリッドは普通のエンジンに勝てないだろう。加えてハイブリッドは巡航状態からアクセル全開にした時のレスポンスが極めて悪い。大雑把なイメージだと、アクセル全開からフル加速体勢になるまで3秒近くかかってしまう。試乗したら体感してみてほしい。
燃費という点からすれば圧倒的にハイブリッド優勢だ。なんたって2トン近い車重の3列シートミニバンながら、街中を普通に乗って17km/L前後まで伸びる。ほぼ同じ車重のトヨタ車のハイブリッドだと15km/Lにも届かないから素晴らしい。ホンダの2モーター式ハイブリッド、燃費効率という点では世界で最も優れている。
参考までに書いておくと、普通エンジンのオデッセイは道路事情によって燃費が大きく変わる傾向。流れの良い道だと12~13km/Lで走るものの、東京都内のように平均車速20km/hくらいの流れが悪い道では、10km/Lを割り込んでしまう。流れの良い道で使っている人はハイブリッドの価値が小さく、流れの悪い道だとメリット大。
ハイブリッドか普通エンジンか?「自分で買うなら」と聞かれたら……
ということでハイブリッドのメリットは燃費と言うことになる。仮にハイブリッドを17km/L。普通のエンジンを10km/Lとすれば、走行1万kmあたりのガソリン代は4万5000円差だ。一方、ハイブリッドと普通エンジンの価格差は55~61万円。つまり「ハイブリッド代」を浮かそうとしたら、12万km以上走らなければならない。
また、流れの良い道で使うと普通のエンジンも12km/L以上で走ってしまう。この場合、20万km以上は走らないとハイブリッドと普通エンジンの差額は回収不可能。それでもいい、というならハイブリッドをすすめておく。自分で買うならどうか、と聞かれたら、0.5秒も迷うことなく普通エンジンを選ぶ。……オデッセイのハイブリッド、高いです。
普通エンジンのオデッセイは魅力的だ。今回の変更で乗り心地が圧倒的に良くなった。前期型オデッセイの乗り心地、どんな基準を当てはめても「悪い」でしたから。キャビンスペースの使い勝手も良好。オデッセイの購入を考えているならぜひとも試乗してみて欲しい。きっと気に入ることだろう。買うなら値引き交渉をしっかりした上でどうぞ。
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