誰だって失敗したくないから「理想の人」を求めるもの

欠点を探す相手

「理想の人」について考えてみましょう。

あなたには今、好きな人はいますか? もしかすると、これから探そうとするところでしょうか。実は、完璧な「理想の人」を探そうとするのは、多くの人が陥ってしまう罠。

「この人よりも、良い人がいるんじゃないだろうか?」
「前回は選び方を間違った。今回はもう失敗しないぞ!」
「理想の人に出会えれば、自分は幸せになれる」

……パートナーを探すとき、このような心理になることがあります。

なぜなら、誰だって、
「間違いたくない。何か指針が欲しい」
「自分の決断が合っているという、証拠を示して欲しい」
……この方向で合っているのだ、という安心感は、婚活においてはとくに強く求められます。

「あなたにはこんな人が合うでしょう」という婚活コンサルや占いビジネスが発展した理由はここにあります。誰だって、自分にとって最高のパートナーに出会いたい。「誰でも良い」という考えの人ばかりであれば、婚活ビジネスがここまで大きくなることはなかったでしょう。だからこそ人は、真のパートナーと出会うためのスキルやノウハウに対して、高い対価を払うのです。

しかし、ここでひとつ、思い出しておくべきことがあります。それは「最高の相手は、最低の相手になりうる」ということです。

「最高」が「最低」に急落する理由は、勝手な期待値

最高の相手は最低の相手に

最高の相手は最低の相手になってしまうのはなぜ?

「この人は最高、まさに理想の相手だ!」と思った相手に、私たちは大きな期待を寄せます。それは自然なことですが、パートナーとなるとその期待値は必要以上に大きくなってしまいます。

「理想の人なのだから、これくらいは当然やってくれるだろう」「私の望みを叶えるために生まれてきた人なのだから、これもやってくれるはず」……このように、その立場や役割に応じて、私たちはさまざまな期待を抱いてしまいます。

あなたがその相手を「最高の相手」だと思うことは、あなたが担ぐ神輿にその人を乗せるようなものです。神輿が大きければ大きいほど、神輿が崩れたときのダメージは激しくなります。あなた自身が相手を担ぎ上げたのに、相手に裏切られたと感じてしまうのです。それが「最高の相手」が「最低の相手」になりうるということの危険性なのです。


「完璧な人はいない」ということに、納得できない人たち

革製品が好きな人は、その面倒なお手入れさえも愛おしんでいるもの。

革製品が好きな人は、その面倒なお手入れさえも愛おしんでいるもの。

そもそも、パートナー探しは「答えのない活動」です。

自分の希望する条件さえ満たしてくれれば、他の条件についてはどうでも良いという人がいる一方で、より良い相手や欠点のない相手を求めることを止められない人がいます。

別の言い方をすれば、自分がどのような人に出会えたらパートナー探しを止めるべきか、タイミングが分からない人は多いかもしれません。まるで出口のない迷路に迷いこんだような感覚になっていることでしょう。

そんな人にオススメしたい考え方があります。

それは「他の分野なら、私はどうするだろう?」という質問を自分にするということです。

例えば、洋服だとどうでしょうか。カジュアルなTシャツは着心地がよく普段着に最適ですが、正装のパーティーには着ていけません。でも、「このTシャツのデザインが大好きだ!」と思えば、そうした長所や短所とも言える部分を超えて、購入に至るのではないでしょうか。つまり、「大好き」という感情は、その対象に存在する「短所」すら包みこんでしまうものです。

また、本当に「革製品」が好きな人は、時間とお金のかかる「手入れ」すら楽しんでいることが多いはず。しかし、革製品の手入れなんて無駄だ、と思っている人の場合、せっかくの上質の革をダメにしてしまったり、嫌々手入れをする無駄な時間を過ごすことになりかねません。あなたが、短所とも言える部分を含めても大好きだと思える人を探すことは、パートナー探しの指針となるでしょう。

「理想の人」だと思う相手の欠点を探そう

完璧な人はいない理由とは?

「完璧な人」はいないのだからこそ、あえて完璧だと思った人の短所を探してみましょう。

逆に、「この人には短所がひとつもない、完璧な理想の人なんです!」と言う人がいます。本当にそうでしょうか? なぜなら、人はさまざまな面を持っており、短所は長所でもあり、長所は短所でもあります。

面白いことに、そういう人とよくよく話してみると、じつは相手の短所や悪い部分を本当は知っていることが多いのです。つまり、見て見ぬフリを決め込み、「この人は最高だ!」と自分に言い聞かせているだけなのです。

それでは認識のバランスが崩れてしまいますし、結果的に、早かれ遅かれ落胆を経験することになります。相手に対し、高揚し、心酔しているだけ。先ほど例に挙げた「革製品を愛する人」は、もっとハートの奥から対象を愛しているはずです。

実際、「相手の悪い部分を探してみるように」と私がアドバイスした人から、こう言われたことがあります。それまで「完璧だ!」と思っていたときより、もっと深く相手を好きになれた、と。

見て見ぬフリをして「理想の人」と担ぎ上げるのではなく、「理想の人」だと思う相手にこそ、あえて「欠点や短所を探す」アプローチを取ることをオススメします。
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