記憶術/記憶術の例

成功者が実践する、最適な睡眠を手に入れる方法(2ページ目)

「試験まで1ヶ月。睡眠時間を削るしか…」「明日のプレゼン、このままでは間に合わない。今夜は…」。試験や仕事など、本番が近づき焦ってくると、ついつい手をつけるのが睡眠時間。でもこれが実は危険なワナ。寝る時間を削るのは、あなたの記憶に大きなダメージを与える危険性があるのです。寝ている間も脳は勉強や仕事をしてくれているからです。記憶と睡眠の関係を知れば、ぐっすり寝ながら勉強も仕事もデキる人になれます!

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

記憶の整理に必要な睡眠時間は?

睡眠中の女性

寝ている間も脳は仕事してくれている

名古屋大学の澤田誠・環境医学研究所所長は、その著書の中で以下のように述べています。

「成人であれば最低でも3周期できる4時間30分程度の睡眠時間を確保してください。4周期分の6時間、眠ってもらえれば、メモリー・コンソリデーションに十分な睡眠時間となるでしょう」(『なぜ名前だけがでてこないのか』誠文堂新光社)

また、目覚めるタイミングにも注意が必要です。「メモリー・コンソリデーション」をしている途中で目覚めると、記憶の整理・統合が中途半端になってしまうからです。

このため、眠りが浅くなり、そこで目が覚める「自然な目覚め」が一番です。

「でも、それでは寝坊してしまう……」と心配する方もおられるでしょう。そんな方はスマホで使える睡眠アプの使用がおススメ。これは身体の動きから眠りの深さを感知し、そこから眠りが浅くなったタイミングでアラームを鳴らしてくれるという機能があります。

睡眠の深さが記憶を左右する

睡眠時間とともに、忘れてはならないのが、睡眠の「質」

浅い睡眠だと、ぐっすり身体も休めず、疲れが取れないことはもちろんですが、記憶の種類によっては、定着がうまくいかないという研究結果も出ているのです。

睡眠の深さはさまざまな脳波の割合によって、もっとも浅いレベル1からもっとも深いレベル4までの4段階に区別されています。

そして、身体が覚えた運動の記憶は比較的睡眠の浅い、レベル2で記憶の定着が起こるのですが、いわゆる「知識」と呼ばれる頭で覚えた記憶は最も深いステージ4で定着が行われるというのです。

もし、この研究が正しいとすれば、不安や焦り、ストレスなどで眠りが浅い状態ばかりだと、せっかく試験勉強で読んだ問題集やテキストの内容、プレゼンの準備で覚えようとした内容がしっかりと記憶できない危険性があります。

では、いろいろ不安になって寝られないときどうすればいいでしょう? ここでカンタンにすぐできる不安解消法をご紹介します。

白紙1枚で不安が減らせる

そのために必要なのは1枚の「白紙」

何かの裏紙で構いません。そこに、あなたの頭の中に浮かんでいる言葉をどんどん書き出していくのです。

「書いたら、余計に不安が強まるのでは?」なんて思うかもしれませんが、そのことも含めてどんどん言葉にして書き出してみましょう。やってみると思ったほど、不安の言葉が出てこないことに気づくかもしれません。「あれだけ不安で悩んでいたのに、これだけか……」と拍子抜けする人も多いでしょう。

こうやって、言葉にして紙に書き出すだけで、気持ちがラクになっていきます。

「それでもまだ寝られない……」という方には、書いた紙を次のように処理してみてください。

  • くしゃくしゃと丸め、小さくして捨てる
  • ハサミで細かく切り刻んで捨てる
  • 燃やして灰にして捨てる
ここまですると不安がスッキリするでしょう。

睡眠時間をキッチリとることで記憶が整理・統合される

睡眠時間が足りなければ、昼間の勉強や仕事の質が落ちるのはもちろん、夜間の“勉強”“仕事”の質も落ちるという、ダブルパンチになるかもしれません。

睡眠時間を削ってがんばった努力が、その努力ゆえにムダになるなんてあまりにも悲しいですよね。

逆に、睡眠時間をしっかりとることで、頭も身体もスッキリ、そして記憶もスッキリ整理・統合された状態で、勉強や仕事に取り組むことができます。

削れる仕事は削り、明日に回せる仕事は明日に回し、今日もしっかり睡眠時間をとって、記憶の整理・統合をしましょう!

参考:『なぜ名前だけが出てこないのか』(澤田誠著 誠文堂新光社) 第3章「眠りが記憶を強化する」
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